緊急訪問看護加算の「月14日目まで」、月をまたいだらどうなるかご存知ですか?
緊急訪問看護加算は、1か月の算定回数によって金額が変わります。
この記事では、この「月」の数え方と、月をまたぐ場合の考え方を整理します。
※この記事は医療保険の訪問看護を対象とします。
緊急訪問看護加算の金額(おさらい)
厚生労働省告示「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」区分01注9には、次のように定められています。
緊急訪問看護加算として、次に掲げる区分に従い、1日につき、いずれかを所定額に加算する。
イ 月14日目まで 2,650円
ロ 月15日目以降 2,000円
つまり、同じ月の中で緊急訪問看護加算を算定した日数が14日目までであれば2,650円、15日目以降であれば2,000円という、累積日数による金額の変化です。緊急訪問看護加算そのものの算定要件(利用者・家族の求め、主治医の指示等)は、緊急時訪問看護加算Ⅰ・Ⅱの違い|算定要件と体制整備で詳しく扱っています。なお、この加算を算定するには、事業所として24時間対応体制加算の届出をしていることが前提になります。
「月」とは暦月を指す
告示上「月」とだけ記載されており、独自の起算日(訪問看護指示書の交付日等)ではなく、暦月(1日から末日まで)でカウントするのが基本的な考え方です。つまり、月が変われば、緊急訪問看護加算の算定日数は1日目からリセットされます。
- 例:9月に緊急訪問看護加算を13日算定していても、10月になれば、10月分として改めて1日目からカウントする
- 9月の算定実績が10月に引き継がれることはない
月をまたぐケースの考え方
「月またぎ」という言葉から、例えば「ある利用者への緊急訪問が、月末から月初にかけて連続して発生した場合」をイメージされるかもしれませんが、これは1回1回の訪問ごとに、その訪問が属する暦月でカウントするだけです。特別な調整は必要ありません。
- 9月30日の緊急訪問:9月分としてカウント(その月の何日目かを数える)
- 10月1日の緊急訪問:10月分として、新たに1日目からカウント
つまり、暦月をまたぐこと自体に、特別な算定ルールがあるわけではなく、単純に「月が変わればカウントもリセットされる」という、暦月単位の集計ルールの結果です。
正直にお伝えすると、今回確認した資料の範囲では、この「暦月でカウントする」という理解自体を直接裏付ける告示・通知の明記(「暦月」という語そのものを使った規定)までは見つけられていません。告示が単に「月14日目まで」としている以上、レセプトが月単位(暦月)で請求される仕組みと合わせて、暦月でカウントするのが自然な解釈と考えられますが、断定はできません。
複数の訪問看護ステーションが関わる場合
業界メディアの解説記事には、同一日に複数の訪問看護ステーションから訪問看護を受けている利用者に緊急訪問を行った場合、緊急訪問看護加算のみを算定するという整理が見られますが、この点についても、今回は告示原文での直接確認はできていません。なお、精神科の利用者の場合は、同じ「月14日目まで2,650円/月15日目以降2,000円」という構造の精神科緊急訪問看護加算が別に設けられています。
確認しておきたいポイント
- 緊急訪問看護加算の算定日数を、暦月(1日〜末日)単位で管理しているか
- 月が変わったタイミングで、カウントを正しくリセットできているか
- 療養費明細書に、緊急訪問の理由を記載しているか
よくある質問
Q. 月末に緊急訪問が集中した場合、翌月分の日数に影響しますか?
A. 影響しません。暦月でカウントがリセットされるため、前月の算定日数が翌月に持ち越されることはないと考えられます。
Q. 「月14日目」は、暦日(土日祝日含む)でカウントしますか?
A. 告示上「日」とされており、営業日ではなく暦日でカウントするものと考えられますが、この点の明記までは今回確認できていません。
出典
- 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(厚生労働省告示、令和8年度改定反映版)区分01注9
最終確認日:2026年10月7日 ※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。