訪問看護の特別管理加算|5,000円と2,500円の違い・対象者

訪問看護の特別管理加算は、どのような利用者が対象で、金額はいくらなのでしょうか?
医療保険の特別管理加算は、対象となる利用者の状態に応じて、月1回に限り、5,000円または2,500円を算定します。どちらに該当するかは、厚生労働省の告示(別表第8)に定める対象者の要件に基づいて判断します。医療保険の告示に「Ⅰ」「Ⅱ」という区分名はありません。
この記事では、特別管理加算の金額、対象者、算定のための事業所の要件(届出基準)、褥瘡や点滴に関する記録上の注意点を整理します。
※この記事は医療保険の訪問看護を対象としています。介護保険の特別管理加算は、区分や対象者が異なるため、この記事では扱いません。

特別管理加算とは

訪問看護管理療養費の加算です。届出をした訪問看護ステーションが、指定訪問看護に関し特別な管理を必要とする利用者(別に厚生労働大臣が定める状態等にある利用者に限る)に対して、計画的な管理を行った場合に、月1回に限り算定します。

利用者の状態の重さによって、金額が2つに分かれます。医療保険の告示には、「Ⅰ」「Ⅱ」という区分名はなく、5,000円と2,500円が、状態によって決まります。この記事では、便宜上、5,000円の対象を「Ⅰ相当」、2,500円の対象を「Ⅱ相当」と呼びます。

金額と区分

区分(便宜上の呼称)金額(月1回)対象
Ⅰ相当5,000円重症度等の高い状態(別表第8の第1号)
Ⅱ相当2,500円特別な管理を必要とする状態(別表第8の第2号〜第5号)

一方のみを算定します。第1号に該当する利用者は、5,000円を算定します。

対象者

対象は、別表第8に掲げる者です(特掲診療料の施設基準等の別表第8)。

5,000円(Ⅰ相当)の対象者(別表第8の第1号)

次のいずれかを受けている状態、または使用している状態にある者です。

  • 在宅麻薬等注射指導管理
  • 在宅腫瘍化学療法注射指導管理
  • 在宅強心剤持続投与指導管理
  • 在宅気管切開患者指導管理
  • 気管カニューレを使用している状態
  • 留置カテーテルを使用している状態

2,500円(Ⅱ相当)の対象者(別表第8の第2号〜第5号)

第2号:次のいずれかを受けている状態にある者

  • 在宅自己腹膜灌流指導管理
  • 在宅血液透析指導管理
  • 在宅酸素療法指導管理
  • 在宅中心静脈栄養法指導管理
  • 在宅成分栄養経管栄養法指導管理
  • 在宅自己導尿指導管理
  • 在宅人工呼吸指導管理
  • 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理
  • 在宅自己疼痛管理指導管理
  • 在宅肺高血圧症患者指導管理
  • 在宅難治性皮膚疾患処置指導管理(令和8年度(2026年度)改定で追加)

第3号:人工肛門または人工膀胱を設置している状態にある者

第4号:真皮を越える褥瘡の状態にある者

第5号:在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者

判断に迷いやすいケース

  • 人工呼吸器を使用している利用者:一律ではなく、気管カニューレの使用の有無で、区分が変わります。気管カニューレを使用している状態は、5,000円(第1号)です。在宅人工呼吸指導管理を受けている状態は、第2号で、2,500円です。
  • 在宅難治性皮膚疾患処置指導管理:対象は、現に、在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料(医科点数表のC114)を算定している利用者です。難治性の皮膚病変があるだけの利用者は、該当しません(疑義解釈)。

算定するための要件(届出基準)

次のすべてを満たすステーションが、届出(別紙様式2)を行います。

  1. 24時間対応体制加算を算定できる体制を、整備していること
  2. 特別管理加算に該当する重症者に対応できる、職員体制と勤務体制が確保されていること
  3. 医療器具等の管理と、病状の変化に適切に対応できるよう、医療機関等との密接な連携体制が確保されていること

