精神科の利用者を担当することになったとき、どの加算を確認すればいいかご存知ですか?
精神科訪問看護には、一般の訪問看護とは別に、精神科訪問看護基本療養費や精神科特有の加算が設けられています。
この記事では、精神科訪問看護に関わる加算・療養費を一覧で整理し、それぞれの算定ポイントをまとめます。
※この記事は医療保険の精神科訪問看護を対象とします。

精神科訪問看護の加算とは
精神障害を有する利用者に対する訪問看護は、一般の訪問看護基本療養費ではなく「精神科訪問看護基本療養費」という別区分で算定します。そのうえで、緊急時や長時間訪問、複数名訪問など、状況に応じた加算が設けられています。
精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅲ)(Ⅳ)
(Ⅰ)保健師、看護師又は作業療法士による場合
| 区分 | 30分以上 | 30分未満 |
|---|---|---|
| 週3日目まで | 5,550円 | 4,250円 |
| 週4日目以降 | 6,550円 | 5,100円 |
(Ⅰ)准看護師による場合
| 区分 | 30分以上 | 30分未満 |
|---|---|---|
| 週3日目まで | 5,050円 | 3,870円 |
| 週4日目以降 | 6,050円 | 4,720円 |
- 対象:精神障害を有する者またはその家族等(同一建物居住者を除く)
- 要件:主治医(精神科担当の保険医)から交付を受けた精神科訪問看護指示書及び精神科訪問看護計画書に基づき、基準に適合しているものとして届出を行った訪問看護ステーションの、精神障害を有する者に対する看護について相当の経験を有する保健師等が実施
- 算定回数の限度:精神科訪問看護基本療養費(Ⅲ)並びに訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅱ)を算定する日と合わせて週3日(退院後3か月以内は週5日)
(Ⅲ)同一建物居住者向け
同一建物居住者向けの精神科訪問看護基本療養費(Ⅲ)は、同一日に訪問看護を行う人数区分などに応じて金額が異なります。算定時は、該当する人数区分と算定日数に対応した金額を確認してください。
具体的には、同一日2人・3人以上9人以下・10人以上19人以下・20人以上49人以下・50人以上の5段階で人数区分が分かれており、2人の場合は(Ⅰ)と同額です。さらに、10人以上の区分では、月20日目まで・月21日目以降という日数区分も加わります(この日数区分は単価の高低を分けるものです)。月の日数を何に基づいて集計するかは、今回確認できていません。
算定回数の限度は、人数区分とは別に、(Ⅰ)及び訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅱ)と合わせて週3日(退院後3か月以内は週5日)です。10人以上の区分にある月20日目まで・21日目以降という単価の区分と、この週単位の算定回数の限度は、それぞれ別の軸であり、矛盾するものではありません。
全区分の具体的な金額は、厚生労働省「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」(区分01-2)の原文でご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa9734&dataType=0
(Ⅳ)外泊時
入院中の精神障害を有する者が、在宅療養に備えて一時的に外泊する場合に算定します。
- 金額:8,500円
- 算定回数:入院中1回(別に厚生労働大臣が定める疾病等の利用者は入院中2回)を限度
- 同一日に訪問看護管理療養費は算定不可
精神科訪問看護に特有の加算一覧
| 加算名 | 金額 | 算定回数の限度 |
|---|---|---|
| 精神科緊急訪問看護加算 | 月14日目まで2,650円/15日目以降2,000円 | 1日につき1回に限り算定可能(近畿厚生局FAQによる) |
| 長時間精神科訪問看護加算 | 5,200円 | 週1日(別に厚生労働大臣が定める者は週3日) |
| 複数名精神科訪問看護加算 | 同時に訪問する職種・人数により変動 | 看護補助者・精神保健福祉士と同時の場合は週1日 |
| 精神科複数回訪問加算 | 1日2回/3回以上、同一建物の人数により変動 | 精神科在宅患者支援管理料を算定する利用者が対象 |
| 精神科重症患者支援管理連携加算(訪問看護管理療養費の加算) | イ8,400円/ロ5,800円 | 月1回 |

精神科緊急訪問看護加算
利用者またはその家族等の緊急の求めに応じ、主治医(診療所または在宅療養支援病院の保険医に限る)の指示により、定期的な訪問看護以外の指定訪問看護を実施した場合に算定します。近畿厚生局FAQ No.59では、1日につき1回に限り算定できるとされています。
長時間精神科訪問看護加算
別に厚生労働大臣が定める長時間の訪問を要する者に対し、長時間にわたる指定訪問看護を行った場合に算定します。
複数名精神科訪問看護加算
訪問看護ステーションの保健師または看護師が、他の保健師・看護師・作業療法士、准看護師、看護補助者または精神保健福祉士と同時に指定訪問看護を行うことについて、利用者またはその家族等の同意を得て実施した場合に算定します。同時に訪問する職種の組み合わせ・1日の訪問回数(1回/2回/3回以上)・同一建物の人数によって金額が細かく分かれます。具体的な金額区分は、複数名精神科訪問看護加算とは|算定要件と対象者でご確認ください。
精神科複数回訪問加算
別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして届出を行った訪問看護ステーションの保健師等が、精神科在宅患者支援管理料を算定する利用者に対して、主治医の指示に基づき1日に2回または3回以上訪問看護を行った場合に算定します。
精神科重症患者支援管理連携加算
届出を行った訪問看護ステーションの保健師、看護師、准看護師または作業療法士が、精神科在宅患者支援管理料2を算定する利用者に対して、その利用者の在宅療養を担う保険医療機関と連携し、支援計画等に基づき定期的な訪問看護を行った場合に、月1回に限り算定します(訪問看護管理療養費の加算です)。
算定するうえで注意したいポイント
- 精神科訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅲ)の週3日限度は、訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅱ)の算定日と合算してカウントする
- 退院後3か月以内は週5日まで算定できる(通常時の週3日より緩和される)
- (Ⅲ)の10人以上の人数区分には、月20日目まで・21日目以降という単価の区分があり、週単位の算定回数の限度とは別の仕組みである
- (Ⅳ)を算定する場合、同一日に訪問看護管理療養費は算定できない
- 精神科緊急訪問看護加算は、1日につき1回に限り算定できる
- 複数名精神科訪問看護加算は、同時に訪問する職種の組み合わせによって金額が変わるため、誰と同時訪問したかを正確に記録する
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出典
- 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(厚生労働省告示、令和8年度改定反映版)区分01―2注1〜注11、区分02注10
- 近畿厚生局「よくある質問(訪問看護療養費の算定について)」No.59・No.67、令和8年6月1日〜適用分
最終確認日:2026年10月21日 ※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。