「別表7」「別表8」、何が違うか正確に説明できますか?
訪問看護の制度でよく出てくる「別表第7」「別表第8」は、名前が似ていますが、性質が異なる別表です。
この記事では、それぞれの正式な内容と、保険適用における位置づけを整理します。
※この記事は医療保険の訪問看護を対象とします。

別表第7と別表第8は、そもそも性質が違う
- 別表第7:厚生労働大臣が定める「疾病等」の一覧(20項目)
- 別表第8:特別な管理を要する「状態等」の一覧(5号)
厚生労働省告示「特掲診療料の施設基準等」(平成20年厚生労働省告示第63号)に、それぞれ次のように定められています。
別表第7の内容(正式名称と全20疾病)
告示上の正式名称は「在宅患者訪問診療料(Ⅰ)及び在宅患者訪問診療料(Ⅱ)並びに在宅患者訪問看護・指導料及び同一建物居住者訪問看護・指導料に規定する疾病等」です。
令和8年厚生労働省告示第71号による全部改正後(令和8年6月1日適用)の別表第7には、次の20項目が掲げられています(20番目は、疾病ではなく、「人工呼吸器を使用している状態」です)。
- 末期の悪性腫瘍
- 多発性硬化症
- 重症筋無力症
- スモン
- 筋萎縮性側索硬化症
- 脊髄小脳変性症
- ハンチントン病
- 進行性筋ジストロフィー症
- パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る))
- 多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)
- プリオン病
- 亜急性硬化性全脳炎
- ライソゾーム病
- 副腎白質ジストロフィー
- 脊髄性筋萎縮症
- 球脊髄性筋萎縮症
- 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
- 後天性免疫不全症候群
- 頸髄損傷
- 人工呼吸器を使用している状態
別表第8の内容(正式名称と5号)
告示上の正式名称は「退院時共同指導料1の注2に規定する特別な管理を要する状態等にある患者並びに退院後訪問指導料、在宅患者訪問看護・指導料及び同一建物居住者訪問看護・指導料に規定する状態等にある患者」です。
- 第1号:在宅麻薬等注射指導管理、在宅腫瘍化学療法注射指導管理又は在宅強心剤持続投与指導管理若しくは在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者又は気管カニューレ若しくは留置カテーテルを使用している状態にある者
- 第2号:在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅自己導尿指導管理、在宅人工呼吸指導管理、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理、在宅自己疼痛管理指導管理、在宅肺高血圧症患者指導管理又は在宅難治性皮膚疾患処置指導管理を受けている状態にある者
- 第3号:人工肛門又は人工膀胱を設置している状態にある者
- 第4号:真皮を越える褥瘡の状態にある者
- 第5号:在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者
令和8年度改定(令和8年6月1日適用)で、第2号に、在宅難治性皮膚疾患処置指導管理が追加されました。
別表第8は、特別管理加算の対象者を定める基準として使われています。特別管理加算(医療保険)は、算定方法 区分番号02 注3で、月1回に限り2,500円(重症度等の高い状態等にある利用者は5,000円)とされています。対象となる状態等は、基準告示 第二の六・七で、別表第8に掲げる者(5,000円となるのは、別表第8第1号に掲げる者)と定められています。詳しくは関連記事の特別管理加算の記事をご覧ください。
保険適用における位置づけ
- 別表第7に該当する場合:
- 要介護・要支援認定を受けている利用者でも、別表第7に掲げる疾病等の者に対する指定訪問看護は、医療保険の訪問看護(訪問看護療養費)を算定できる場合に当たります(基準告示 第四の一(2))
- 訪問看護基本療養費(Ⅰ)(Ⅱ)の「週3日」の限度は、「別に厚生労働大臣が定める疾病等の利用者」に対する場合は、適用されません(算定方法 区分番号01 注1・注3)。基準告示 第二の一は、この疾病等の利用者を、週3日を超えて訪問看護を行う必要がある利用者であって、(1)別表第7に掲げる疾病等の者、(2)別表第8に掲げる者、のいずれかに該当するもの、と定めています。別表第7に該当する利用者は、(1)に当たります
- 「医療保険の訪問看護を算定できるか」と、「週3日を超える訪問ができるか」は、別の論点です。別表第7に該当する場合は、どちらにも関係します。特別訪問看護指示書が交付された場合の取扱いは、関連記事の特別指示書とは?14日間の医療保険への切り替えと訪問回数の考え方をご覧ください
