機能強化型訪問看護管理療養費4とは|2026年新設の要件と届出(医療保険)

==機能強化型4って、うちのステーションは届出できるの?==
2026年6月の改定で、機能強化型訪問看護管理療養費に、新しい区分が加わりました。精神科訪問看護を地域と連携して提供するステーションを評価する、機能強化型4です。
この記事では、機能強化型4の内容を、金額、施設基準、機能強化型3との違い、届出の流れの順に整理します。
※この記事は医療保険の訪問看護が対象です。

機能強化型訪問看護管理療養費4とは?

難病等の重症度の高い利用者を受け入れるとともに、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に資する精神科訪問看護に求められる機能を踏まえた評価です。支援ニーズの高い精神科訪問看護の利用者等を受け入れ、24時間の対応を行い、地域の関係機関と連携する体制が整備されているステーションで、一定の実績等がある場合に算定できます。

機能強化型は、役割によって次のように分かれています。

  • 機能強化型1・2:ターミナルケアや重症児の受け入れ等を積極的に行う、手厚い体制の評価
  • 機能強化型3:地域の訪問看護の人材育成等の役割の評価
  • 機能強化型4:地域と連携して精神科訪問看護を提供する役割の評価(新設)

金額(月の初日の訪問の場合)

区分改定前改定後
機能強化型113,230円13,760円
機能強化型210,030円10,460円
機能強化型38,700円9,030円
機能強化型4(新設)9,030円
上記以外7,670円7,710円

月の2日目以降は、機能強化型かどうかでは金額が分かれません。単一建物居住利用者の人数と、1月あたりの訪問日数で決まります。詳しくは、管理療養費の記事で解説しています。

施設基準

厚生労働省通知「訪問看護ステーションの基準に係る届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日保医発0305第9号)別添「届出基準」6(4)には、機能強化型4の基準として、次のように定められています。

(4) 機能強化型訪問看護管理療養費4
次のいずれにも該当するものであること。

ア 常勤の看護職員の数が4以上であること(サテライトに配置している看護職員を含む。)。当該職員数については、常勤職員のみの数とすること。

イ (1)のイを満たすものであること。(看護職員の割合が6割以上)

ウ (3)のウを満たすものであること。(24時間対応体制加算の届出)

エ 次の(イ)及び(ロ)を満たすこと。また、(ハ)を満たしていることが望ましい。

(イ) 特掲診療料の施設基準等別表第七に規定する疾病等の利用者又は特掲診療料の施設基準等別表第八に掲げる者が月に3人以上いること。

(ロ) 以下の①及び②に該当する利用者又は③に該当する利用者が月に7人以上いること。
① 1年以上の入院歴を有する者又は入退院を繰り返す者(直近の入院が、措置入院、緊急措置入院又は医療保護入院であり、かつ当該直近の入院の入院日から起算して過去3月以内に措置入院、緊急措置入院又は医療保護入院をしたことのある者に限る。)
② GAF尺度が40以下の者
③ 精神科重症患者支援管理連携加算を算定する利用者

(ハ) 直近1年に以下のいずれかに該当する利用者がいること。(望ましい要件)
① 医療観察法に基づく訪問看護利用者
② 措置入院又は緊急措置入院を経て退院した者で、都道府県等が作成する退院後支援計画に基づく支援期間にある者
③ ひきこもり状態又は精神科の未受診若しくは受診中断等を理由とする行政機関等の保健師その他の職員による家庭訪問の対象者
④ 市町村、保健所等の行政機関又は地域包括支援センターが実施する会議等において、支援調整対象である者

オ 直近3月において、保険医療機関と共同して実施した退院時の共同指導による退院時共同指導加算の算定の実績があること。

カ (3)のカを満たすものであること。(同一敷地内に同一開設者の保険医療機関がある場合、その医療機関以外の医師を主治医とする利用者の割合が、直近3月において利用者の1割以上)

キ (3)のクを満たすものであること。(直近1年間に、地域の保険医療機関や訪問看護ステーションを対象とした研修を2回以上実施)

ク (3)のケを満たすものであること。(直近1年間に、地域の訪問看護ステーション又は住民等への情報提供・相談対応の実績)

