訪問看護の口腔・多職種連携に関する加算|医療保険・介護保険の違い

口腔・多職種連携の加算、医療保険と介護保険でどう違うのでしょうか?
訪問看護には、他の医療機関や薬局と連携したときに算定できる加算と、口腔の健康状態を評価して歯科医療機関につなぐ加算があります。
ただし、前者は医療保険、後者は介護保険の加算であり、制度が異なります。
この記事では、厚生労働省の告示・通知・様式に沿って、医療保険と介護保険、それぞれの加算を分けて整理します。
※医療保険の訪問看護と、介護保険の訪問看護の両方を扱います。

まず、医療保険か介護保険かを確認する

医療保険の訪問看護介護保険の訪問看護
扱う加算在宅患者連携指導加算、在宅患者緊急時等カンファレンス加算、訪問看護医療情報連携加算口腔連携強化加算
根拠訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(厚生労働省告示)指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(厚生労働省告示)
金額の単位円単位

医療保険の訪問看護:連携系の加算

どの加算が当てはまるか、要件ごとに確認する

3つの加算は似ているため、次の観点を順に確認してください。

  1. 情報共有の頻度:月2回以上の継続的な情報共有か、状態の急変等に伴うカンファレンスか、ICTによる診療情報等の共有・計画的な管理か
  2. 保険医の求め:在宅患者緊急時等カンファレンス加算のみ、在宅療養を担う保険医療機関の保険医の求めが必要
  3. 指導の必要性:情報共有・カンファレンスへの参加だけでなく、それを踏まえた療養上必要な指導まで行っているか
  4. 届出の要否:訪問看護医療情報連携加算のみ、地方厚生局への届出と施設基準の充足が必要
比較軸在宅患者連携指導加算在宅患者緊急時等カンファレンス加算訪問看護医療情報連携加算
情報共有の頻度月2回以上の文書等による共有状態の急変等に伴う共同カンファレンス(月2回まで)ICTを活用した診療情報等の共有・計画的な管理
保険医の求め不要必要不要
指導の必要性必要(共有情報を踏まえた指導)必要(カンファレンス結果を踏まえた指導)必要(計画的な管理)
届出の要否不要不要必要

医療保険、3つの加算の比較表

比較項目在宅患者連携指導加算在宅患者緊急時等カンファレンス加算訪問看護医療情報連携加算
情報のやり取りの方法文書等(メール・FAX可)、月2回以上共同でのカンファレンス参加(原則、利用者の居宅。1者以上が利用者の居宅に赴けばビデオ通話併用可)ICT(連携機関5以上、一元管理サーバー等の要件あり)
連携先訪問診療・歯科訪問診療の医療機関、訪問薬剤管理指導の薬局等保険医、歯科医師、保険薬剤師、介護支援専門員、相談支援専門員保険医、歯科医師、保険薬剤師、管理栄養士、介護支援専門員、相談支援専門員等
届出の要否不要不要必要(地方厚生局長等への届出)
算定回数・金額月1回、3,000円月2回、2,000円月1回、1,000円
行う職種(准看護師除く)看護師等看護師等看護師等
併算定の可否訪問看護医療情報連携加算と同月併算定不可明示的な制限は確認できず在宅患者連携指導加算と同月併算定不可

※「准看護師を除く」は、いずれも厚生労働省告示の本文(区分02訪問看護管理療養費 注8・注9・注14)に明記されています。

在宅患者連携指導加算

算定要件

厚生労働省告示(区分02訪問看護管理療養費 注8)には、次のように定められています。

訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く。)が、利用者の同意を得て、訪問診療を実施している保険医療機関を含め、歯科訪問診療を実施している保険医療機関又は訪問薬剤管理指導を実施している保険薬局と文書等により情報共有を行うとともに、共有された情報を踏まえて療養上必要な指導を行った場合に、在宅患者連携指導加算として、月1回に限り、3,000円を所定額に加算する。

これに加え、令和8年度の留意事項通知(保発0305第19号、令和8年3月5日付、第5の6)には、次のとおり定められています。

在宅で療養を行っている利用者であって通院が困難な者について、利用者又はその家族等の同意を得て、月2回以上医療関係職種間で文書等(電子メール、ファクシミリも可)により共有された診療情報を基に、利用者又はその家族等に対して指導等を行った場合に、月1回に限り算定する。

