退院時の連携をしっかり行いたい|算定できる加算と進め方

退院時の連携、算定できる加算を漏れなく確認できていますか?
退院時の連携には、複数の加算が関わってきます。
この記事では、退院時連携で算定できる加算の全体像と、一般的な進め方を整理します。
※各加算の詳しい算定要件は、それぞれの関連記事で扱っています。この記事は、退院時連携の流れの中でどの加算が関わるかを整理するものです。

退院時連携で関わる加算の全体像

退院時の連携では、タイミングによって、次のような加算が関わってきます。医療保険と介護保険は、別の制度のため、表を分けています。

医療保険の加算・療養費
タイミング加算(区分)金額対象者・主な条件
入院中〜退院時、保険医療機関の職員と共同で指導退院時共同指導加算(区分02注4)8,000円退院・退所後の初日の指定訪問看護の実施時に算定。訪問看護管理療養費を算定する月の前月に退院時共同指導を行った場合も算定可能。原則1回。基準告示 第二の一に規定する疾病等の利用者(別表第7・第8)は、複数日に指導を実施した場合に限り、2回まで
上記のうち、特別管理加算対象の状態特別管理指導加算(区分02注5)。退院時共同指導加算に上乗せ+2,000円別表第8に掲げる者(基準告示 第二の六)
退院日に、ステーションの看護師等が在宅で指導退院支援指導加算(区分02注7)6,000円(長時間8,400円)基準告示 第二の八の3区分に該当し、退院時に訪問看護指示書の交付を受けている利用者。退院日の翌日以降の初日の指定訪問看護の際に算定。8,400円は、長時間の訪問を要する者で、1回の指導が90分を超える(または複数回の合計が90分を超える)場合
入院・入所時の情報提供訪問看護情報提供療養費3(区分03注3)1,500円保険医療機関・介護老人保健施設・介護医療院に入院・入所し、在宅から療養の場所を変更する利用者。主治医に、別紙様式4の文書で提供(写しは、求めに応じて入院・入所先と共有)。月1回。入院・入所先が、ステーションと特別の関係にある場合、または、主治医の所属する保険医療機関と同一の場合は、算定できません(算定通知 第6の3(4))
介護保険の加算
タイミング加算金額備考
退院後の初回訪問初回加算(Ⅰ・Ⅱ)Ⅰ・Ⅱで異なる(関連記事参照)介護保険の訪問看護の加算です。医療保険の退院支援指導加算とは、別の制度です

これらの加算は、それぞれ独立した算定要件を持っています。複数の加算に該当するように見える場合でも、併算定の可否は、個別に確認が必要です(「よくある質問」参照)。詳しい算定要件は、それぞれの関連記事をご覧ください。

退院時連携の一般的な進め方

ここから先は、告示・通知に明記された算定要件ではなく、退院時連携において、実務上一般的に行われている進め方の整理です。

  1. 退院前カンファレンスへの参加:病院の医師・看護師・MSW等と、退院後の療養方針について情報共有する
  2. 情報収集:退院時サマリー、訪問看護指示書、服薬情報、医療処置の内容を確認する
  3. 在宅環境の準備状況の確認:福祉用具、医療機器、住環境の調整状況を、ケアマネジャー等と連携して確認する
  4. 退院日の指導・訪問の計画:退院前に病院・施設で共同指導を行うか、退院日にステーションの看護師等が在宅で指導を行うかを調整する
  5. 初回訪問の実施:退院後の状態を確認し、必要な処置・指導を行う
  6. 関係機関への情報提供:入院・入所時には、指定訪問看護に係る情報を主治医に提供し(訪問看護情報提供療養費3の要件)、その文書の写しを、求めに応じて入院・入所先と共有する。必要に応じて、そのほかの関係機関にも、情報提供を行う

これらは一般的な実務の流れであり、告示・通知に定められた算定要件そのものではありません。事業所ごとの手順書・マニュアルと合わせてご確認ください。

記録に残しておきたいこと

通知で定められている記録(算定通知 令和8年3月5日保発0305第19号)
  • 退院時共同指導を行った場合は、その内容を訪問看護記録書に記録します(第5の4(5))
  • 退院支援指導を行った場合は、その内容を訪問看護記録書に記録します(第5の5(5))。退院支援指導加算は、退院時に訪問看護指示書の交付を受けている場合に算定します(同(3))
  • 初回の訪問時は、訪問看護記録書に、病歴、家族の構成、家庭での看護の状況、家屋の状況、日常生活活動の状況、保健福祉サービスの利用状況等の概要を記入します(第4の5)
  • 毎回の訪問時は、訪問年月日、利用者の体温・脈拍等の心身の状態、病状、家庭等での看護の状況、実施した指定訪問看護の内容、実施に要した時間等の概要を記入します(第4の6)
  • 訪問看護情報提供療養費3では、主治医に対して提供した文書の写しを、訪問看護記録書に添付します(第6の3(3))
実務上推奨される記録(通知に定められた項目ではありません)
  • 退院前カンファレンスで共有された情報、参加者
  • 退院時共同指導の実施日時、参加者、指導内容
  • 退院支援指導の実施日時、場所、指導内容
  • 指導に使用・交付した文書
  • 初回訪問の実施日と、そのときの利用者の状態、実施したケア

上の推奨される記録は、通知が記録を求めている内容(指導の内容、初回の訪問時の概要など)を、次の訪問や、関係機関との連携につなげるための、実務上の整理です。

よくある質問

Q. 退院時共同指導加算と退院支援指導加算は、同じ退院で両方算定できますか?
A. それぞれ独立した算定要件があり、両方の要件を満たしているかを個別に確認する必要があります。併算定の可否について、算定通知(令和8年3月5日保発0305第19号)に、直接の規定を確認できていないため、個別に確認が必要です。なお、算定通知は、退院支援指導加算について、入院していた保険医療機関の看護師等が行う退院日の訪問指導とは、併算定できる(第5の5(4))としています。これは、病院側の訪問指導との関係の定めで、退院時共同指導加算との関係とは別です。

Q. 退院時共同指導加算は、必ず2回算定できますか?
A. 原則1回です。ただし、基準告示 第二の一に規定する疾病等の利用者(別表第7に掲げる疾病等の者、別表第8に掲げる者)については、複数日に指導を実施した場合に限り、2回まで算定できます。この場合、2回分の加算は、初日の指定訪問看護の実施日に算定します(算定通知 第5の4(1))。また、1人の利用者に対し、1つのステーションのみが算定できます。ただし、この疾病等の利用者に対して、複数のステーション又は在宅療養を担う保険医療機関の看護師等が退院時指導を行った場合は、合わせて2回まで算定できます(同(3))。

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出典

最終確認日:2026年11月2日 ※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。

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