- 別表第8に該当する場合:
- 別表第8に該当するだけでは、要介護・要支援認定を受けている利用者の訪問看護が、医療保険に切り替わるわけではありません。基準告示 第四の一は、要介護被保険者等である利用者について、指定訪問看護の費用の額を算定できる場合として、特別訪問看護指示書の交付を受けた場合、別表第7に掲げる疾病等の者の場合、精神科訪問看護基本療養費を算定する場合を定めています
- 別表第8に掲げる者は、基準告示 第二の一(2)により、週3日を超えて訪問看護を行う必要がある利用者の対象になります。「医療保険の訪問看護を算定できるか」と、「週3日を超える訪問ができるか」は、別の論点で、別表第8は、後者に関係します
- 令和8年度改定で、別表第8第2号に、在宅難治性皮膚疾患処置指導管理が追加されました。この管理を受けている状態にある者は、別表第8に掲げる者として、基準告示 第二の一(2)の対象に含まれます。厚生労働省の資料も、この利用者を、訪問看護基本療養費等を週4日以上算定できる対象に追加する、と説明しています
- 特別管理加算(医療保険)の対象者を定める基準として使われます
- 基準告示では、別表第8に掲げる者は、週3日を超える訪問のほか、長時間訪問看護加算、複数名訪問看護加算、退院支援指導加算などの対象者を定める規定にも使われています。加算ごとの要件は、それぞれの加算で確認してください
- 介護保険の特別管理加算の対象状態は、介護保険の告示で別に定められており、この記事では扱いません

別表第7・8以外の関連する別表(告示内で確認できたもの)
同じ告示の中に、名称が似た別表がいくつかあるので、混同しないよう整理します。
- 別表第8の2:在宅時医学総合管理料等に規定する状態(末期の悪性腫瘍、スモン、指定難病、後天性免疫不全症候群、脊髄損傷、真皮を越える褥瘡等)
- 別表第8の3:在宅時医学総合管理料の注10等に規定する状態(要介護3以上等)
- 別表第8の4:在宅時医学総合管理料の注11等に規定する状態(要介護2以上等)
これらは、特掲診療料の施設基準等の中で、在宅時医学総合管理料などの対象者を定める別表です(同告示 第四 一の六)。この記事では、訪問看護に直接関わる別表第7・第8を中心に扱っています。
よくある質問
Q. 別表第7は「難病医療費助成の対象疾患(指定難病)」と同じですか?
A. 違います。指定難病は300以上の疾患がありますが、別表第7は20項目です(一部は複数の病名を含む区分)。「難病受給者証を持っている=別表第7に該当する」とは限りません。
Q. 別表第7と別表第8の両方に該当することはありますか?
A. あります。例えば「人工呼吸器を使用している状態」は別表第7の20番目に該当します。在宅人工呼吸指導管理を受けていれば別表第8第2号、気管カニューレを使用していれば第1号にも該当します。別表第7に該当するため、要介護・要支援認定を受けている場合でも、医療保険の訪問看護を算定できる場合に当たります。特別管理加算の金額の区分(第1号・第2号の両方に該当する場合)は、関連記事の特別管理加算の記事で確認してください。
関連記事
出典
- 特掲診療料の施設基準等(平成20年3月5日厚生労働省告示第63号):別表第7、別表第8、別表第8の2〜4、第四 一の六・四・四の二(令和8年厚生労働省告示第71号による全部改正後。令和8年6月1日適用)
- 訪問看護療養費に係る訪問看護ステーションの基準等(平成18年3月6日厚生労働省告示第103号):第二の一(1)(2)(週3日を超えて訪問看護を行う必要がある利用者の疾病等)、第二の六・七(特別管理加算の対象となる状態等)、第四の一(要介護被保険者等である利用者について指定訪問看護の費用の額を算定できる場合)
- 参考:訪問看護療養費に係る訪問看護ステーションの基準等(令和2年告示第63号による改正後全文):第二の一(1)(2)、第四の一の構成を確認した、改正後全文(令和2年の版。現行の条項番号は、令和8年改正後の告示で確認してください)
- 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(平成20年3月5日厚生労働省告示第67号):別表 区分番号01 注1・注3(週3日の限度)、区分番号02 注3(特別管理加算)(令和8年厚生労働省告示第74号による改正後)
- 令和8年度診療報酬改定について【訪問看護ステーション向け】(厚生労働省保険局医療課、令和8年3月10日版):「難治性皮膚疾患を持つ利用者への訪問看護に係る評価の見直し」(別表第8第2号への追加と、週4日以上の算定対象への追加の説明)
最終確認日:2026年10月29日 ※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。