単に医療関係職種間で当該利用者に関する診療情報を交換したのみの場合は算定できない。

当該利用者の診療を担う保険医療機関の主治医との間のみで診療情報等を共有し、訪問看護を行った場合は、所定額を算定できない。

他の医療関係職種から受けた診療情報等の内容及びその情報提供日、並びにその診療情報等を基に行った指導等の内容の要点及び指導日を訪問看護記録書に記載すること。

同一月に訪問看護医療情報連携加算を算定した場合は、当該加算は算定できない。

整理すると、次のすべてを満たす必要があります。

  • 利用者の同意を得ていること
  • 准看護師ではなく、看護師等が行うこと
  • 訪問診療を実施している保険医療機関、歯科訪問診療を実施している保険医療機関、または訪問薬剤管理指導を実施している保険薬局と、月2回以上、文書等(電子メール・FAX可)により情報共有を行うこと
  • 共有された情報を踏まえて、療養上必要な指導を行うこと
算定金額・回数

月1回に限り、3,000円を所定額に加算します。

記録のポイント

留意事項通知に、次のとおり記録要件が定められています。

  • 他の医療関係職種から受けた診療情報等の内容
  • その情報提供日
  • その情報を基に行った指導等の内容の要点
  • 指導を行った日

これら4項目を、訪問看護記録書に記載することが求められています。

算定できないケース・注意点
  • 月2回以上の情報共有が行われていない場合は算定できません
  • 情報共有を行っただけでは算定できません。共有された情報を踏まえた指導まで行う必要があります
  • 当該利用者の診療を担う保険医療機関の主治医との間のみで情報共有を行った場合は算定できません
  • 准看護師が行った場合は対象外です
  • 同一月に訪問看護医療情報連携加算を算定した場合は、この加算は算定できません

在宅患者緊急時等カンファレンス加算

算定要件

厚生労働省告示(区分02訪問看護管理療養費 注9)には、次のように定められています。

訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く。)が、在宅で療養を行っている利用者であって通院が困難なものの状態の急変等に伴い、当該利用者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医の求めにより、当該保険医療機関の保険医等、歯科訪問診療を実施している保険医療機関の保険医である歯科医師等、訪問薬剤管理指導を実施している保険薬局の保険薬剤師又は介護支援専門員若しくは相談支援専門員と共同でカンファレンスに参加し、それらの者と共同で療養上必要な指導を行った場合には、在宅患者緊急時等カンファレンス加算として、月2回に限り、2,000円を所定額に加算する。

これに加え、令和8年度の留意事項通知(第5の7)には、次のとおり定められています。

関係する医療関係職種等が共同でカンファレンスを行い、当該カンファレンスで共有した利用者の診療情報等を踏まえ、それぞれの職種が当該利用者又はその家族等に対して療養上必要な指導を行った場合に月2回に限り算定すること。なお、複数の訪問看護ステーションのみが参加しカンファレンスを行った場合は、所定額は算定しないこと。また、当該カンファレンスは、原則利用者の居住する場で行うこととするが、利用者又は家族が利用者の居住する場以外の場所でのカンファレンスを希望する場合はこの限りではない。

カンファレンスの条件(開催場所・ビデオ通話)

令和8年度の留意事項通知には、次のとおり定められています。

当該カンファレンスは、1者以上が患家に赴きカンファレンスを行う場合には、その他の関係者はビデオ通話が可能な機器を用いて参加することができる。

つまり、関係者のうち1者以上が利用者の居宅に赴いていれば、残りの関係者はビデオ通話で参加できます。

  • 原則、利用者の居住する場で開催する(利用者・家族が別の場所を希望する場合を除く)
  • 1者以上が利用者の居宅に赴けば、その他の関係者はビデオ通話で参加できる
  • カンファレンスの目的のみで訪問し、カンファレンス結果を受けた指導以外に特段の指導を行わなかった場合、訪問看護基本療養費等は併せて算定できない
  • 利用者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医と、訪問看護ステーションの看護師等との2者のみのカンファレンスでも算定できる
算定金額・回数

