24時間対応体制加算とは|緊急訪問看護加算との違いも解説(医療保険)

24時間対応体制加算と緊急訪問看護加算、何が違うの?
名前が似ていて、現場でも混同されやすい加算です。どちらも「緊急」に関わりますが、評価しているものが違います。
この記事では、医療保険の24時間対応体制加算を、区分と金額、要件、緊急訪問看護加算との違いの順に整理します。
※この記事は医療保険の訪問看護が対象です。介護保険の「緊急時訪問看護加算」は、別の加算です。

24時間対応体制加算とは?

訪問看護管理療養費の加算です。届出をした訪問看護ステーションが、利用者またはその家族等に対して、24時間の対応体制にある場合に、算定できます。

緊急時の訪問看護だけでなく、営業時間外の、利用者や家族等との電話連絡と、利用者や家族等への指導等による、日々の状況の適切な管理といった対応と、その体制の整備を評価する加算です。

  • 指定訪問看護を受けようとする人の同意を得た場合に限ります。
  • 月1回に限り算定します。
  • 同じ月に、その利用者について、他の訪問看護ステーションが24時間対応体制加算を算定している場合は、算定できません。

算定するときのポイント

  • 看護職員(准看護師を除く)が、利用者に、24時間の対応体制にあることを説明して、同意を得ます。
  • 説明のときに、ステーションの名称、所在地、電話番号、時間外・緊急時の連絡方法を記載した文書を、交付します。
  • 1人の利用者につき、1つのステーションのみが算定できます。説明するときに、他のステーションから、この加算に係る訪問看護を受けていないかを、確認します。
  • 利用者等から、電話等で看護に関する意見を求められて対応した場合と、緊急に訪問した場合は、その日時、内容、対応状況を、訪問看護記録書に記録します。

金額と区分

令和6年度改定で、看護業務の負担軽減のための取組を評価する区分が設けられ、2区分になりました。

区分内容金額(月1回)
(改定前)一律6,400円
イ24時間対応体制における看護業務の負担軽減の取組を行っている場合6,800円
ロイ以外の場合6,520円

令和8年度の算定告示にも、イ6,800円、ロ6,520円と、定められています。令和8年度の届出でも、24時間対応体制加算は、新たに届出が必要な項目には含まれていません。令和8年5月31日時点で届出済みなら、新たな届出は不要です。

イを算定する場合の要件:看護業務の負担軽減の取組

イを算定するには、次の6項目のうち、アまたはイを含む2項目以上を満たしている必要があります。また、届出前1か月の実績が必要です。

  • ア 夜間対応した翌日の勤務間隔の確保
  • イ 夜間対応に係る勤務の連続回数が2連続(2回)まで
  • ウ 夜間対応後の暦日の休日確保
  • エ 夜間勤務のニーズを踏まえた勤務体制の工夫
  • オ ICT、AI、IoT等の活用による業務負担軽減
  • カ 電話等による連絡および相談を担当する者に対する支援体制の確保

補足(近畿厚生局「よくある質問」)

  • ア〜ウの「夜間対応」は、運営規程に定める営業日・営業時間以外の、必要時の緊急時訪問看護や、電話連絡を受けて行った指導のことです。勤務時間割表等に夜間の対応が割り振られているだけで、対応がなかった場合は、該当しません。
  • エは、従業者の希望に応じた夜間対応の調整だけでは、該当しません。
  • オは、看護記録の音声入力、医療情報連携ネットワーク等のICTを用いた情報共有、ICTやAIを活用した業務管理などで、業務負担軽減に資するものです。単に電子カルテを使っていることは、該当しません。

連絡・相談を担当する人

すべての24時間対応体制加算の届出に共通の基準です。

  • 連絡・相談を担当する人は、原則として、そのステーションの保健師または看護師とし、勤務体制等を明確にします。
  • 連絡・相談の体制は、ステーション以外の施設や従事者を経由するものや、ステーション以外の者が所有する電話を連絡先とするものは、認められません。
  • 利用者・家族等に、ステーションの所在地、電話番号、直接連絡のとれる連絡先電話番号等を記載した文書を必ず交付します。直接連絡のとれる連絡先は、複数にします。

保健師・看護師以外の職員が担当する場合:次のすべてに該当し、連絡相談に支障がない体制を構築している場合は、保健師・看護師以外の職員でも差し支えないとされています。

  • 電話等の連絡・相談に対応するマニュアルが整備されている
  • 緊急の訪問看護の必要性を、保健師または看護師が速やかに判断できる連絡体制と、緊急の訪問看護が可能な体制がある
  • 管理者が、担当する職員の勤務体制と勤務状況を明らかにしている
  • 職員が連絡・相談を受けたときは、保健師または看護師に報告し、報告を受けた人が訪問看護記録書に記録する
  • 以上の内容を、利用者・家族等に説明し、同意を得ている
  • 地方厚生(支)局長へ、別紙様式2(2つのステーションが連携する場合などは別紙様式3)で届け出ている

