専門管理加算と特別管理加算、対象者が重なる部分があるとご存知でしたか?
専門管理加算は、専門性の高い看護師による計画的な管理を評価する加算です。
この記事では、専門管理加算の算定要件と、特別管理加算との違いを整理します。
※この記事は医療保険の訪問看護を対象とします。
専門管理加算とは
厚生労働省告示「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」区分02注12には、次のように定められています。
別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た訪問看護ステーションの緩和ケア、褥瘡ケア若しくは人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師又は特定行為研修を修了した看護師が、指定訪問看護の実施に関する計画的な管理を行った場合には、専門管理加算として、月1回に限り、次に掲げる区分に従い、いずれかを所定額に加算する。
イ 緩和ケア、褥瘡ケア又は人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師が計画的な管理を行った場合(悪性腫瘍の鎮痛療法若しくは化学療法を行っている利用者、真皮を越える褥瘡の状態にある利用者(医科点数表の区分番号C013に掲げる在宅患者訪問褥瘡管理指導料を算定する場合にあっては真皮までの状態の利用者)又は人工肛門若しくは人工膀胱を造設している者で管理が困難な利用者に対して行った場合に限る。) 2,500円
ロ 特定行為研修を修了した看護師が計画的な管理を行った場合(医科点数表の区分番号C007の注3又は区分番号I012-2の注3に規定する手順書加算を算定する利用者に対して行った場合に限る。) 2,500円
整理すると、次のとおりです。
- 届出:事業所として、地方厚生局長等への届出が必要
- 実施者:イは緩和ケア・褥瘡ケア・人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師、ロは特定行為研修を修了した看護師
- 対象者:イは悪性腫瘍の鎮痛療法・化学療法を行っている利用者、真皮を越える褥瘡の状態にある利用者(在宅患者訪問褥瘡管理指導料を算定する場合は真皮までの状態)、人工肛門・人工膀胱を造設していて管理が困難な利用者。ロは手順書加算を算定する利用者
- 金額:イ・ロともに2,500円、月1回
特別管理加算との違い
特別管理加算(区分02注3)は、在宅酸素療法・在宅中心静脈栄養法・気管カニューレ使用等、別表第8に掲げる状態にある利用者に対する計画的な管理を評価する加算です。
専門管理加算とは、次の点が異なります。
| 専門管理加算 | 特別管理加算 | |
|---|---|---|
| 実施者の要件 | 専門の研修を受けた看護師・特定行為研修修了看護師に限る | 実施者の資格要件は限定されていない |
| 事業所の届出 | 必要 | 必要 |
| 対象者 | 悪性腫瘍の鎮痛療法・化学療法、真皮を越える褥瘡、人工肛門・人工膀胱(管理困難な場合)、手順書加算算定者 | 別表第8(在宅酸素療法、中心静脈栄養、気管カニューレ等) |
| 金額 | 2,500円(イ・ロとも) | 5,000円(Ⅰ)または2,500円(Ⅱ) |
対象者が重なるケース
専門管理加算イの対象者のうち、「悪性腫瘍の鎮痛療法・化学療法を行っている利用者」「真皮を越える褥瘡の状態にある利用者」は、特別管理加算の対象にもなりうる状態です。この場合、専門の研修を受けた看護師が計画的な管理を行っていれば、特別管理加算に加えて、専門管理加算も算定できる可能性があります(併算定の可否について、今回確認した告示には明確な調整規定は見当たりませんでした)。
確認しておきたいポイント
- 事業所として、専門管理加算の届出(地方厚生局長等への届出)を行っているか
- 実施する看護師が、該当する専門の研修または特定行為研修を修了しているか
- イ・ロそれぞれの対象者要件(悪性腫瘍の鎮痛療法等、手順書加算算定者等)を満たしているか
- 特別管理加算との対象者の重なりを踏まえ、算定の組み合わせを確認しているか
よくある質問
Q. 専門管理加算は、誰でも算定できますか?
A. いいえ。緩和ケア・褥瘡ケア・人工肛門ケア及び人工膀胱ケアに係る専門の研修を受けた看護師、または特定行為研修を修了した看護師が、事業所として届出を行ったうえで計画的な管理を行った場合に限られます。
Q. 専門管理加算と特別管理加算は、同時に算定できますか?
A. 対象者が重なる場合もありますが、今回確認した告示には明確な併算定調整の記載は見当たりませんでした。個別の状況に応じて確認が必要です。
関連記事
出典
- 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(厚生労働省告示、令和8年度改定反映版)区分02注3・注12
最終確認日:2026年9月27日 ※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。