月2回に限り、2,000円を所定額に加算します。

記録のポイント

留意事項通知に、次のとおり記録要件が定められています。

  • カンファレンスに参加した医療関係職種等の氏名
  • カンファレンスの要点
  • 利用者に行った指導の要点
  • カンファレンスを行った日

これら4項目を、訪問看護記録書に記載することが求められています。

算定できないケース・注意点
  • 利用者の状態の急変等がない、通常のカンファレンスには適用されません
  • 保険医の求めによらない、訪問看護ステーション側からの呼びかけだけでは要件を満たしません
  • 複数の訪問看護ステーションのみが参加したカンファレンスでは算定できません
  • カンファレンスの結果を受けた指導以外に、特段の指導を行わなかった場合は、訪問看護基本療養費等を併せて算定できません
  • 准看護師が行った場合は対象外です
  • 月3回目以降のカンファレンスは、要件を満たしていても算定できません(月2回が上限)

訪問看護医療情報連携加算

令和8年度診療報酬改定で新設された加算です。地方厚生局への届出、連携機関5以上などの施設基準を満たしたうえで、ICTで記録された診療情報等を活用した計画的な管理が要件です(月1回、1,000円)。同一月に在宅患者連携指導加算を算定している場合は、この加算は算定できません。

詳しい算定要件・施設基準・記録のポイントは、訪問看護医療情報連携加算とは|2026年新設の算定要件を解説(医療保険)をご覧ください。

医療保険、現場で起こりやすい算定ミス

  • 月2回以上の情報共有という頻度要件を満たさないまま、在宅患者連携指導加算を算定してしまう
  • 主治医との間のみで情報共有を行い、在宅患者連携指導加算を算定してしまう
  • 情報共有(在宅患者連携指導加算)と、緊急時のカンファレンス(在宅患者緊急時等カンファレンス加算)を混同してしまう
  • カンファレンスの結果を受けた指導を行わないまま、在宅患者緊急時等カンファレンス加算と訪問看護基本療養費を両方算定してしまう
  • 同じ月に、在宅患者連携指導加算と訪問看護医療情報連携加算の両方を算定してしまう(併算定不可)

介護保険の訪問看護:口腔連携強化加算

ここからは、介護保険の訪問看護費に設けられている加算です。医療保険の訪問看護にはこの加算はありません。

口腔連携強化加算とは

令和6年度介護報酬改定で新設された加算です。訪問介護、訪問リハビリテーション、短期入所系サービスなど、複数の介護保険サービスに設けられており、介護保険の訪問看護費にも含まれています。

対象サービスと介護予防への適用

厚生労働省老健局老人保健課の公式リーフレット(令和7年1月10日付、介護保険最新情報Vol.1344)に、次のとおり記載されています。

対象サービス:訪問介護、訪問看護★、訪問リハビリテーション★、短期入所生活介護★、短期入所療養介護★、定期巡回・随時対応型訪問介護看護(★:介護予防も含む)
対象者:利用者の全員

訪問看護には★マークが付いており、介護予防訪問看護も対象に含まれることが確認できました。

金額・算定回数

介護保険告示(令和6年3月15日改正)の訪問看護費に、次のとおり定められています。

チ 口腔連携強化加算 50単位

注 別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして、電子情報処理組織を使用する方法により、都道府県知事に対し、老健局長が定める様式による届出を行った指定訪問看護事業所の従業者が、口腔の健康状態の評価を実施した場合において、利用者の同意を得て、歯科医療機関及び介護支援専門員に対し、当該評価の結果の情報提供を行ったときは、口腔連携強化加算として、1月に1回に限り所定単位数を加算する。

  • 単位数:50単位/回
  • 算定回数:月1回を限度

連携体制の構築手順

厚生労働省の公式リーフレットに、連携体制の構築手順が次の3ステップで示されています。

ステップ1 連携歯科医療機関を探す(連携歯科医療機関は何個でも可)。歯科訪問診療料の算定をしたことがある歯科医療機関が連携歯科医療機関になれます
ステップ2 連携歯科医療機関の歯科医師や歯科衛生士に相談できる体制を確保する。それを文書等で取り決めましょう
ステップ3 届出をだしましょう

これに加え、「厚生労働大臣が定める基準」(平成27年厚生労働省告示第95号、令和6年度改定反映版)九の二には、訪問看護費における口腔連携強化加算の基準として、次のとおり定められています。

イ 指定訪問看護事業所の従業者が利用者の口腔の健康状態に係る評価を行うに当たって、歯科診療報酬点数表の区分番号C000に掲げる歯科訪問診療料の算定の実績がある歯科医療機関の歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士に相談できる体制を確保し、その旨を文書等で取り決めていること。

