退院当日の訪問看護|初回訪問で確認したい環境・処置

退院当日に訪問したとき、その費用はどのように評価されるかご存知ですか?
退院日に行った療養上必要な指導は、所定の要件を満たす場合に、退院支援指導加算として評価されます。
この加算は、退院日の翌日以降の初日の訪問看護の実施日に、訪問看護管理療養費に加算して算定します。算定できるタイミングや条件は、告示・通知で確認しましょう。
この記事では、退院当日の算定の仕組みと、初回訪問で確認しておきたい環境・処置のポイントを整理します。
※この記事は医療保険の訪問看護を対象とします。退院支援指導加算の全体像は、退院支援指導加算・特別管理指導加算とはで扱っています。介護保険の訪問看護の初回加算は、初回加算Ⅰ・Ⅱの違いをご覧ください。

退院当日の指導は「退院支援指導加算」で評価される

厚生労働省告示「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」の別表 区分番号02(訪問看護管理療養費)の注7に、次のように定められています(令和8年6月1日適用)。

指定訪問看護を受けようとする者が、退院支援指導を要する者として別に厚生労働大臣が定める者に該当する場合に、保険医療機関から退院するに当たって、訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く。)が、退院日に当該保険医療機関以外において療養上必要な指導を行ったときには、退院支援指導加算として、退院日の翌日以降初日の指定訪問看護が行われた際に6,000円(区分番号01の注10に規定する別に厚生労働大臣が定める長時間の訪問を要する者に対し、長時間にわたる療養上必要な指導を行ったときにあっては、8,400円)を所定額に加算する。ただし、当該者が退院日の翌日以降初日の指定訪問看護が行われる前に死亡又は再入院した場合においては、死亡日又は再入院することとなったときに算定する。

算定要件の整理
項目内容根拠
加算の内容6,000円。長時間の場合は8,400円。訪問看護管理療養費に加算します算定方法 注7、通知 第5の5(1)
指導を行う者・場所看護師等(准看護師を除く)が、退院日に、入院先の保険医療機関以外で、療養上必要な指導を行います算定方法 注7
対象となる利用者退院支援指導を要する者(次の「退院支援指導加算の対象者」を参照)基準告示 第二の八
算定のタイミング退院日の翌日以降の初日の指定訪問看護が行われた際に、1回に限り算定します算定方法 注7、通知 第5の5(1)
訪問看護指示書利用者の退院時に、訪問看護指示書の交付を受けている場合に算定します通知 第5の5(3)
長時間の場合「長時間の訪問を要する者」(次の「退院支援指導加算の対象者」の表を参照)に対して、1回の指導時間が90分を超えた場合、または複数回の指導の合計時間が90分を超えた場合に限ります。対象者の条件と、90分超の時間要件の、両方が必要です通知 第5の5(1)(2)、基準告示 第二の三(1)
複数の事業所1人の利用者に対し、1つの訪問看護ステーションのみ算定できます。入院先の保険医療機関の看護師等が行う退院日の訪問指導とは、併算定できます通知 第5の5(4)
記録退院支援指導を行った場合は、その内容を訪問看護記録書に記録します通知 第5の5(5)

通知には、長時間の場合について、次のように定められています(通知 第5の5(1)から、長時間に関する部分を抜粋)。

(長時間の訪問を要する者に対して指導を行った場合にあっては、1回の退院支援指導の時間が90分を超えた場合又は複数回の退院支援指導の合計時間が90分を超えた場合に限る。)

  • 退院支援指導加算は、退院日の翌日以降の初日の訪問看護の実施日に算定します。退院当日に、その場で算定する、という仕組みではありません
  • 訪問看護管理療養費を算定する月の前月に、退院支援指導を行った場合も、算定できます(通知 第5の5(1))
  • 初回の訪問看護が行われる前に、利用者が死亡または再入院した場合は、その死亡日または再入院することとなった日に算定します。この場合は、退院支援指導加算のみを算定できます(通知 第1の1、第5の5(1))

退院支援指導加算は、訪問看護管理療養費に加算する形で算定します。管理療養費の算定の考え方は、訪問看護管理療養費「月の初日」の考え方もご覧ください。

退院支援指導加算の対象者

「退院支援指導を要する者」は、基準告示(訪問看護療養費に係る訪問看護ステーションの基準等、平成18年厚生労働省告示第103号)の第二の八に、次のように定められています。

退院日に療養上の退院支援指導が必要な利用者であって、次のいずれかに該当するもの

(1) 特掲診療料の施設基準等別表第七に掲げる疾病等の者

(2) 特掲診療料の施設基準等別表第八に掲げる者

(3) 退院日の訪問看護が必要であると認められた者

(2)の別表第八は、特別管理加算の対象となる状態を定めた別表と同じです。特別管理加算の対象と区分は、特別管理加算とは|Ⅰ・Ⅱの違いと対象者を解説で整理しています。

