精神科複数回訪問加算とは|複数名精神科訪問看護加算との違い

精神科複数回訪問加算と複数名精神科訪問看護加算、名前が似ていて混同していませんか?
この2つの加算は、名称は似ていますが、評価する内容がまったく異なります。
この記事では、それぞれの算定要件と、違いを整理します。
※この記事は医療保険の訪問看護を対象とします。

精神科複数回訪問加算とは(1日の訪問回数を評価)

厚生労働省告示「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」区分01-2注10には、次のように定められています。

1及び3については、別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た訪問看護ステーションの保健師等が、医科点数表の区分番号I016に掲げる精神科在宅患者支援管理料を算定する利用者に対して、その主治医の指示に基づき、1日に2回又は3回以上指定訪問看護を行った場合は、精神科複数回訪問加算として、次に掲げる区分に従い、1日につき、いずれかを所定額に加算する。

イ 1日に2回の場合 (1)同一建物内1人又は2人 4,500円 (2)同一建物内3人以上 4,000円
ロ 1日に3回以上の場合 (1)同一建物内1人又は2人 8,000円 (2)同一建物内3人以上 7,200円

整理すると、次のとおりです。

  • 評価する内容:同じ利用者に1日に2回以上訪問看護を行ったこと
  • 対象者:精神科在宅患者支援管理料を算定する利用者
  • 実施者:保健師等(事業所として届出が必要)
  • 算定条件:主治医の指示に基づくこと
  • 金額:1日2回=4,500円(同一建物1〜2人)/4,000円(3人以上)、1日3回以上=8,000円/7,200円

複数名精神科訪問看護加算とは(同時に複数名で訪問することを評価)

区分01-2注8には、次のように定められています。

1及び3(いずれも30分未満の場合を除く。)については、訪問看護ステーションの保健師又は看護師が、当該訪問看護ステーションの他の保健師等、看護補助者又は精神保健福祉士と同時に指定訪問看護を行うことについて、利用者又はその家族等の同意を得て、指定訪問看護を行った場合には、複数名精神科訪問看護加算として、次に掲げる区分に従い、1日につき、いずれかを所定額に加算する。

整理すると、次のとおりです。

  • 評価する内容:1回の訪問に複数の職員が同時に訪問看護を行ったこと
  • 対象者:精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅲ)を算定する利用者(30分未満の訪問は対象外)
  • 算定条件:利用者またはその家族等の同意を得ていること
  • 金額:組み合わせ(イ・ロ・ハ)によって異なる(詳しくは関連記事参照)

2つの違い(まとめ)

精神科複数回訪問加算複数名精神科訪問看護加算
評価する内容1日に複数回訪問すること1回の訪問を複数名で行うこと
対象者精神科在宅患者支援管理料算定者精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅲ)算定者(30分未満除く)
事業所の届出必要記載なし
主治医の指示・利用者同意主治医の指示に基づく利用者・家族等の同意が必要
算定回数の考え方1日単位(2回/3回以上)1日単位(組み合わせ・回数により金額が変動)

名称に「複数」という言葉が共通していますが、「複数」が指しているものが異なります。精神科複数回訪問加算は「訪問の回数が複数」、複数名精神科訪問看護加算は「訪問する職員が複数」という違いです。

確認しておきたいポイント

  • 「1日に複数回訪問した」のか「1回の訪問を複数名で行った」のかを区別する
  • 精神科複数回訪問加算は、事業所として地方厚生局長等への届出が必要な点を確認する
  • 精神科複数回訪問加算の対象者(精神科在宅患者支援管理料算定者)と、複数名精神科訪問看護加算の対象者(精神科訪問看護基本療養費算定者)が異なる点に注意する

よくある質問

Q. 精神科複数回訪問加算と複数名精神科訪問看護加算は、同時に算定できますか?
A. 対象者の要件や評価する内容が異なるため、状況によっては両方に該当する場合もあり得ますが、今回確認した告示には明確な併算定調整の記載は見当たりませんでした。

Q. 精神科複数回訪問加算は、誰でも算定できますか?
A. 対象者が精神科在宅患者支援管理料を算定する利用者に限られており、かつ事業所として地方厚生局長等への届出が必要です。

関連記事

出典

  • 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(厚生労働省告示、令和8年度改定反映版)区分01-2注8・注10

最終確認日:2026年9月28日 ※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。

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