さらに、留意事項通知(老企第36号、2(23)、訪問看護費(4(29))でも準用が明記されています)には、次のとおり定められています。

① 口腔連携強化加算の算定に係る口腔の健康状態の評価は、利用者に対する適切な口腔管理につなげる観点から、利用者ごとに行われるケアマネジメントの一環として行われることに留意すること。

③ 口腔の健康状態の評価をそれぞれ利用者について行い、評価した情報を歯科医療機関及び当該利用者を担当する介護支援専門員に対し、別紙様式6等により提供すること。

④ 歯科医療機関への情報提供に当たっては、利用者又は家族等の意向及び当該利用者を担当する介護支援専門員の意見等を踏まえ、連携歯科医療機関・かかりつけ歯科医等のいずれか又は両方に情報提供を行うこと。

⑧ 口腔連携強化加算の算定を行う事業所については、サービス担当者会議等を活用し決定することとし、原則として、当該事業所が当該加算に基づく口腔の健康状態の評価を継続的に実施すること。

整理すると、次のすべてを満たす必要があります。

  • 都道府県知事に、電子情報処理組織(電子申請)を使用して、老健局長が定める様式による届出を行っていること
  • 事業所の従業者が、利用者ごとのケアマネジメントの一環として、口腔の健康状態の評価を実施すること
  • 歯科訪問診療料の算定実績がある歯科医療機関を連携歯科医療機関として確保し、相談できる体制を文書等で取り決めていること(連携歯科医療機関は複数でも可)
  • 利用者の同意を得ていること
  • 評価の結果を、歯科医療機関および介護支援専門員の両方に、別紙様式6等により情報提供すること
  • サービス担当者会議等を活用して算定事業所を決定し、原則として当該事業所が継続的に評価を実施すること

口腔の健康状態の評価項目

評価・情報提供には、「別紙様式6(口腔連携強化加算に係る口腔の健康状態の評価及び情報提供書)」という公式様式を用います。評価項目は、次の8項目です。

項目番号項目評価評価基準の要点
1開口の状態できる/できない上下の前歯の間に指2本分(縦)入らない(開口量3cm以下)場合は「できない」
2歯の汚れの有無なし/あり歯の表面や歯と歯の間に白や黄色の汚れ等がある場合は「あり」
3舌の汚れの有無なし/あり舌の表面に白・黄・茶・黒色の汚れがある場合は「あり」
4歯肉の腫れ、出血の有無なし/あり歯肉の腫れや、口腔ケア時の出血がある場合は「あり」
5左右両方の奥歯のかみ合わせの状態できる/できない本人にしっかりかみしめられないとの認識がある、または義歯を入れても奥歯がない部分がある場合は「できない」
6むせの有無なし/あり平時や食事時のむせ、食後の痰がらみ、声の変化等がある場合は「あり」
7ぶくぶくうがいの状態できる/できない口に水をためておけない、頬を膨らませられない場合は「できない」(利用者の状態に応じて確認可能な場合に限って評価)
8食物のため込み、残留の有無なし/あり食事の際に食物を飲み込まずためる、飲み込んだ後も食物が残っている場合は「あり」(利用者の状態に応じて確認可能な場合に限って評価)

このほか、「その他(自由記載)」として、歯や粘膜の痛み、口の中の乾燥、口臭、義歯の汚れ等の気になる点を記載する欄があります。

歯科医師等による口腔内確認の必要性の判定

項目1〜8について「あり」または「できない」が1つでもある場合は、歯科医師等による口腔内等の確認の必要性を「高い」とする。

(※歯科医師等とは、歯科医師または歯科医師の指示を受けた歯科衛生士)

様式に含まれるそのほかの記載事項

  • 利用者の基本情報(氏名、生年月日、要介護度、基礎疾患等)
  • 誤嚥性肺炎の発症・既往、麻痺の有無、摂食方法
  • 現在の歯科受診状況、義歯の使用状況、口腔清掃の自立度、現在の処方薬
  • 歯科医療機関への連絡事項、介護支援専門員への連絡事項(いずれも自由記載)