ケ 以下の(イ)から(ホ)までに掲げる、地域の連携機関の数の合計が5以上であること。ただし、(イ)から(ホ)までの項目のうち少なくとも3つ以上との連携を有していること。また、訪問看護ステーションの看護師等と、それぞれの連携機関の職員が年3回以上の頻度で対面又はビデオ通話が可能な機器を用いて面会し、情報の共有等を行っていること。なお、年3回以上の面会の日付、担当者名、目的及び連携機関の名称等を一覧できるよう記録すること。
(イ) 連携する保険医療機関
(ロ) 一般相談支援、特定相談支援、地域移行支援、地域定着支援、自立生活援助、共同生活援助又は就労継続支援等の障害福祉サービス等事業者
(ハ) 障害児相談支援事業所等
(ニ) 居宅サービス事業者、地域密着型サービス事業者、居宅介護支援事業者又は施設サービス事業者
(ホ) 精神保健福祉センター、保健所又は都道府県若しくは市区町村の障害福祉担当部署

コ (1)のキを満たすものであること。(休日・祝日等も含めた計画的な訪問看護の実施)

サ 専門の研修を受けた看護師が配置されていることが望ましい。

整理すると、次のとおりです。

人員・体制

  • 常勤の看護職員4人以上。「当該職員数については、常勤職員のみの数とすること」と明記されており、機能強化型1・2にある「非常勤職員の常勤換算」は認められていません
  • 看護職員の割合6割以上
  • 24時間対応体制加算の届出

利用者の受け入れ(両方を満たす必要あり)

  • 別表第7・8該当者が月3人以上
  • もう1つの人数要件(月7人以上)は、単純な「①②③のいずれか」ではありません。原文は「①及び②に該当する利用者又は③に該当する利用者」という構造です。つまり、「①(入院歴の条件を満たす者)かつ②(GAF尺度40以下)の両方を満たす利用者」、または「③(精神科重症患者支援管理連携加算算定者)を満たす利用者」のいずれかに該当する者が、合計で月7人以上いる必要があります
    • ①の「1年以上の入院歴を有する者又は入退院を繰り返す者」には、「直近の入院が、措置入院・緊急措置入院・医療保護入院であり、かつその入院日から過去3か月以内に同様の入院(措置入院等)をしたことがある者に限る」という、入院の種類と時期に関する限定が付いています。単に「過去に入院歴がある」というだけでは該当しません
  • (望ましい要件として)医療観察法対象者、措置入院等を経て退院し支援計画に基づく支援期間にある者等のいずれかがいること

医療機関との連携

  • 直近3か月の退院時共同指導加算の算定実績
  • 同一敷地内に同一開設者の保険医療機関がある場合、その医療機関以外の医師を主治医とする利用者が、直近3か月で1割以上

地域での役割

  • 直近1年間に、地域の保険医療機関・訪問看護ステーション向け研修を2回以上実施
  • 直近1年間の地域への情報提供・相談対応の実績
  • 地域の連携機関(5種類の分類から)合計5機関以上、かつ3種類以上と連携し、年3回以上面会・記録

専門の研修を受けた看護師

  • 配置は必須ではなく、望ましい事項

機能強化型3との違い

機能強化型3の基準(同通知・別添「届出基準」6(3))は、次のとおりです。

(3) 機能強化型訪問看護管理療養費3
ア 常勤の看護職員の数が4以上であること。当該職員数については、常勤職員のみの数とすること。
イ (1)のイを満たすものであること。
ウ 24時間対応体制加算を届け出ていること。
エ 特掲診療料の施設基準等別表第七に規定する疾病等の利用者、特掲診療料の施設基準等別表第八に掲げる者又は精神科重症患者支援管理連携加算を算定する利用者が月に10人以上いること又は複数の訪問看護ステーションで共同して訪問看護を提供する利用者が月に10人以上いること。
オ 直近3月において、キにおける地域の保険医療機関以外の保険医療機関と共同して実施した退院時の共同指導による退院時共同指導加算の算定の実績があること。
カ 同一敷地内に訪問看護ステーションと同一開設者の保険医療機関が設置されている場合は、直近3月において、当該保険医療機関以外の医師を主治医とする利用者の割合が訪問看護ステーションの利用者の1割以上であること。
キ 直近1年間に、当該訪問看護ステーションにおいて、地域の保険医療機関の看護職員による指定訪問看護の提供を行う従業者としての一定期間の勤務について実績があること。
ク 直近1年間に、地域の保険医療機関や訪問看護ステーションを対象とした研修を2回以上実施していること。
ケ 直近1年間に、地域の訪問看護ステーション又は住民等に対して、情報提供・相談に応じている実績があること。
サ 専門の研修を受けた看護師が配置されていることが望ましい。