訪問の際に、症状が重篤であった場合は、速やかに医師の診療を受けられるよう、必要な支援を行います。

記録の留意事項

  • 真皮を越える褥瘡:定期的(1週間に1回以上)に、褥瘡の状態の観察・アセスメント・評価(褥瘡の深さ、滲出液、大きさ、炎症・感染、肉芽組織、壊死組織、ポケット)を行い、発生部位と、実施したケアを、訪問看護記録書に記録します。実施したケアには、必要に応じて、利用者の家族等への指導も含みます。
  • 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している利用者:点滴注射指示書による点滴注射が終了した日や、その他必要が認められる場合は、主治医への連絡を速やかに行います。訪問看護記録書に、在宅患者訪問点滴注射指示書を添付したうえで、点滴注射の実施内容を記録します。

介護保険との関係

要介護被保険者等が、医療保険の訪問看護を受ける場合(特別訪問看護指示書に係る訪問、別表第7の疾病等の利用者など)でも、介護保険の特別管理加算を算定している月は、医療保険の特別管理加算は、算定できません。

管理者が確認しておきたいこと

  1. 届出:特別管理加算を届け出ているか(24時間対応体制加算を算定できる体制があるか)
  2. 対象の確認:利用者の状態が、別表第8のどの号に当たるかを確認し、5,000円か2,500円かを判断します。人工呼吸器の利用者は、気管カニューレの有無を確認します。
  3. 褥瘡:真皮を越える褥瘡の利用者は、週1回以上の観察・アセスメント・評価と、発生部位・ケアの記録があるか
  4. 点滴:在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している利用者は、指示書の添付、点滴の実施内容の記録、主治医への連絡があるか
  5. 介護保険との重複:要介護被保険者等の場合は、その月に、介護保険の特別管理加算を算定していないか

よくある質問

Q. 人工呼吸器を使っている利用者は、5,000円ですか?2,500円ですか?
A. 気管カニューレを使用している状態なら、5,000円(別表第8の第1号)です。在宅人工呼吸指導管理を受けている状態は、2,500円(第2号)です。

Q. 在宅難治性皮膚疾患処置指導管理は、いつから対象ですか?
A. 令和8年度(2026年度)改定で、別表第8に追加されました。対象は、現に在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料を算定している利用者です。

Q. 5,000円と2,500円は、両方算定できますか?
A. 一方のみです。重症度等の高い状態(第1号)に該当する場合は、5,000円を算定します。

Q. 介護保険の特別管理加算と、同じ月に算定できますか?
A. 要介護被保険者等が、医療保険の訪問看護を受ける場合に、介護保険の特別管理加算を算定している月は、医療保険の特別管理加算は算定できません。

まとめ

  • 特別管理加算は、別表第8に掲げる、特別な管理を必要とする状態の利用者に、計画的な管理を行った場合の、月1回の加算
  • 金額は、状態によって、5,000円(第1号)と2,500円(第2号〜第5号)に分かれる
  • 令和8年度(2026年度)改定で、在宅難治性皮膚疾患処置指導管理が、別表第8に追加された
  • 褥瘡と点滴には、記録の留意事項がある。介護保険の特別管理加算を算定している月は、医療保険の特別管理加算は算定できない

最新の対象者・要件は、必ず厚生労働省の告示・通知で確認してください。

関連記事:訪問看護の診療報酬改定まとめ|2026年度の変更点を解説/24時間対応体制加算とは|緊急訪問看護加算との違いも解説(医療保険)/加算一覧

出典:訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(令和8年厚生労働省告示第74号)/届出手続きの通知(令和8年3月5日 保医発0305第9号)/「医療保険と介護保険の給付調整に関する留意事項及び医療保険と介護保険の相互に関連する事項等について」(令和8年3月27日 老老発0327第2号・保医発0327第4号)/厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について【訪問看護ステーション向け】」(令和8年9月4日版)/疑義解釈資料(その1)/近畿厚生局「よくある質問(訪問看護療養費の算定について)」(令和8年6月1日〜適用分)
最終確認日:2026年10月14日 ※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。

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