併算定できないケースと例外

厚生労働省告示(平成27年厚生労働省告示第95号「厚生労働大臣が定める基準」九の二)には、訪問看護費における口腔連携強化加算の基準として、次のとおり定められています。

ロ 次のいずれにも該当しないこと。
(1) 他の介護サービスの事業所において、当該利用者について、栄養状態のスクリーニングを行い、口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)を算定している場合を除き、口腔・栄養スクリーニング加算を算定していること。
(2) 当該利用者について、口腔の健康状態の評価の結果、居宅療養管理指導が必要であると歯科医師が判断し、初回の居宅療養管理指導を行った日の属する月を除き、指定居宅療養管理指導事業所が歯科医師又は歯科衛生士が行う居宅療養管理指導費を算定していること。
(3) 当該事業所以外の介護サービス事業所において、当該利用者について、口腔連携強化加算を算定していること。

整理すると、次のとおりです。

  • 口腔・栄養スクリーニング加算との関係:原則、併算定できません。ただし、他の介護サービスの事業所で、当該利用者について栄養状態のスクリーニングを行ったうえで口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)を算定している場合は、この条件による算定制限には該当しません。ただし、ほかの算定要件を満たす必要があります
  • 居宅療養管理指導との関係:原則、歯科医師又は歯科衛生士が行う居宅療養管理指導費と併算定できません。ただし、口腔連携強化加算での評価結果を受けて歯科医師が居宅療養管理指導の必要性を判断し、初回の居宅療養管理指導を行った日の属する月は、この条件による算定制限の対象外です。ただし、ほかの算定要件を満たす必要があります
  • 他事業所での算定との関係:当該事業所以外の介護サービス事業所で、同じ利用者についてすでに口腔連携強化加算が算定されている場合は、例外なく算定できません

介護保険、今回確認できた事項

連携歯科医療機関の要件(歯科訪問診療料の算定実績)、および併算定制限とその例外について、告示本文(平成27年厚生労働省告示第95号「厚生労働大臣が定める基準」九の二)を確認しました。ただし、この確認は今回提示された告示本文と、これまでに確認した通知・公式資料との照合によるものであり、告示の適用条件や例外の法的解釈まで独立して検証したものではありません。実際の算定にあたっては、告示・通知の原文、または管轄の都道府県・保険者に改めてご確認ください。


管理者・スタッフが確認しておきたいこと

医療保険の訪問看護の場合

  • その利用者が、医療保険の訪問看護の対象かを確認しているか
  • 在宅患者連携指導加算は、月2回以上の情報共有を行っているか
  • 情報共有だけで終わらず、それを踏まえた指導まで行っているか
  • 訪問看護記録書に、情報提供の内容・日付、指導の要点・日付を記載しているか(在宅患者連携指導加算)
  • カンファレンス参加者の氏名、要点、指導の要点、開催日を記録しているか(在宅患者緊急時等カンファレンス加算)
  • ビデオ通話を用いる場合、1者以上が利用者の居宅に赴いているか(在宅患者緊急時等カンファレンス加算)
  • 同じ月に在宅患者連携指導加算と訪問看護医療情報連携加算の両方を算定していないか(訪問看護医療情報連携加算の施設基準・届出の詳細は、関連記事でご確認ください)

介護保険の訪問看護の場合

  • 都道府県知事への届出(電子申請)を行っているか
  • 歯科訪問診療料の算定実績がある歯科医療機関を、連携歯科医療機関として確保しているか
  • 連携歯科医療機関の歯科医師・歯科衛生士に相談できる体制を、文書等で取り決めているか
  • 従業者が、様式の8項目に沿って口腔の健康状態を評価しているか
  • 利用者の同意を得ているか
  • 評価結果を、歯科医療機関・介護支援専門員の両方に、様式を用いて情報提供しているか
  • サービス担当者会議等を活用して算定事業所を決定し、継続的に評価を実施しているか
  • 口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)を算定している場合の例外に該当するか、該当する場合もほかの算定要件を満たしているかを確認しているか
  • 居宅療養管理指導の初回算定月の例外に該当するか、該当する場合もほかの算定要件を満たしているかを確認しているか
  • 他の事業所がすでに同じ利用者で口腔連携強化加算を算定していないか
  • 月1回の算定上限を超えて算定していないか
  • 対象が介護予防訪問看護の利用者である場合も、同様に算定を検討しているか

