訪問看護情報提供療養費とは|算定要件と書き方

訪問看護情報提供療養費、1・2・3の違いを正確に説明できますか?
訪問看護情報提供療養費は、訪問看護ステーションが他機関に情報提供を行った場合に算定できる療養費で、1〜3の3種類に分かれています。3種類は、対象者、情報提供先、算定要件、使用する様式が、それぞれ異なり、同じ条件で算定できるわけではありません。
この記事では、それぞれの算定要件と、情報提供先の違い、使用する指定様式を整理します。

訪問看護情報提供療養費とは

訪問看護ステーションが、利用者の同意を得て、指定訪問看護の状況を示す文書を添えて、市町村・学校・医療機関等に必要な情報を提供した場合に算定できる療養費です。厚生労働省告示「訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法」区分03に、1〜3の3種類が定められています。金額はいずれも1,500円です(令和8年告示第74号による改正後の原文で確認)。

算定の取扱いは、算定通知(令和8年3月5日保発0305第19号)の第6に定められており、情報提供に使う文書の様式も、通知に別紙様式1〜4として示されています。

訪問看護情報提供療養費1:市町村・相談支援事業者への情報提供

区分03注1には、次のように定められています。

1については、別に厚生労働大臣が定める疾病等の利用者について、訪問看護ステーションが、当該利用者の同意を得て、当該利用者の居住地を管轄する市町村(特別区を含む。)若しくは都道府県(以下「市町村等」という。)又は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第51条の17第1項第1号に規定する指定特定相談支援事業者若しくは児童福祉法第24条の26第1項第1号に規定する指定障害児相談支援事業者(以下「指定特定相談支援事業者等」という。)に対して、当該市町村等又は当該指定特定相談支援事業者等からの求めに応じて、指定訪問看護の状況を示す文書を添えて、当該利用者に係る保健福祉サービスに必要な情報を提供した場合に、利用者1人につき月1回に限り算定する。ただし、他の訪問看護ステーションにおいて、当該市町村等又は当該指定特定相談支援事業者等に対して情報を提供することにより訪問看護情報提供療養費1を算定している場合は、算定しない。

整理すると、次のとおりです。

  • 対象:「別に厚生労働大臣が定める疾病等の利用者」。基準告示 第二の十に、次の4つが定められています
    • 特掲診療料の施設基準等別表第七に掲げる疾病等の者
    • 同 別表第八に掲げる者
    • 精神障害を有する者又はその家族等
    • 十八歳未満の児童
  • 情報提供先:利用者の居住地を管轄する市町村・都道府県、指定特定相談支援事業者、指定障害児相談支援事業者
  • 算定条件:市町村等・相談支援事業者「からの求め」に応じて、利用者の同意を得て、情報提供した場合
  • 算定回数:利用者1人につき月1回
  • 様式と期限:指定訪問看護を行った日から2週間以内に、別紙様式1又は2の文書により、情報を提供した場合に算定します(算定通知 第6の1(2))

算定通知(第6の1)には、次の内容もあります。

  • 提供する情報は、利用者に係る健康教育、健康相談、機能訓練、訪問指導等の保健サービスや、ホームヘルプサービス等の福祉サービスを、有効に提供するために必要な情報です
  • 情報提供の依頼者及び依頼日は、訪問看護記録書に記載し、提供した文書の写しは、記録書に添付します
  • 市町村等が指定訪問看護事業者である場合は、その市町村等に居住する利用者に係る療養費1は算定できません。また、ステーションと特別の関係にある指定特定相談支援事業者等へ情報提供を行った場合も、算定できません
  • 1人の利用者に対し、1つのステーションのみが算定できます。そのため、情報提供の前に、他のステーションが提供していないかを、利用者に確認します

訪問看護情報提供療養費2:学校・保育所への情報提供

区分03注2には、次のように定められています。

2については、別に厚生労働大臣が定める疾病等の利用者のうち、児童福祉法第39条第1項に規定する保育所又は学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校(大学を除く。)等(以下「学校等」という。)へ通園又は通学する利用者について、訪問看護ステーションが、当該利用者の同意を得て、当該学校等からの求めに応じて、指定訪問看護の状況を示す文書を添えて必要な情報を提供した場合に、利用者1人につき各年度1回に限り算定する。また、入園若しくは入学又は転園若しくは転学等により当該学校等に初めて在籍することとなる月については、当該学校等につき月1回に限り、当該利用者に対する医療的ケアの実施方法等を変更した月については、当該月に1回に限り、別に算定できる。ただし、他の訪問看護ステーションにおいて、当該学校等に対して情報を提供することにより訪問看護情報提供療養費2を算定している場合は、算定しない。