機能強化型3には、性質の異なる2つの医療機関関連要件があります。

  • オ(退院時共同指導):直近3か月に、**キで勤務実績の対象とした医療機関「以外」**の保険医療機関と共同で退院時共同指導を実施した実績
  • キ(看護職員の勤務実績):直近1年間に、地域の保険医療機関の看護職員が、当該訪問看護ステーションで指定訪問看護の提供者として勤務した実績

この2つは、同じ「医療機関との関わり」でも、「退院時に共同で指導した実績」と「医療機関の看護職員がステーションで働いた実績」という、別々の要件です。混同しないようご注意ください。機能強化型4には、キに相当する要件(地域の保険医療機関看護職員の勤務実績)がありません。オの退院時共同指導も、機能強化型4では「以外」という限定なしの、単純な実績要件になっています。

同じ9,030円の区分ですが、評価の役割が違います。

機能強化型3機能強化型4
評価の役割地域の訪問看護の人材育成等地域と連携して精神科訪問看護を提供する役割
常勤の看護職員4人以上(常勤職員のみ、常勤換算不可)4人以上(常勤職員のみ、常勤換算不可)
24時間対応24時間対応体制加算の届出同左
重症度の高い利用者別表第7・8該当者または精神科重症患者支援管理連携加算算定者が月10人以上、または複数ステーション共同利用者が月10人以上別表第7・8該当者が月3人以上、かつ(入院歴の条件を満たす者とGAF尺度40以下の者の両方に該当する利用者、または精神科重症患者支援管理連携加算算定者)が合計で月7人以上
退院時共同指導直近3か月の実績(キで実績対象とした医療機関「以外」との共同指導)直近3か月の実績(「以外」の限定なし)
地域の保険医療機関看護職員の勤務実績直近1年間の勤務実績が必要要件に含まれない
主治医の割合同一敷地内に同一開設者の医療機関がある場合、1割以上(直近3か月)同左(機能強化型3の規定を準用)
地域研修直近1年間に2回以上実施同左
情報提供・相談対応直近1年間の実績同左
地域連携機関との面会要件に含まれない連携機関5以上・3種類以上、年3回以上の面会・記録が必要
専門研修看護師配置が望ましい同左

届出について

機能強化型訪問看護管理療養費(1〜4)は、別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして、地方厚生局長等に届け出たステーションに限り算定できます。機能強化型4を算定するには、24時間対応体制加算の届出も必要です。

管理療養費そのものの算定要件も、満たしている必要があります。

  • 指定訪問看護を行うための、安全な提供体制が整備されていること
  • 訪問看護基本療養費(精神科を含む)を算定する指定訪問看護を行っていること
  • 訪問看護計画書と訪問看護報告書を、主治医に提出していること
  • 利用者に係る指定訪問看護の実施について、計画的な管理を継続して行っていること

届出様式は、受理番号「訪看機4」(別紙様式6)を使用します。様式6には、「機能強化型4」専用の記載欄として、重症度の高い利用者の人数(別表7・8該当者、入院歴・GAF尺度等該当者をそれぞれ区分して記載)、地域の連携機関(5分類ごとのチェック欄と連携機関名)、連携機関との面会実績(日付・連携先・連携機関名・目的)等を記入する欄が設けられています。機能強化型4特有の添付書類として、専門の研修を修了したことが確認できる文書(配置している場合)の添付が案内されています。