長時間の場合の「長時間の訪問を要する者」は、基準告示 第二の三(1)に、次のように定められています。

長時間の訪問看護を要する利用者であって、次のいずれかに該当するもの

区分内容
イ十五歳未満の超重症児又は準超重症児
ロ特掲診療料の施設基準等別表第八に掲げる者
ハ特別訪問看護指示書又は精神科特別訪問看護指示書に係る指定訪問看護を受けている者
事業所側の施設基準・届出
  • 基準告示の第一(訪問看護ステーションの基準)には、訪問看護管理療養費の加算のうち、機能強化型訪問看護管理療養費、24時間対応体制加算、特別管理加算などの基準が定められています。退院支援指導加算に固有の基準は、基準告示の第一では、確認できませんでした
  • 四国厚生支局の令和8年度改定の届出一覧(基準の届出が必要な項目の一覧。届出通知の別添1〜13に対応しています)にも、退院支援指導加算は、載っていませんでした
  • ただし、届出通知の全文は、この記事では確認できていないため、届出の要否は、断定しません。届出の取扱いは、所管の地方厚生(支)局に確認してください
  • 退院支援指導加算は、訪問看護管理療養費に加算する形で算定します(通知 第5の5(1))

初回訪問で確認しておきたい環境・処置のポイント

ここから先は、告示・通知に明記された算定要件ではなく、退院直後の初回訪問で、実務上一般的に確認しておきたいポイントの整理です。

環境面
  • 住環境の安全性:段差、手すりの有無、動線上の障害物
  • 福祉用具の設置状況:ベッド、車椅子、ポータブルトイレなどが指示どおりに準備・設置されているか
  • 介護者の状況:主たる介護者の有無、介護力、日中独居になる時間帯の有無
  • 緊急連絡手段:利用者・家族が緊急時にどこへ連絡すればよいか理解しているか
  • 社会資源の利用状況:介護保険サービス(ケアマネジャー、他事業所)との連携状況
処置・医療面
  • 退院時の医療処置の継続状況:点滴、カテーテル、ストーマ、創処置などが、入院中の内容どおりに引き継がれているか
  • 薬剤管理:退院時処方薬の内容、服薬管理の方法(お薬カレンダー等)、残薬の確認
  • 医療機器の設置・作動状況:在宅酸素、人工呼吸器等を使用している場合の機器点検
  • 退院時共同指導・退院時情報提供の内容確認:病院側から提供された情報(退院時サマリー等)と、実際の状態に相違がないか
  • 次回受診・往診の予定確認:主治医への連絡体制、次回受診日

これらは一般的な実務知識であり、告示・通知に定められた算定要件そのものではありません。事業所ごとの手順書・マニュアルと合わせてご確認ください。

処置・医療面のうち、特別管理加算の対象状態に関わるものは、次の記事で整理しています。

記録に残しておきたいこと

退院支援指導加算を算定する場合、通知は、退院支援指導の内容を訪問看護記録書に記録することを求めています(通知 第5の5(5))。また、初回の訪問時には、病歴、家族の構成、家庭での看護の状況、家屋の状況、日常生活活動の状況、保健福祉サービスの利用状況等の概要を、訪問看護記録書に記入します(通知 第4の5)。次の項目は、実務上、あわせて記録しておきたい項目の例です。

  • 退院支援指導として行った指導内容(在宅療養上必要な指導の具体的な内容)
  • 住環境・福祉用具の設置状況の確認結果
  • 医療処置の引き継ぎ内容と、実際の状態
  • 次回訪問予定、主治医・関係機関との連絡事項

よくある質問

Q. 退院当日に訪問した場合、その費用はどのように評価されますか?
A. 退院日に行った療養上必要な指導は、所定の要件(対象者、訪問看護指示書の交付など)を満たす場合に、退院支援指導加算として評価されます。この加算は、退院日の翌日以降の初日の訪問看護の実施日に、訪問看護管理療養費に加算して算定します(算定方法 区分番号02 注7、通知 第5の5(1))。加算の全体像は、退院支援指導加算・特別管理指導加算とはをご覧ください。

Q. 初回訪問前に利用者が亡くなった場合、退院支援指導加算はどうなりますか?
A. 初回の指定訪問看護が行われる前に死亡または再入院した場合は、その死亡日または再入院することとなった日に算定します。この場合は、退院支援指導加算のみを算定できます(算定方法 区分番号02 注7、通知 第1の1)。

関連記事

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初回訪問で多い医療処置と、特別管理加算
管理療養費の算定

出典

厚生労働省(地方厚生局を含む)の資料を掲載しています。

この記事で扱っていないこと

次の事項は、公式資料で確認できていないため、この記事では扱っていません。

  • 退院当日の訪問そのものの、訪問看護基本療養費の取扱い
  • 退院支援指導加算の届出の要否(届出通知の全文は、確認できていません)
  • 「退院日の訪問看護が必要であると認められた者」の判断の仕方
  • 超重症児・準超重症児の判定の詳細

最終確認日:2026年10月26日※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。

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