高齢者虐待防止未実施減算とは|訪問看護ステーションが講じるべき措置

高齢者虐待防止措置未実施減算、4つの措置のうち1つでも欠けると減算とご存知でしたか?
高齢者虐待防止措置未実施減算は、虐待防止のための体制整備がされていない場合に適用される減算です。
この記事では、訪問看護ステーションが講じるべき措置と、減算の内容を整理します。

訪問看護ステーションが講じるべき4つの措置

香川県の公式資料に引用されている基準原文には、次のように定められています。

指定居宅サービス事業者は、虐待の発生又はその再発を防止するため、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

① 虐待の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等の活用可能)を定期的に開催するとともに、その結果について、従業者に周知徹底を図ること
② 虐待の防止のための指針を整備すること
③ 従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的(年1回以上)に実施すること
④ 高齢者虐待防止措置を適正に実施するための担当者を置くこと

この規定は、令和3年4月1日に施行され、令和6年3月31日をもって経過措置期間が終了し、完全義務化されています。

減算の内容

社会保障審議会介護給付費分科会(第239回)資料1「令和6年度介護報酬改定の主な事項について」(令和6年1月22日)には、次のように示されています。

虐待の発生又はその再発を防止するための措置(虐待の発生又はその再発を防止するための委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者を定めること)が講じられていない場合、高齢者虐待防止措置未実施減算として、所定単位数の100分の1に相当する単位数を減算する。

対象は、居宅療養管理指導・特定福祉用具販売を除く全サービスとされており、訪問看護も対象に含まれます。

①〜④それぞれの内容

①虐待の防止のための対策を検討する委員会

香川県の資料には、委員会で検討すべき事項として、次の内容が示されています。

  • 虐待防止検討委員会その他事業所内の組織に関すること
  • 虐待の防止のための指針の整備に関すること
  • 虐待の防止のための職員研修の内容に関すること
  • 虐待等について、従業者が相談・報告できる体制整備に関すること
  • 従業者が高齢者虐待を把握した場合に、市町村への通報が迅速かつ適切に行われるための方法に関すること
  • 虐待等が発生した場合、その発生原因等の分析から得られる再発の確実な防止策に関すること
  • 前号の再発の防止策を講じた際に、その効果についての評価に関すること

委員会は、テレビ電話装置等を活用して開催することも認められています。

②虐待の防止のための指針

指針に含めるべき項目として、事業所における虐待防止の基本的考え方、委員会その他組織に関する事項、職員研修の基本方針、虐待発生時の対応方針、相談・報告体制、利用者等への指針の閲覧に関する事項等が示されています。

③虐待の防止のための研修

年1回以上、定期的に実施する必要があります。

④担当者の配置

上記①〜③の措置を適切に実施するための担当者を置く必要があります。役職名での明記でよいとされています。

医療保険の訪問看護と介護保険の関係

疑義解釈には、次のように示されています。

介護保険における運営に関する基準により虐待の防止に関する措置を講じている場合には、新たに当該措置を講じる必要はないが、小児や精神疾患を有する者への訪問看護を行う事業所にあっては、これらの利用者に対応できるよう、虐待等に対する相談体制や市町村等の通報窓口の周知などの必要な措置がとられていることが望ましい。

つまり、介護保険の訪問看護費でこれらの措置を講じていれば、医療保険側で改めて同じ措置を講じる必要はありません。ただし、小児や精神疾患を有する利用者への対応については、別途配慮が望ましいとされています。

確認しておきたいポイント

  • 虐待防止委員会を定期的に開催し、議事録を残しているか
  • 虐待防止のための指針を整備しているか
  • 研修を年1回以上実施し、実施記録(日時・参加者・内容)を保管しているか
  • 措置を実施するための担当者を置いているか(役職名での明記可)
  • 運営指導等で確認できるよう、委員会・研修の記録を必ず保管しているか

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出典

  • 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(訪問看護の項)虐待の防止に関する規定(香川県公式資料による引用)
  • 社会保障審議会介護給付費分科会(第239回)資料1「令和6年度介護報酬改定の主な事項について」(令和6年1月22日、減算率・対象サービスの確認)
  • 疑義解釈資料(医療保険と介護保険の虐待防止措置の関係、しろぼんねっと掲載の引用による)

最終確認日:2026年9月28日 ※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。

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