訪問看護における往診料・訪問診療料との算定調整

訪問看護ステーションと特別の関係にある医療機関が往診した日、訪問看護費は算定できるかご存知ですか?
通常、医師の訪問診療と訪問看護ステーションの訪問看護は、別々に算定できます。
ただし、両者が「特別の関係」にある場合には、算定できない日が出てきます。
この記事では、往診料・訪問診療料等との算定調整のルールを整理します。
※この記事は医療保険の訪問看護を対象とします。

原則:医師の訪問診療と、訪問看護は別々に算定できる

訪問看護ステーションの看護師等による訪問看護と、医師による往診・訪問診療は、提供する内容(医学的な診断・処置と、療養上の世話・診療の補助)が異なるため、通常は同じ日であっても、それぞれ別に算定できます。

例外:「特別の関係」にある場合は算定できない

厚生労働省の疑義解釈資料(その13、令和8年9月25日)には、次のように示されています。

「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和8年3月5日保発0305第19号)の「第4 訪問看護基本療養費及び精神科訪問看護基本療養費の共通事項」1の(2)において、「訪問看護ステーションと特別の関係にあり、かつ、当該訪問看護ステーションに対して訪問看護指示書を交付した医師が所属する保険医療機関等において、往診料、在宅患者訪問診療料(Ⅰ)、在宅患者訪問診療料(Ⅱ)、在宅がん医療総合診療料、在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料、在宅患者訪問薬剤管理指導料又は在宅患者訪問栄養食事指導料(略)のいずれかを算定した日については、当該訪問看護ステーションは訪問看護療養費を算定できない」とあるが、当該医療機関と特別の関係にある訪問看護ステーションにおいて、包括型訪問看護療養費を算定することは可能か。

(答)算定不可。

整理すると、次のとおりです。

  • 訪問看護ステーションと特別の関係にあり、かつその訪問看護ステーションに訪問看護指示書を交付した医師が所属する保険医療機関等が、次のいずれかを算定した日は、訪問看護療養費(通常型・包括型とも)を算定できません
    • 往診料
    • 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)
    • 在宅患者訪問診療料(Ⅱ)
    • 在宅がん医療総合診療料
    • 在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料
    • 在宅患者訪問薬剤管理指導料
    • 在宅患者訪問栄養食事指導料

この疑義解釈により、包括型訪問看護療養費についても、通常の訪問看護療養費と同様にこのルールが適用されることが確認されています。

「特別の関係」とは

今回確認した資料の範囲では、「特別の関係」の具体的な定義(開設者・代表者が同一である場合、親族関係にある場合等、どこまでの範囲を指すか)までは確認できていません。一般的には、同一法人・同一開設者など、経営上密接な関係にある医療機関と訪問看護ステーションの組み合わせを指す概念と考えられますが、この記事では断定を避けます。

なぜこのルールがあるのか

今回確認した資料には、制度趣旨の説明までは記載されていませんでした。ただ、同じ会話の中で確認した別の規定(紹介料提供の禁止、特定事業者への誘導禁止)などとあわせて考えると、同一グループ内で医師の訪問診療と訪問看護の両方を過剰に計上することを防ぐ趣旨があるのではないかと推測されますが、これも推測の域を出ません。

確認しておきたいポイント

  • 自ステーションが、訪問看護指示書を交付した医師の所属医療機関と、特別の関係にあるかどうかを確認する
  • 特別の関係にある場合、その医療機関が往診料・訪問診療料等を算定した日を、訪問看護側でも把握できる体制(情報共有)になっているか
  • 包括型訪問看護療養費を算定している場合も、このルールの対象になる点に注意する

よくある質問

Q. 特別の関係にない医療機関が往診した場合も、訪問看護費は算定できませんか?
A. 今回確認した資料は、あくまで「特別の関係」にある場合の規定です。特別の関係にない医療機関の往診については、このルールの対象外と考えられますが、個別の状況に応じて確認が必要です。

Q. このルールは医療保険・介護保険のどちらが対象ですか?
A. 今回確認した資料(訪問看護療養費に関する留意事項通知)は医療保険側のものです。介護保険側に同様の規定があるかどうかは、今回確認できていません。

出典

  • 疑義解釈資料の送付について(その13)(令和8年9月25日厚生労働省保険局医療課事務連絡)訪問看護療養費関係
  • 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日保発0305第19号)第4(引用部分のみ、その13疑義解釈資料内の引用による確認)

最終確認日:2026年10月7日 ※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。

広告

TOP