マニュアルには、①連絡相談の内容に応じた電話対応の方法と流れ、②看護に関する意見を求められた場合の、保健師または看護師への連絡方法と記録方法、③保健師・看護師と、それ以外の職員との情報共有の方法、を定める必要があります。職員の勤務日と勤務時間は、勤務時間割表で示して、保健師または看護師と共有します。

併設する保険医療機関の看護師が、営業時間外の電話に対応する場合:機能強化型訪問看護管理療養費3を届け出ているステーションで、同一敷地内に、ステーションと同一開設者の保険医療機関が併設されている場合は、営業時間外の電話等による看護に関する相談への対応を、その医療機関の看護師が行えます。この場合は、次の条件があります。

  • ステーションの看護職員(准看護師を除く)が、利用者に、その体制にあることを説明して同意を得ます。ステーションの利用者の情報を、医療機関の看護師と共有することにも、同意を得ます。
  • 電話等の対応の結果、主治医の指示により緊急時の訪問看護が必要な場合は、ステーションの看護師等が実施します。
  • 医療機関の看護師が、ステーションの看護師等に、常に連絡がとれる体制を確保し、日頃から連携に努めます。

緊急訪問看護加算との違い

24時間対応体制加算緊急訪問看護加算
評価するもの24時間の対応体制緊急に実施した訪問
位置づけ訪問看護管理療養費の加算訪問看護基本療養費の加算
算定単位月1回1日につき(1日1回)
金額イ 6,800円/ロ 6,520円月14日目まで 2,650円/月15日目以降 2,000円
主な要件届出、24時間の対応体制、利用者の同意訪問看護計画に基づき定期的に行う訪問以外で、利用者・家族等の緊急の求めに応じ、主治医の指示で、連携するステーションの看護師等が訪問すること

緊急訪問看護加算の算定

  • 主治医は、診療所、または在宅療養支援病院の保険医に限られます。
  • 主治医の属する診療所が、他の保険医療機関等と連携して24時間の往診体制と連絡体制を構築し、在宅時医学総合管理料の在宅療養移行加算1を算定している場合は、主治医が対応していない夜間等に、連携先の保険医療機関等の医師の指示で緊急に訪問しても、算定できます。
  • 診療所または在宅療養支援病院が、24時間往診と訪問看護で対応できる体制を確保し、24時間連絡を受ける医師または看護職員の氏名、連絡先電話番号、担当日、緊急時の注意事項、往診担当医と訪問看護担当者の氏名等を、文書で提供している利用者に限り算定できます。
  • 緊急に訪問した日時、内容、対応状況を、訪問看護記録書に記録します。指示を行った主治医は、指示内容を診療録に記載します。
  • 緊急の訪問を行った場合は、速やかに主治医に利用者の病状等を報告します。必要な場合は、特別訪問看護指示書の交付を受け、訪問看護計画を見直します。
  • 算定する理由を、訪問看護療養費明細書に記載します(特記事項に「緊急訪問看護の理由」を記載し、緊急の訪問看護を行った年月日も記載します)。
  • 複数のステーションから、現に訪問看護を受けている利用者に、あるステーションが計画に基づく訪問を行った日に、別のステーションが緊急の訪問を行った場合は、緊急の訪問を行ったステーションが、緊急訪問看護加算のみ算定できます。ただし、そのステーションが24時間対応体制加算を届け出ていない場合と、その利用者に、過去1月以内に訪問看護を実施していない場合は、算定できません。
  • 夜間・早朝訪問看護加算とは、併せて算定できます。

つまり、24時間対応体制加算は、緊急の訪問だけでなく、体制と日々の管理を評価する加算です。緊急の訪問を行い、要件を満たした場合は、緊急訪問看護加算を算定できます。

介護保険の訪問看護にも、名称が近い「緊急時訪問看護加算」があります。医療保険とは別の加算です。

2026年度改定との関係

  • 機能強化型:機能強化型1〜4は、いずれも、24時間対応体制加算の届出と、休日・祝日等も含めた計画的な訪問看護の実施が、要件になっています。詳しくは、機能強化型4の記事で解説しています。
  • 包括型:包括型訪問看護療養費を算定する日は、24時間対応体制加算を別に算定できません。包括型の届出を行っていれば、24時間対応体制加算として、別に届出を行う必要はありません。また、包括型を届け出た建物に居住する利用者で、別表第7・8、特別訪問看護指示に該当しない人には、包括型以外の療養費を算定し、この場合は、24時間対応体制加算の届出を別に行っていなくても、算定できます。包括型を届け出たステーションが、包括型を算定せずに、基本療養費等と管理療養費を算定する場合は、イ(負担軽減の取組を行っている場合)を算定できます。
  • 包括型を算定する利用者の緊急訪問看護加算:算定できるのは、特に予見が困難で重篤な症状の出現等のため、緊急に主治医の明示の指示で、通常とは著しく異なる対応を必要とした場合に限られます。詳しくは、包括型の記事で解説しています。