算定回数と同一月の上限

告示の定めは、次の3つの算定機会です。

  1. 通常の情報提供:利用者1人につき各年度1回まで
  2. 入園・入学・転園・転学等で初めて在籍する月:その学校等につき月1回まで(別に算定できる)
  3. 医療的ケアの実施方法等を変更した月:その月に1回まで(別に算定できる)

算定機会が複数あることと、同一月の算定上限は、別の定めです。算定通知 第6の2(2)は、「同一月に複数の情報提供を行った場合であっても、利用者1人につき月1回に限り算定する」としています。つまり、上の条件のうち2つ以上を、同じ月に満たす場合でも、同じ月に算定できるのは、利用者1人につき1回です(同じ月に複数回算定できるわけではありません)。

対象者

注2の「別に厚生労働大臣が定める疾病等の利用者」は、基準告示 第二の十一(令和8年厚生労働省告示第75号による改正後。法令等データベースの現行の本文で確認)に、次の3つが定められています。

  • (1)十八歳未満の超重症児又は準超重症児
  • (2)十八歳未満の児童であって、特掲診療料の施設基準等別表第七に掲げる疾病等の者
  • (3)十八歳未満の児童であって、特掲診療料の施設基準等別表第八に掲げる者

3つとも、十八歳未満の定めです。小児の保険適用と、学校等との連携の詳しい説明は、関連記事の小児(18歳未満)の訪問看護の保険適用をご覧ください。

情報提供の要件と、実務での確認方法
要件(算定通知 第6の2)実務での確認の例(通知に定められた方法ではありません)
利用者及びその家族等の同意(2)同意を得た日と相手を、訪問看護記録書に記載する
学校等からの求めに応じた情報提供(2)求めの日付と依頼者を確認し、記録する(通知は、依頼者及び依頼日の記載を求めています)
指定訪問看護を行った日から2週間以内(2)提供日と、直近の訪問日を照合する
別紙様式3の文書による提供(2)指定の様式を使用しているか確認する
文書提供前6月間の定期的な訪問(4)提供日から遡って6か月間の訪問実績を、記録書・明細書で確認する
学校等の看護職員と連携するための情報(3)学校等で医療的ケアを実施する看護職員が、活用できる内容になっているか確認する
算定できない場合と記録

算定通知 第6の2には、次の内容もあります。

  • 情報を提供するステーションの開設主体が、利用者が在籍する学校等の開設主体と同じ場合は、療養費2は算定できません(6)
  • 1人の利用者に対し、1つのステーションのみが算定できます。学校等へ情報提供を行う前に、他のステーションが提供していないか、利用者に確認します(7)
  • 情報提供の依頼者及び依頼日は、訪問看護記録書に記載し、提供した文書の写しは、記録書に添付します(5)
  • 明細書には、前回の算定年月日と、入園・入学・転園・転学等による算定の場合はその旨、医療的ケアの変更による算定の場合はその旨を記載します(8)

訪問看護情報提供療養費3:入院・入所先の医療機関への情報提供

区分03注3には、次のように定められています。

3については、保険医療機関、介護老人保健施設又は介護医療院(以下この注において「保険医療機関等」という。)に入院し、又は入所する利用者について、当該利用者の診療を行っている保険医療機関が入院し、又は入所する保険医療機関等に対して診療状況を示す文書を添えて紹介を行うに当たって、訪問看護ステーションが、当該利用者の同意を得て、当該保険医療機関に指定訪問看護に係る情報を提供した場合に、利用者1人につき月1回に限り算定する。ただし、他の訪問看護ステーションにおいて、当該保険医療機関に対して情報を提供することにより訪問看護情報提供療養費3を算定している場合は、算定しない。

