運営規程を変更したとき、10日以内に届出が必要とご存知でしたか?
運営規程は、訪問看護ステーションの運営についての重要事項を定めたもので、必ず記載しなければならない項目が決まっています。
この記事では、運営規程に必要な記載項目と、変更時の届出ルールを整理します。
※医療保険(健康保険法)と介護保険では、変更届の根拠法令と届出先が異なります。この記事では、それぞれ根拠を分けて説明します(運営規程の記載項目は、医療保険の省令を引用しています)。

運営規程に必要な記載項目(全8項目)
厚生労働省令「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」第21条には、次のように定められています。
指定訪問看護事業者は、指定訪問看護ステーションごとに、次に掲げる事業の運営についての重要事項に関する規程(以下「運営規程」という。)を定めておかなければならない。
一 事業の目的及び運営の方針
二 従業者の職種、員数及び職務の内容
三 営業日及び営業時間
四 指定訪問看護の内容及び利用料その他の費用の額
五 通常の事業の実施地域
六 緊急時等における対応方法
七 虐待の防止のための措置に関する事項
八 その他運営に関する重要事項
つまり、運営規程には、この8項目を必ず記載する必要があります。これは医療保険(健康保険法)の指定訪問看護の基準です。介護保険の指定基準にも運営規程の定めがありますが、この記事では、医療保険の省令を引用しています。
「虐待の防止のための措置に関する事項」は経過措置が終了
7号の「虐待の防止のための措置に関する事項」は、令和6年の省令改正で追加された項目です。附則(令和6年厚生労働省令第35号)第五条には、次のような経過措置が定められていました。
この省令の施行の日から令和8年5月31日までの間、新訪看基準第21条の規定の適用については、同条中「、次に」とあるのは「、虐待の防止のための措置に関する事項に関する規程を定めておくよう努めるとともに、次に」と、「重要事項」とあるのは「重要事項(虐待の防止のための措置に関する事項を除く。)」とする。
この経過措置は、令和8年5月31日で終了しました。令和8年6月1日以降は、虐待の防止のための措置に関する事項は、他の項目と同じく、運営規程の必須記載事項です。
運営規程を変更したときの届出ルール
運営規程を変更したときの届出は、介護保険と医療保険で、根拠法令・届出先・様式が異なります。期限は、どちらも、変更から10日以内です。
| 項目 | 介護保険の指定訪問看護 | 医療保険の指定訪問看護 |
|---|---|---|
| 根拠 | 介護保険法第75条(同法施行規則第131条第1項) | 健康保険法施行規則第77条、指定等の取扱いに関する通知 |
| 届出先 | 指定権者(都道府県・指定都市・中核市) | 地方厚生(支)局長 |
| 期限 | 変更から10日以内 | 変更から10日以内 |
| 様式 | 各指定権者所定の変更届出書 | 訪問看護事業変更届 |

介護保険の指定訪問看護
介護保険法第75条には、指定を受けた事項(事業所の名称及び所在地その他厚生労働省令で定める事項)に変更があったときは、10日以内に届け出ることが定められており、運営規程は、変更の届出が必要な事項に、含まれています(同法施行規則第131条第1項)。
- 届出先は、指定を受けた都道府県・指定都市・中核市等(指定権者)です
- 様式は、各指定権者が定める「変更届出書」です(「訪問看護事業変更届」は、医療保険の様式の名称です)
- 運営規程を変更した場合は、変更後の運営規程を添付します
医療保険の指定訪問看護
医療保険の指定訪問看護事業者の変更の届出は、健康保険法施行規則第77条に基づくものです。「指定訪問看護の事業を行う事業所に係る健康保険法第88条第1項の規定に基づく指定等の取扱いについて」(令和2年3月5日保発0305第5号。令和6年3月5日保発0305第14号も同じ内容)の「変更の届出について」には、次のように定められています。
施行規則第77条の規定により、指定訪問看護事業者が指定訪問看護の事業に関する変更について10日以内に地方厚生(支)局長に届出をしなければならない事項は次のとおりであること。
① 指定訪問看護事業者の名称及び主たる事業所の所在地並びにその代表者の氏名及び住所
② 指定訪問看護事業者の定款、寄附行為又は条例等
③ 指定訪問看護事業者が現に他の指定訪問看護ステーション、病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院の開設者である場合における当該施設等の概要
