小児(18歳未満)の訪問看護の保険適用

18歳未満の利用者への訪問看護、どの保険が適用されるかご存知ですか?
18歳未満の利用者は、そもそも介護保険の対象外です。訪問看護は医療保険が中心となりますが、年齢に応じた加算や、学校との連携など、成人とは異なる制度があります。
この記事では、小児(18歳未満)の訪問看護における保険適用の考え方を整理します。
※この記事は確認できた範囲の医療保険の制度を中心に扱います。小児慢性特定疾病医療費助成等の公費制度は、この記事の範囲外です。

18歳未満は、そもそも介護保険の対象外

介護保険の被保険者は、介護保険法第9条により、市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者(第1号被保険者)と、市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者(第2号被保険者)です。18歳未満の利用者は、どちらにも当たらず、介護保険の被保険者になりえないため、訪問看護は医療保険が原則となります。

18歳未満の利用者は、介護保険の被保険者ではないため、「要介護被保険者等」にも当たらず、介護保険との給付調整(算定方法 通則2)の制限を受けません。ただし、医療保険の訪問看護を算定するには、別に、算定の要件を満たす必要があります(詳しくは、関連記事の40歳未満・要介護認定なしの保険適用をご覧ください)。

6歳未満:乳幼児加算

厚生労働省告示「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」区分01注11には、次のように定められています。

1及び2(いずれもハを除く。)については、6歳未満の乳幼児に対し、訪問看護ステーションの看護師等が指定訪問看護を行った場合には、乳幼児加算として、1日につき1,400円(別に厚生労働大臣が定める者に該当する場合にあっては、1,800円)を所定額に加算する。

整理すると、次のとおりです。

  • 対象:6歳未満の乳幼児。1日につき1回に限り算定します(算定通知 第2の9(1))
  • 金額:1日につき1,400円(別に厚生労働大臣が定める者に該当する場合は1,800円)
  • 令和8年度改定(令和8年6月1日適用)で、別に厚生労働大臣が定める者以外の金額が、1,300円から1,400円に引き上げられました。1,800円は、変更されていません
  • 「別に厚生労働大臣が定める者」は、算定通知(令和8年3月5日保発0305第19号)第2の9(2)が、基準告示第2の4に規定する者として、次の3つを記載しています
    • 超重症児又は準超重症児
    • 特掲診療料の施設基準等別表第七に掲げる疾病等の者
    • 同 別表第八に掲げる者

基準告示 第二の四の本文そのものは、今回、直接確認できていません。超重症児・準超重症児の判定基準は、この記事では扱っていません。

学校・保育所等との連携:訪問看護情報提供療養費2

厚生労働省告示の区分03(訪問看護情報提供療養費)注2には、次のように定められています。

2については、別に厚生労働大臣が定める疾病等の利用者のうち、児童福祉法第39条第1項に規定する保育所又は学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校(大学を除く。)等(以下「学校等」という。)へ通園又は通学する利用者について、訪問看護ステーションが、当該利用者の同意を得て、当該学校等からの求めに応じて、指定訪問看護の状況を示す文書を添えて必要な情報を提供した場合に、利用者1人につき各年度1回に限り算定する。また、入園若しくは入学又は転園若しくは転学等により当該学校等に初めて在籍することとなる月については、当該学校等につき月1回に限り、当該利用者に対する医療的ケアの実施方法等を変更した月については、当該月に1回に限り、別に算定できる。ただし、他の訪問看護ステーションにおいて、当該学校等に対して情報を提供することにより訪問看護情報提供療養費2を算定している場合は、算定しない。

整理すると、告示の定めは、次のとおりです。

  1. 通常の情報提供:利用者1人につき各年度1回まで
  2. 入園・入学・転園・転学等で初めて在籍する月:その学校等につき月1回まで(別に算定できる)
  3. 医療的ケアの実施方法等を変更した月:その月に1回まで(別に算定できる)

