主治医からの指示内容が変わったとき|確認したい手続きと算定

主治医からの指示内容が変わったとき、新しい指示書は必ず必要とご存知ですか?
結論から言うと、今回確認した資料では、「必ず新しい指示書が必要」と一律に義務づけた規定は確認できませんでした。変更の内容に応じて、主治医に再交付の要否を確認し、変更の指示を書面またはそれに準ずる記録で残すことが、実務上の基本的な対応です。
訪問看護指示書の内容が変わる場面には、いくつかのパターンがあります。
この記事では、指示内容が変わったときに確認したい手続きと、算定への影響を整理します。
※この記事は医療保険の訪問看護を対象とします。

訪問看護指示書の基本ルール

医科点数表の留意事項通知(区分番号C007訪問看護指示料)には、次のように定められています。

訪問看護指示書に有効期間(6月以内に限る。)を記載して、当該患者が選定する訪問看護ステーション等に対して交付した場合に算定する。なお、1か月の指示を行う場合には、訪問看護指示書に有効期間を記載することを要しない。

整理すると、次のとおりです。

  • 訪問看護指示書の有効期間は6か月以内
  • 1か月の指示の場合は、有効期間の記載自体が不要
  • 訪問看護指示料は、退院時に1回算定できるほか、在宅で療養している患者については1か月に1回を限度として算定できます

なお、退院時の算定と在宅療養中の算定では取扱いが異なります。算定に当たっては、厚生労働省の留意事項通知を確認してください。

指示内容が変わったときの対応パターン

主治医からの指示内容が変わる場面には、大きく分けて次の3つのパターンがあります。

① 有効期間内の指示内容変更(処置内容・頻度等の変更)

有効期間中に、投薬内容や処置内容、訪問頻度等の指示が変わった場合の取扱いについて、今回調査した一次資料には、「変更の都度、必ず新しい訪問看護指示書の交付を受けなければならない」と明確に定めた規定を見つけることができませんでした。

ただし、実務上は、変更の内容によって主治医に指示書の再交付の要否を確認し、指示内容の変更について、書面またはそれに準ずる記録(指示内容を記した連絡票、カルテへの記載依頼等)を残すことが望ましいとされています。口頭のみでの指示変更を受けた場合は、できるだけ早期に、主治医に書面での確認を依頼することをおすすめします。

② 有効期間の満了に伴う指示書の更新

和歌山県の実地指導資料には、次のように示されています。

訪問看護の提供開始前に訪問看護指示書を受ける必要がある。また、引き続き訪問看護の提供を行う場合には、訪問看護指示書の有効期限が切れる前に、新たな訪問看護指示書の交付を受ける必要がある。

つまり、有効期限が切れる前に、次の指示書を受け取っておく必要があります。指示書の有効期限を事業所側で管理し、期限が近づいたら主治医に依頼する体制が求められます。

③ 急性増悪等による特別訪問看護指示書への切り替え

主治医が、急性増悪・終末期・退院直後等の事由により、一時的に頻回の訪問看護が必要と判断した場合には、通常の訪問看護指示書とは別に、特別訪問看護指示書が交付されます。厚生労働省の訪問看護療養費に係る通知(保発0305第19号)には、次のように定められています。

特別訪問看護指示書が交付された者に対する指定訪問看護については、当該特別訪問看護指示書の交付の日から起算して14日以内に行った場合は、月1回(気管カニューレを使用している状態にある者又は真皮を越える褥瘡の状態にある者については、月2回)に限り算定する。

整理すると、次のとおりです。

  • 特別訪問看護指示書による訪問看護は、原則として月1回、指示日から14日を限度に算定できます
  • 気管カニューレを使用している状態にある者、または真皮を越える褥瘡の状態にある者については、月2回まで算定できる取扱いがあります。各指示に基づく算定は、指示日から14日以内かつ14日を限度とします
  • 月2回の指示がそれぞれ交付され、各指示期間の条件を満たす場合には、合計で最大28日間となることがあります
  • 「頻回の訪問看護が一時的に必要」という状況が前提であり、恒常的な頻回訪問の必要性とは区別される

介護保険の制度に関する補足:リハビリ職によるリハビリの12月超減算のリセット条件

※この記事は医療保険の訪問看護を対象としていますが、関連する話題として、介護保険(介護予防訪問看護)の制度を補足します。医療保険の算定ルールとは別の制度ですので、混同しないようご注意ください。