管理者が確認しておきたいこと

  1. 人員:常勤の看護職員が4人以上いるか(全員常勤であること。非常勤の常勤換算は不可)
  2. 看護職員比率:看護職員の割合が6割以上か
  3. 24時間体制:24時間対応体制加算を届け出ているか
  4. 重症度の高い利用者:別表第7・8該当者が月3人以上か。入院歴の条件を満たす者とGAF尺度40以下の者の両方に該当する利用者、または精神科重症患者支援管理連携加算算定者が、合計で月7人以上か
  5. 医療機関との連携:直近3か月の退院時共同指導の実績があるか。同一敷地内に同一開設者の医療機関がある場合、その医療機関以外を主治医とする利用者が1割以上か
  6. 地域研修・情報提供:直近1年間に研修2回以上、情報提供・相談対応の実績があるか
  7. 地域連携機関との面会:連携機関が5以上・3種類以上あり、それぞれ年3回以上の面会を、日付・担当者名・目的・連携機関名まで記録できているか

よくある質問

Q. 機能強化型の届出をしていないステーションは、月の初日にいくら算定できますか?
A. 機能強化型1〜4以外の場合は、7,710円です。

Q. 機能強化型4の常勤看護職員4人は、常勤換算で満たせますか?
A. いいえ。通知に「当該職員数については、常勤職員のみの数とすること」と明記されており、非常勤職員の常勤換算は認められません。

Q. 「月7人以上」の対象者は、①②③のどれか1つを満たせばよいのですか?
A. いいえ。原文は「①及び②に該当する利用者又は③に該当する利用者」という構造であり、「①(入院歴の条件)と②(GAF尺度40以下)の両方を満たす利用者」、または「③(精神科重症患者支援管理連携加算算定者)を満たす利用者」のいずれかに該当する必要があります。①単独、②単独では、この要件を満たしません。

Q. 別表第7・8該当者と、月7人以上の対象者(入院歴・GAF尺度等該当者)は、同じ利用者で重複してカウントできますか?
A. 今回確認した通知の文言だけでは、重複計上の可否までは断定できません。いずれにしても、それぞれの人数要件(月3人以上、月7人以上)を満たす必要があります。

Q. 地域連携機関の「5機関以上・3種類以上」とは、具体的にどんな機関ですか?
A. 保険医療機関、障害福祉サービス等事業者、障害児相談支援事業所、介護保険の居宅サービス等事業者、精神保健福祉センター等の5つの分類があり、この中から3種類以上、合計5機関以上との連携が必要です。

Q. 専門の研修を受けた看護師がいないと、機能強化型4は算定できませんか?
A. 配置は必須ではなく、望ましいとされる事項です。配置していなくても、他の要件を満たせば算定できます。

まとめ

  • 機能強化型訪問看護管理療養費4は、2026年6月に新設された区分で、月の初日は9,030円
  • 精神科訪問看護の支援ニーズの高い利用者を受け入れ、24時間の対応と地域の関係機関との連携体制があるステーションを評価する
  • 施設基準は、常勤看護職員4人以上(常勤換算不可)、看護職員割合6割以上、24時間対応体制加算の届出、別表第7・8該当者月3人以上「かつ」(入院歴の条件を満たす者とGAF尺度40以下の者の両方、または精神科重症患者支援管理連携加算算定者)が合計で月7人以上、退院時共同指導の実績、主治医割合1割以上(該当する場合)、地域研修2回以上、地域連携機関5機関以上・3種類以上との年3回以上の面会・記録
  • 専門の研修を受けた看護師の配置は、必須ではなく望ましい事項
  • 算定には、地方厚生局長等への届出が必要(様式は訪看機4、別紙様式6)

最新の金額や算定ルールは、必ず厚生労働省の資料や通知で確認してください。

関連記事:訪問看護管理療養費の変更点|2026年改定の算定要件・区分を解説(医療保険)/訪問看護の診療報酬改定まとめ|2026年度の変更点を解説/制度一覧

出典:訪問看護ステーションの基準に係る届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日保医発0305第9号)別添「届出基準」6(1)〜(4)、別紙様式6/訪問看護療養費に係る訪問看護ステーションの基準等(平成18年厚生労働省告示第103号、令和8年6月1日適用版)第一・六・(3)(4)/訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第74号)/令和8年度診療報酬改定に係る訪問看護療養費マスターの変更点等について(令和8年3月6日、厚生労働省保険局医療課)
最終確認日:2026年10月14日 ※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。

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