胃ろう・経管栄養と訪問看護|特別管理加算の対象とトラブル対応

胃ろう・経管栄養を行っている利用者、特別管理加算の区分はどう判断しますか?
特別管理加算の区分は、利用者の状態が、告示(特掲診療料の施設基準等 別表第8)に定める状態に該当するかを確認して判断します。経管栄養を行っているだけでは、算定区分を断定できません。
この記事では、別表第8の第1号・第2号の違いと、訪問看護で確認したいポイントを、短く整理します。
※この記事は医療保険の訪問看護を対象とします。算定要件の詳細は、特別管理加算の記事で扱っています。

胃ろう・経管栄養と特別管理加算の関係

  • 区分は、経管栄養の経路(経鼻か胃ろうか)ではなく、利用者の状態が、別表第8に定める状態に該当するかを確認して判断します。金額は、別表第8に掲げる者が2,500円、そのうち第1号に掲げる者が5,000円です(月1回)
  • 別表第8の第2号に「在宅成分栄養経管栄養法指導管理を受けている状態」、第1号に「留置カテーテルを使用している状態」が含まれます
  • 胃ろう・経鼻胃管が第1号に当たるかは、使用状態と根拠資料で確認が必要です。この記事では、第1号とも第2号とも断定していません
  • 算定には、利用者の状態に加えて、事業所の届出と計画的な管理が必要です(算定方法 区分番号02 注3)

対象となる状態と区分

別表第8の第1号と第2号のうち、経管栄養に関わる部分は、次のとおりです(令和8年6月1日適用。(略)は、この記事で省略した部分です)。

一 (略)又は気管カニューレ若しくは留置カテーテルを使用している状態にある者

二 (略)在宅成分栄養経管栄養法指導管理(略)を受けている状態にある者

別表第8の号経管栄養に関わる状態特別管理加算(月1回)根拠
第1号留置カテーテルを使用している状態5,000円基準告示 第二の七
第2号在宅成分栄養経管栄養法指導管理を受けている状態2,500円基準告示 第二の六
  • 金額は、算定方法 区分番号02 注3に定められています。2,500円は別表第8に掲げる者、5,000円は、そのうち第1号に掲げる者(ただし書)です。医療保険の特別管理加算には、(Ⅰ)(Ⅱ)の名称はなく、金額で区分されています
  • 第1号と第2号の両方に関係する状態がある場合の具体的な取扱いを示した公式資料は、確認できていません。第1号に当たるかを個別に確認し、判断に迷う場合は、地方厚生(支)局に確認してください
  • 在宅成分栄養経管栄養法指導管理を「受けている状態」に当たるかどうかの具体的な判断は、医科の診療報酬の定めに関わるため、この記事では扱っていません。主治医の情報で確認してください
留置カテーテルの考え方
  • 告示の文言は、「留置カテーテルを使用している状態」です。参考として、医療保険の疑義解釈(平成24年3月30日 事務連絡 訪問看護療養費関係 問12・13)には、単にカテーテルが挿入されているだけでは算定できず、排液の性状・量などの観察、薬剤の注入、水分バランスの計測等、計画的な管理を行っている場合に算定できる、とあります。処置等のため短時間、一時的に挿入されたドレーンチューブは、対象外とされています(ドレーンについての記載です)
  • この疑義解釈は、留置カテーテルの計画的な管理に関する参考情報です。現在の算定要件を直接示すものではなく、胃ろう・経鼻胃管が第1号に当たることを示すものでもありません。平成24年の資料であり、令和8年度改定後も同じ取扱いかは、確認できていません
  • 継続して留置している場合:第1号の「留置カテーテルを使用している状態」に当たるかを、告示の文言と、計画的な管理の有無で確認します
  • 注入のたびに挿入・抜去する場合:留置カテーテルに当たるかを示した公式資料は、確認できていません。「留置」の文言から、継続して留置している場合とは、分けて確認が必要です
  • 経鼻か胃ろうか、バルーン型かバンパー型かといった、種類だけでは、区分は決まりません。実際の使用状態と、告示の文言で確認します

胃ろう・経管栄養を、留置カテーテルとして扱う説明は、看護協会のQ&Aや、介護保険のQ&Aにありますが、医療保険の公式資料ではないため、この記事では根拠にしていません(出典欄の「参考」をご覧ください)。

訪問看護で確認したいポイント

通知に定められている内容(特別管理加算全般)
  • 訪問の際、症状が重篤であった場合には、速やかに医師による診療を受けることができるよう、必要な支援を行います(通知 第5の3(5))
看護上の安全管理(一般的な実務)
  • チューブの固定:固定状況、抜去・事故抜去の有無。バルーン型の胃ろうカテーテルでは、固定水の量と交換時期も確認します
  • 瘻孔周囲の皮膚:発赤・びらん・肉芽形成・漏れの有無
  • 注入状況:指示どおりの栄養剤の種類・量・速度で実施できているか。誤嚥・逆流を防ぐ体位が確保できているか
  • 注入後の症状:嘔吐・下痢・腹部膨満などの消化器症状の有無
  • 事故抜去時の連絡体制:応急対応の手順、主治医・医療機関への連絡体制

これらは一般的な実務知識であり、告示・通知に定められた算定要件ではありません。記録は、訪問看護記録書の記載事項(通知 第4の6)に加えて、上のポイントのうち、実施や変化があった項目を残します。第1号(留置カテーテルの使用)で算定する場合は、計画的な管理の内容(観察、注入、水分バランスの計測など)も、記録に残しておくと、算定の根拠を説明しやすくなります。

よくある質問

Q. 胃ろうや経鼻経管栄養を行っていれば、特別管理加算の対象になりますか?
A. 経管栄養を行っているだけで、対象や区分を判断することはできません。第2号は「在宅成分栄養経管栄養法指導管理を受けている状態」(2,500円)、第1号は「留置カテーテルを使用している状態」など(5,000円)です。胃ろう・経鼻胃管が第1号に当たるかは、使用状態(継続して留置しているか、計画的な管理を行っているか)と根拠資料で確認が必要です。そのうえで、事業所の届出が必要です。

Q. 胃ろうカテーテルが事故抜去された場合、算定に影響しますか?
A. 事故抜去が算定に影響するという公式資料の定めは、確認できていません。参考として、平成24年の疑義解釈には、留置カテーテルは計画的な管理を行っている場合に算定できる、とあります(令和8年度改定後も同じ取扱いかは、確認できていません)。抜去時の応急対応は、事業所の手順書と、主治医との連携体制に沿って行い、症状が重篤な場合は、速やかに医師の診療を受けられるよう、必要な支援を行ってください。

関連記事

出典

公式資料(本文の根拠)
補足資料(公式資料ですが、現在の算定要件を直接示すものではありません)
参考(医療保険の公式資料ではありません)

最終確認日:2026年10月26日※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。

広告

TOP