介護保険との調整

要介護被保険者等が、医療保険の訪問看護を受ける場合(特別訪問看護指示書に係る訪問、別表第7の疾病等の利用者、精神科訪問看護基本療養費が算定される訪問など)に、介護保険の訪問看護等で、緊急時訪問看護加算、緊急時介護予防訪問看護加算、緊急時対応加算を算定している月は、24時間対応体制加算を算定できません。

管理者が確認しておきたいこと

  1. 届出:24時間対応体制加算を届け出ているか
  2. 区分:イを算定する場合は、負担軽減の取組を、アまたはイを含む2項目以上、届出前1か月の実績を含めて満たしているか
  3. 連絡体制:連絡・相談を担当する人と、勤務体制が明確か。連絡先は、ステーションのもので、複数か。保健師・看護師以外の職員が担当する場合は、マニュアルなどの条件を満たしているか
  4. 説明と文書:看護職員(准看護師を除く)が、利用者に説明して同意を得ているか。所在地、電話番号、連絡方法を記載した文書を、交付しているか
  5. 記録:電話への対応と、緊急の訪問を行った日は、日時、内容、対応状況を、訪問看護記録書に記録しているか。緊急訪問看護加算は、明細書に、算定の理由を記載しているか
  6. 重複:同じ月に、他のステーションが、その利用者について、24時間対応体制加算を算定していないか

よくある質問

Q. 24時間対応体制加算は、緊急の訪問をした日に算定するのですか?
A. いいえ。24時間の対応体制と、日々の状況の管理を評価する加算で、月1回算定します。緊急の訪問を行った日は、要件を満たせば、緊急訪問看護加算の対象になります。

Q. イとロは、どう決まりますか?
A. 看護業務の負担軽減の取組を、上の6項目のうち、アまたはイを含む2項目以上満たしている場合が、イです。それ以外はロです。

Q. 電話には、保健師・看護師以外の職員が対応してもよいですか?
A. マニュアルの整備、保健師・看護師への報告と記録、勤務体制の明確化、利用者・家族への説明と同意、別紙様式2での届出など、すべての条件を満たしていれば、差し支えないとされています。

Q. 併設する医療機関の看護師が、営業時間外の電話に対応してもよいですか?
A. 機能強化型3を届け出ていて、同一敷地内に、同一開設者の保険医療機関がある場合は、可能です。利用者の同意など、上の条件があります。

Q. 他のステーションと重複して算定できますか?
A. 同じ月に、その利用者について、他のステーションが24時間対応体制加算を算定している場合は、算定できません。

Q. 介護保険の緊急時訪問看護加算と同じですか?
A. 名称が似ていますが、別の加算です。

まとめ

  • 24時間対応体制加算は、24時間の対応体制と日々の状況の管理を評価する、月1回の加算で、イ(6,800円)とロ(6,520円)の2区分
  • イは、看護業務の負担軽減の取組を、アまたはイを含む2項目以上、届出前1か月の実績とともに満たしている場合
  • 連絡・相談は、原則、ステーションの保健師または看護師が担当する。保健師・看護師以外の職員が担当するには、条件がある
  • 緊急訪問看護加算は、緊急に実施した訪問を評価する、1日ごとの加算で、金額は月14日目までと15日目以降で分かれる
  • 機能強化型の要件になっており、包括型を算定する日は、24時間対応体制加算を別に算定できない

最新の金額や算定ルールは、必ず厚生労働省の資料や通知で確認してください。

関連記事:訪問看護の診療報酬改定まとめ|2026年度の変更点を解説/機能強化型訪問看護管理療養費4とは|2026年新設の要件と届出(医療保険)/包括型訪問看護療養費とは|2026年新設の対象と算定要件(医療保険)/加算一覧

出典:厚生労働省「令和6年度診療報酬改定の概要【在宅(在宅医療、訪問看護)】」(令和6年3月5日版)/同「令和8年度診療報酬改定について【訪問看護ステーション向け】」(令和8年9月4日版)/訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(令和8年厚生労働省告示第74号)/算定留意事項通知(令和8年3月5日 保発0305第19号)/届出手続きの通知(令和8年3月5日 保医発0305第9号)/「医療保険と介護保険の給付調整に関する留意事項及び医療保険と介護保険の相互に関連する事項等について」(令和8年3月27日 老老発0327第2号・保医発0327第4号)/疑義解釈資料(その8)/近畿厚生局「よくある質問(訪問看護療養費の算定について)」(令和8年6月1日〜適用分)
最終確認日:2026年10月15日 ※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。

広告

TOP