金額はいずれも1,500円です。

算定通知(令和8年3月5日保発0305第19号)第6の2には、次のように定められています。

  • 同一月の算定回数(第6の2(2)):2と3は、各年度1回の通常の情報提供とは別に算定できますが、「同一月に複数の情報提供を行った場合であっても、利用者1人につき月1回に限り算定する」とされています。つまり、上の条件のうち2つ以上を、同じ月に満たす場合でも、同じ月に算定できるのは、利用者1人につき1回です(同じ月に複数回算定できるわけではありません)
  • 2週間以内の情報提供と別紙様式3(第6の2(2)):指定訪問看護を行った日から2週間以内に、別紙様式3の文書により、学校等に対して情報を提供した場合に算定します
  • 文書提供前6月間の定期的な訪問(第6の2(4)):文書を提供する前6月の期間において、定期的に当該利用者に指定訪問看護を行っている訪問看護ステーションが算定できます

注2の「別に厚生労働大臣が定める疾病等の利用者」は、基準告示 第二の十一に定められています(算定通知 第6の2(2)が、「基準告示第2の11に規定する利用者」と記載)。基準告示の現行の本文を、直接確認できていないため、対象となる区分は、公式の原文で確認してください。参考として、近畿厚生局のQ&A(令和8年6月1日適用分)には、「基準告示第2の11に規定する利用者」として、「十八歳未満の超重症児又は準超重症児」の記載があります。

週3日を超える訪問(別表第7・第8に該当する場合)

基準告示 第二の一は、訪問看護基本療養費の注1に規定する厚生労働大臣が定める疾病等の利用者として、週3日を超えて訪問看護を行う必要がある利用者であって、次のいずれかに該当するものを定めています。算定通知 第2の1(1)にも、基準告示第2の1に規定する疾病等の利用者は、別表第7に掲げる疾病等の者及び別表第8に掲げる者、と記載されています。

  • (1)特掲診療料の施設基準等別表第七に掲げる疾病等の者
  • (2)特掲診療料の施設基準等別表第八に掲げる者

小児であっても、これらに該当し、週3日を超えて訪問看護を行う必要がある場合は、訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅱ)の「週3日限度」の制限を受けません(告示区分01注1・注3)。「医療保険の訪問看護を算定できるか」と、「週3日を超える訪問ができるか」は、別の論点です。詳しくは関連記事の「厚生労働大臣が定める疾病等(別表7・8)とは」をご覧ください。

確認しておきたいポイント

  • 利用者が6歳未満かどうかを確認する(乳幼児加算の対象になるため)
  • 乳幼児加算で、1,400円と1,800円のどちらに当たるかを確認する(超重症児又は準超重症児、別表第7、別表第8に該当するか。算定通知 第2の9(2))
  • 保育所・学校等に通園・通学しているかどうかを確認する(訪問看護情報提供療養費2の対象になりうるため)。対象となる利用者の区分は、基準告示 第二の十一の原文で確認する
  • 訪問看護情報提供療養費2は、同一月に複数の情報提供を行った場合でも、利用者1人につき月1回に限り算定される(算定通知 第6の2(2))
  • 訪問看護情報提供療養費2は、指定訪問看護を行った日から2週間以内に、別紙様式3の文書により学校等へ情報提供することが必要です。また、文書提供前6月間に、定期的に当該利用者へ指定訪問看護を行っていることも要件です(算定通知 第6の2(2)(4))
  • 別表第7・第8に該当するかどうかを確認する(週3日限度の例外や、特定の加算の対象になりうるため)
  • 小児慢性特定疾病医療費助成、乳幼児医療費助成等の公費制度との関係は、この記事の範囲外のため、別途確認が必要

よくある質問

Q. 18歳未満であれば、必ず乳幼児加算の対象になりますか?
A. いいえ。乳幼児加算の対象は6歳未満です。6歳以上18歳未満の利用者には、この加算は適用されません。

Q. 医療的ケア児は、介護保険を使えますか?
A. 18歳未満は介護保険の被保険者になりえないため、介護保険は利用できません。訪問看護は医療保険が中心となります。

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出典

最終確認日:2026年10月29日 ※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。

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