精神科重症患者支援管理連携加算、イとロで金額が2,600円も違うとご存知でしたか?
精神科重症患者支援管理連携加算は、精神科在宅患者支援管理料2を算定する利用者への、医療機関と連携した定期的な訪問看護を評価する加算です。
この記事では、算定要件と、イ・ロの違いを整理します。
※この記事は医療保険の訪問看護を対象とします。

精神科重症患者支援管理連携加算とは
厚生労働省告示「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」区分02注10には、次のように定められています。
別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た訪問看護ステーションの保健師、看護師、准看護師又は作業療法士が、利用者(医科点数表の区分番号I016に掲げる精神科在宅患者支援管理料2を現に算定する利用者に限る。)に対して、当該利用者の在宅療養を担う保険医療機関と連携して、支援計画等に基づき、定期的な訪問看護を行った場合には、精神科重症患者支援管理連携加算として、月1回に限り、次に掲げる区分に従い、いずれかを所定額に加算する。
イ 精神科在宅患者支援管理料2のイを算定する利用者に定期的な訪問看護を行う場合 8,400円
ロ 精神科在宅患者支援管理料2のロを算定する利用者に定期的な訪問看護を行う場合 5,800円
整理すると、次のとおりです。

- 届出:事業所として、別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして地方厚生局長等への届出が必要
- 実施者:保健師、看護師、准看護師または作業療法士
- 対象者:医科点数表区分番号I016に掲げる精神科在宅患者支援管理料2を現に算定する利用者に限る
- 算定条件:利用者の在宅療養を担う保険医療機関と連携し、同医療機関の職員と共同で会議を行って支援計画を策定し、その計画等に基づいて定期的な訪問看護を実施すること
- 算定回数:月1回に限る。1人の利用者に対し、1つの訪問看護ステーションにおいてのみ算定できる
- 金額:イ(精神科在宅患者支援管理料2のイを算定する利用者)8,400円、ロ(同ロを算定する利用者)5,800円。差額は2,600円
イとロの違い(訪問看護ステーション側の算定要件)

この加算の金額は、利用者が算定している精神科在宅患者支援管理料2のイ・ロどちらの区分かによって決まります。イ・ロの判定は、訪問看護ステーションが独自に決めるものではありません。 そのうえで、訪問看護ステーション側にも、それぞれの区分に応じた訪問頻度の要件があります。
算定留意事項通知には、次のように定められています(複数の独立した資料が、同一の通知文言を引用しており、内容の一致を確認しています。ただし、通知の正式な発出番号・該当箇所、公式PDFそのものは、今回確認できていません)。
(略)精神科重症患者支援管理連携加算は、精神科在宅患者支援管理料2を算定する利用者の主治医が属する保険医療機関と連携し、当該保険医療機関の職員と共同で会議を行い、支援計画を策定し、精神科在宅患者支援管理料2のイを算定する利用者においては週2回以上、2のロを算定する利用者においては月2回以上の精神科訪問看護を実施した場合に、月1回に限り加算し、1人の利用者に対し1つの訪問看護ステーションにおいてのみ算定できるものである。
整理すると、次のとおりです。
| 区分 | 精神科訪問看護の実施回数 | 金額 |
|---|---|---|
| イ | 週2回以上 | 8,400円 |
| ロ | 月2回以上 | 5,800円 |
「イは週2回以上、ロは月2回以上」という訪問頻度の要件は、医科点数表の精神科在宅患者支援管理料2側の説明にも登場します。ただし、これは医療機関側の管理料の算定条件としての記載でもあるため、訪問看護ステーション側の加算そのものの要件として、算定留意事項通知の正式な発出番号・該当箇所を確認できるまでは、公式PDF未確認のままとします。
精神科在宅患者支援管理料2のイ・ロを分ける対象者側の条件(入院歴、GAF尺度等の具体的な状態像)については、今回確認した一次資料・業界資料だけでは確定できていません。 推測で記載せず、医療機関側、または医科点数表の正式な条文(区分番号I016)でご確認ください。
届出に関する要件
近畿厚生局の公式ページ「訪問看護ステーションの基準の届出様式(令和8年度訪問看護療養費等改定)」(令和8年6月24日)に、次のとおり記載されています。
3-8 精神科重症患者支援管理連携加算 受理番号:訪看28
添付書類:24時間対応体制加算を届け出ていない場合であって、精神科重症患者支援管理連携加算を届け出る場合は、連携する保険医療機関が24時間の往診又は精神科訪問看護・指導を行うことができる体制であることが確認できる文書を添付すること。
整理すると、次のとおりです。
- 訪問看護ステーションが24時間対応体制加算を届け出ている場合は、この24時間体制に関する要件については、追加の添付書類は不要です(ただし、届出書類全体としては、通常の届出様式・必要事項の記載は必要です)
- 24時間対応体制加算を届け出ていない場合は、連携する保険医療機関が、24時間の往診または精神科訪問看護・指導を行うことができる体制であることを確認できる文書を追加で添付する必要があります
この届出様式は、精神科複数回訪問加算と共通の様式(別紙様式5)になっています。実際の届出にあたっては、貴ステーションを管轄する地方厚生局が公開する最新の様式を、個別にご確認ください。