④ 当該指定訪問看護ステーションの管理者の氏名、経歴(免許証の写しを添付すること。)及び住所
⑤ 運営規程
- 医療保険でも、運営規程の変更は、10日以内に、地方厚生(支)局長への届出が必要な事項です
- 届出の様式は、「訪問看護事業変更届」です。運営規程の変更の場合は、変更後の運営規程を添付します(近畿厚生局の資料(令和3年度))
- 近畿厚生局の資料(令和3年度)には、健康保険法と介護保険法の両方の指定を受けている場合は、厚生局と都道府県等の両方に、それぞれ届出が必要と記載されています。現行の取扱いは、所管の地方厚生(支)局に確認してください
- 令和8年6月1日からは、省令第5条の2により、指定訪問看護事業者は、地方厚生局長又は地方厚生支局長に対する申請、届出等に係る手続を、適正に行わなければならないとされています
届出が必要な変更と、事業所内で管理する変更
- 管理者の変更(交替、氏名・住所の変更):医療保険の通知(④)に、届出が必要な事項として、挙げられています。介護保険でも、事業所の管理者の氏名・住所は、変更の届出事項です
- 運営規程の変更:上の⑤のとおりです
- 従業者の採用・退職そのものは、医療保険の通知に掲げられた上の5項目には含まれていません。運営規程の「従業者の職種、員数及び職務の内容」の記載を変更する場合に、運営規程の変更届の対象になります
実務でよく変更届が必要になるケース
- 管理者の変更(交替、氏名・住所の変更)
- 営業日・営業時間の変更(運営規程の変更)
- 通常の事業の実施地域の拡大・縮小(運営規程の変更)
- 利用料(基本利用料以外の交通費等)の変更(運営規程の変更)
- 看護職員の増員・退職により、運営規程の「従業者の職種、員数及び職務の内容」の記載を変更する場合
従業者数の変更については、運営規程に記載した員数や、その記載方法によって、変更届の要否が異なる場合があります。採用・退職のたびに一律に届出が必要とは限らないため、所管の地方厚生(支)局や指定権者の案内を確認してください。
確認しておきたいポイント
- 運営規程に、8項目(令和8年6月1日以降は、虐待の防止のための措置に関する事項を含む)が、すべて記載されているか
- 変更があった場合、変更日から10日以内に届出できる体制になっているか
- 変更届には、変更後の運営規程を添付する必要があることを確認する
- 管理者の変更は、運営規程の変更とは別に、変更届の対象であることを確認する
- 従業者数の変更について、運営規程の員数の記載や記載方法に照らして、届出が必要かどうかを、所管の地方厚生(支)局や指定権者の案内で確認する
- 医療保険と介護保険の両方の指定を受けている場合は、届出先(厚生局・都道府県等)を、それぞれ確認する
よくある質問
Q. 運営規程の変更届を出し忘れた場合、どうなりますか?
A. 届出が遅れた場合の具体的な取扱いは、今回確認した資料では確認できていません。届出が必要な変更があった場合は、所管の地方厚生(支)局または指定権者に対応方法を確認してください。
Q. 虐待の防止のための措置に関する事項は、いつまでに運営規程に追加すればよいですか?
A. 令和8年6月1日以降は、必須記載事項です。令和8年5月31日までの経過措置は、終了しています。
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出典
- 指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準(平成12年3月31日厚生省令第80号):第21条、第5条の2、附則(令和6年厚生労働省令第35号)第五条(令和8年厚生労働省令第21号による改正を反映した法令等データベースの本文)
- 指定訪問看護の事業を行う事業所に係る健康保険法第88条第1項の規定に基づく指定等の取扱いについて(令和2年3月5日保発0305第5号):「変更の届出について」、参考様式1(訪問看護事業変更届)。令和6年3月5日保発0305第14号(東海北陸厚生局が、関係通知として掲載)も、同じ内容です。令和8年の改正通知は、今回確認した範囲では見当たりませんでした
- 近畿厚生局「訪問看護療養費の取扱いの理解のために」(令和3年度):各種届出(健康保険法第93条、同法施行規則第77条)、訪問看護事業変更届
最終確認日:2026年10月28日 ※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。