よくある質問

Q. 在宅患者連携指導加算は、月に何回の情報共有が必要ですか?
A. 令和8年度の留意事項通知(保発0305第19号)に、月2回以上の情報共有が要件として明記されています。

Q. 在宅患者緊急時等カンファレンス加算は、どこで開催する必要がありますか?
A. 原則として利用者の居住する場で行うこととされており、利用者・家族が別の場所を希望する場合はこの限りではないとされています。

Q. 在宅患者緊急時等カンファレンス加算で、ビデオ通話での参加は認められますか?
A. 認められます。令和8年度の留意事項通知によると、1者以上が利用者の居宅に赴いてカンファレンスを行う場合、その他の関係者はビデオ通話で参加できます。

Q. 訪問看護医療情報連携加算と、在宅患者連携指導加算は同時に算定できますか?
A. できません。詳しい施設基準・届出要件は、訪問看護医療情報連携加算とは|2026年新設の算定要件を解説(医療保険)をご覧ください。

Q. 口腔連携強化加算は、医療保険の訪問看護でも算定できますか?
A. できません。口腔連携強化加算は、介護保険の訪問看護費に設けられている加算です。

Q. 口腔連携強化加算は、介護予防訪問看護でも算定できますか?
A. できます。厚生労働省の公式リーフレットに、対象サービスとして「訪問看護(介護予防も含む)」と明記されています。

Q. 口腔連携強化加算は、口腔・栄養スクリーニング加算と絶対に併算定できませんか?
A. 原則は併算定できませんが、例外があります。他の介護サービスの事業所で、当該利用者について栄養状態のスクリーニングを行ったうえで口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)を算定している場合は、この条件による算定制限には該当しません(告示本文で確認)。ただし、ほかの算定要件を満たす必要があります。

Q. 口腔連携強化加算は、居宅療養管理指導と絶対に併算定できませんか?
A. 原則は併算定できませんが、例外があります。口腔連携強化加算での評価結果を受けて歯科医師が居宅療養管理指導の必要性を判断し、初回の居宅療養管理指導を行った日の属する月は、この条件による算定制限の対象外です(告示本文で確認)。ただし、ほかの算定要件を満たす必要があります。

Q. 口腔連携強化加算の連携歯科医療機関は、どうやって探せばよいですか?
A. 厚生労働省の公式リーフレットおよび告示本文によると、歯科訪問診療料の算定をしたことがある歯科医療機関が連携歯科医療機関になれます。連携歯科医療機関は、複数でも差し支えありません。

まとめ

医療保険の訪問看護

  • 情報共有の頻度、保険医の求めの有無、指導の必要性、届出の要否の4点で、当てはまる加算を絞り込む
  • 在宅患者連携指導加算は、月2回以上の文書等による情報共有と、それを踏まえた指導が要件(月1回、3,000円)
  • 在宅患者緊急時等カンファレンス加算は、原則利用者の居住する場での共同カンファレンスが要件(月2回、2,000円)。1者以上が居宅に赴けばビデオ通話を併用できる
  • 訪問看護医療情報連携加算は、地方厚生局への届出と施設基準を満たしたうえで、ICTを活用した計画的な管理が要件(月1回、1,000円)。詳細は関連記事を参照
  • 在宅患者連携指導加算と訪問看護医療情報連携加算は、同月併算定不可

介護保険の訪問看護

  • 口腔連携強化加算は、介護保険の訪問看護費にのみ設けられている加算で、医療保険にはない
  • 対象サービスには介護予防訪問看護も含まれる(公式リーフレットで確認)
  • 50単位/回、月1回を限度に算定できる
  • 事業所の従業者がケアマネジメントの一環として口腔の健康状態を8項目で評価し、歯科医療機関・介護支援専門員の両方に情報提供することが要件
  • 連携体制の構築は、連携歯科医療機関(歯科訪問診療料の算定実績がある機関)を探す、相談できる体制を文書等で取り決める、届出を行う、という3ステップで進める
  • 口腔・栄養スクリーニング加算、居宅療養管理指導については、一定の条件を満たせばこの算定制限の対象外となる場合があるが、いずれもほかの算定要件を別途満たす必要がある(告示本文で確認)
  • 他の事業所がすでに算定している場合は、例外なく算定できない

関連記事

出典

医療保険

介護保険

最終確認日:2026年10月22日※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。

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