確認しておきたいポイント
- 事業所として、地方厚生局長等への届出を行っているか(24時間対応体制加算の届出有無によって、添付書類が変わる)
- 対象利用者が、精神科在宅患者支援管理料2を現に算定しているか(イ・ロどちらの区分かを含めて確認)
- 実施者が、保健師・看護師・准看護師・作業療法士のいずれかであるか
- 利用者の在宅療養を担う保険医療機関と連携し、同医療機関の職員と共同で会議を行って支援計画を策定し、その計画等に基づいた定期的な訪問看護を行っているか
- イの対象者には週2回以上、ロの対象者には月2回以上、精神科訪問看護を実施しているか
- 24時間対応体制加算を届け出ていない場合、連携する保険医療機関の24時間体制を確認できる文書を添付しているか
- 月1回の算定回数を超えていないか
よくある質問
Q. 精神科在宅患者支援管理料2を算定していない利用者にも算定できますか?
A. いいえ。対象者は「精神科在宅患者支援管理料2を現に算定する利用者」に限られています。
Q. 理学療法士や言語聴覚士が訪問した場合は算定できますか?
A. 告示上の実施者は「保健師、看護師、准看護師又は作業療法士」に限られており、理学療法士・言語聴覚士は含まれていません。
Q. イ・ロは、訪問看護ステーション側で選べますか?
A. 選べません。利用者が算定している精神科在宅患者支援管理料2のイ・ロの区分に連動します。そのうえで、ステーション側は、イの対象者には週2回以上、ロの対象者には月2回以上の精神科訪問看護を実施する必要があります。
Q. 24時間対応体制加算を届け出ていないと、算定できませんか?
A. 24時間対応体制加算の届出がなくても、連携する保険医療機関が24時間の往診または精神科訪問看護・指導を行うことができる体制であることを確認できる文書を添付すれば、届出できるとされています。24時間対応体制加算を届け出ている場合は、この文書の添付は不要です。
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出典
- 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(厚生労働省告示、令和8年度改定反映版)区分02注10(加算の算定要件・金額の根拠)
- 算定留意事項通知(精神科重症患者支援管理連携加算の条文。複数の独立資料による引用一致で内容を確認。通知の正式な発出番号・該当箇所・公式PDFは今回未確認)(週2回以上/月2回以上の訪問頻度要件の根拠)
- 訪問看護ステーションの基準の届出様式(令和8年度訪問看護療養費等改定)、近畿厚生局(令和8年6月24日)(届出要件・24時間対応体制加算との関係の根拠)
- 診療報酬の算定方法(医科点数表)区分番号I016精神科在宅患者支援管理料2(訪問看護ステーションの訪問頻度要件、イ・ロの判定に関する根拠。業界資料による条文引用にとどまり、公式PDFそのものは今回未確認)
実際の届出にあたっては、貴ステーションを管轄する地方厚生局のホームページで、最新の届出様式をご確認ください。
最終確認日:2026年10月20日 ※精神科在宅患者支援管理料2のイ・ロを分ける対象者側の条件(入院歴、GAF尺度等)、算定留意事項通知の正式な発出番号は、今回確認できていません。制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。