この起算日がリセットされる条件について、介護予防サービスの算定基準に関する留意事項通知(平成18年3月17日老計発第0317001号、老振発第0317001号、老老発第0317001号)では、次のように定められています。

理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が提供する介護予防訪問看護の利用が12月を超える場合は、第2の3の(4)⑧を算定している場合は、介護予防訪問看護費から15単位を減算し、第2の3の(4)⑧を算定していない場合は、介護予防訪問看護費から5単位減算する。なお、入院による中断があり、かつ、医師の指示内容に変更がある場合は、新たに利用が開始されたものとする。

つまり、リセットの条件は、「入院による中断」と「医師の指示内容の変更」の両方が満たされた場合です。指示内容の変更だけでは、リセットの条件を満たしません。なお、「第2の3の(4)⑧」とは、理学療法士等の訪問回数が看護職員の訪問回数を超える場合等に適用される、8単位減算の規定を指します。

このルールは、要支援者の介護予防訪問看護が対象です。医療保険の訪問看護や、要介護者の訪問看護には、このリセット条件はそのまま当てはまりません。詳しくは、訪問看護のリハビリ減算の記事で解説しています。

訪問看護指示書の様式変更時の取扱い

過去、訪問看護指示書の様式が改定された際(令和4年度改定時)、疑義解釈において、既に交付済みの指示書について、様式変更のみを理由に直ちに新様式での再交付を求めるものではない、とする取扱いが示されたことがあります。これは、その時点の改定に関する経過的な取扱いであり、現在も同様の取扱いが続いているかどうかは、今回あらためて確認できていません。様式変更があった場合は、その都度、最新の疑義解釈等をご確認ください。

確認しておきたいポイント

  • 指示内容(処置、投薬、頻度等)が変わったとき、主治医に指示書の再交付の要否を確認し、変更内容を書面またはそれに準ずる記録で残しているか
  • 指示書の有効期間(6か月以内)を事業所側で管理し、期限前に更新を依頼できているか
  • 退院時と在宅療養中の算定の取扱いが異なることを踏まえているか
  • 急性増悪等の際、特別訪問看護指示書が必要な状況かどうかを主治医と確認しているか
  • 特別訪問看護指示書に基づく頻回訪問が、1回の指示期間(14日)を超えていないか
  • 介護予防訪問看護のリハビリで12月超減算のリセットを検討する場合、「入院による中断」と「医師の指示内容の変更」の両方を満たしているか確認しているか
  • 介護予防訪問看護のリハビリで12月超減算の単位数(5単位か15単位か)を、事業所の8単位減算の算定状況にあわせて確認しているか

よくある質問

Q. 主治医から電話で「処置内容を変更してほしい」と言われた場合、それだけで対応してよいですか?
A. 緊急性がある場合を除き、できるだけ早期に、主治医に書面での指示(新しい訪問看護指示書や、変更内容を記した文書)を依頼することをおすすめします。制度上、変更の都度必ず新しい指示書が必要と定めた規定は、今回確認できていませんが、記録を残すことが実務上重要です。

Q. 特別訪問看護指示書は、誰でも交付を受けられますか?
A. 主治医が、急性増悪・終末期・退院直後等の事由により、一時的に頻回の訪問看護が必要と判断した場合に交付されます。恒常的に頻回の訪問看護が必要な場合は対象外とされています。

Q. 月2回交付できる対象者は、28日間連続で頻回の訪問看護を受けられますか?
A. 1回の指示期間は14日が限度です。月2回の指示がそれぞれ交付され、各指示期間の条件を満たす場合には、合計で最大28日間となることがありますが、常に28日間連続の訪問が保証されるわけではありません。

Q. 指示内容を変更するだけで、リハビリの12月超減算の起算日はリセットされますか?
A. されません。「入院による中断」と「医師の指示内容の変更」の両方が満たされた場合に限り、新たに利用が開始されたものとして扱われます。指示内容の変更のみでは、リセットの条件を満たしません(この制度は、介護保険の介護予防訪問看護に関するものです)。

Q. 介護予防訪問看護のリハビリ12月超減算は、必ず5単位ですか?
A. いいえ。事業所が、理学療法士等の訪問回数超過等に関する8単位減算を算定している場合は15単位、算定していない場合は5単位とされています。

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出典

最終確認日:2026年10月20日 ※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。

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