整理すると、次のとおりです。

  • 対象:保険医療機関・介護老人保健施設・介護医療院に入院・入所し、在宅から療養の場所を変更する利用者(算定通知 第6の3(2))
  • 算定条件:利用者の診療を行っている保険医療機関が、入院・入所先へ紹介を行うにあたり、訪問看護ステーションが、利用者の同意を得て、指定訪問看護に係る情報を提供した場合
  • 算定の対象となる情報提供先:主治医(診療を行っている保険医療機関の医師)です。指定訪問看護に係る情報を、別紙様式4の文書により、主治医に提供した場合に算定します(算定通知 第6の3(2))
  • 入院・入所先との関係:あわせて、この文書の写しを、求めに応じて、入院又は入所先の保険医療機関等と共有します(同(2))。算定の対象となる提供先は主治医で、入院・入所先との写しの共有は、別の取扱いとして、通知に定められています
  • 算定回数:利用者1人につき月1回
  • 実務上の注意(算定通知 第6の3):入院又は入所時に、保険医療機関等が情報を活用できるよう、速やかに情報提供を行い、主治医に対して提供した文書の写しは、訪問看護記録書に添付します(同(3))。入院・入所先が、ステーションと特別の関係にある場合と、主治医の所属する保険医療機関と同一の場合は、算定できません(同(4))。1人の利用者に対し、1つのステーションのみが算定できます(同(5))

1・2・3の違い(まとめ)

情報提供先算定条件算定回数様式
1市町村・都道府県・相談支援事業者相手方からの求めに応じて月1回別紙様式1又は2
2保育所・学校等相手方からの求めに応じて各年度1回(ほかに、初めて在籍する月、医療的ケアの変更月。ただし、同一月は月1回まで)別紙様式3
3主治医(診療を行っている保険医療機関)(文書の写しは、求めに応じて、入院・入所先と共有)紹介を行うにあたって月1回別紙様式4

いずれも金額は1,500円です。他の訪問看護ステーションが、同じ相手方に対して、すでに算定している場合は、算定できません(告示のただし書)。また、算定通知は、1人の利用者に対し、1つのステーションのみが算定できる、としています。

「書き方」(指定様式)について

情報提供に使う文書は、算定通知(第6)に、様式が定められています。任意の様式で、まとめればよい、というものではありません。

区分使用する様式
情報提供療養費1別紙様式1又は2
情報提供療養費2別紙様式3
情報提供療養費3別紙様式4

通知に添付された様式の、主な記載項目は、次のとおりです。

様式名称主な記載項目
別紙様式1訪問看護の情報提供書要介護認定の状況、病状・障害等の状態、日常生活活動(ADL)の状況、看護の内容、必要と考えられる保健福祉サービス、家族等及び主な介護者に係る情報、その他特記すべき事項、1月当たりの訪問日数
別紙様式2訪問看護の情報提供書日常生活等の状況(食生活・清潔・排泄・睡眠・生活リズム等、服薬等の状況、作業(仕事)・対人関係等)、看護の内容、必要と考えられる保健福祉サービス、家族等及び主な介護者に係る情報、その他特記すべき事項、1月当たりの訪問日数
別紙様式3訪問看護の情報提供書日常生活等の状況(食生活・清潔・排泄・睡眠・生活リズム等、服薬等の状況、家族等)、傷病の経過、看護の内容、医療的ケア等の実施方法及び留意事項、その他特記すべき事項、1月当たりの訪問日数
別紙様式4訪問看護の情報(療養に係る情報)提供書既往歴、要介護認定等、日常生活等の状況、看護に関する情報(看護上の問題等、看護の内容、ケア時の具体的な方法や留意点、継続すべき看護等)、その他(利用しているサービス等)

別紙様式1と2の使い分けの基準は、確認できた範囲では、通知に記載がありませんでした。様式の最新版は、通知に添付された原本で、ご確認ください。

「訪問看護医療情報連携加算」との違い

名前が似ている制度に「訪問看護医療情報連携加算」がありますが、情報の流れの向きが逆の、まったく別の制度です。

  • 訪問看護情報提供療養費(この記事):訪問看護ステーションが、市町村・学校・転院先医療機関等へ、訪問看護の状況を提供・紹介する場合の評価
  • 訪問看護医療情報連携加算:訪問看護ステーションが、他の医療関係職種がICTで記録した診療情報等を取得・活用する場合の評価

混同しやすいので、算定の際は、どちらの制度に該当するかを確認してください。

確認しておきたいポイント

  • 利用者が、どの療養費(1・2・3)の対象になるか(疾病等の区分、通園・通学の有無、入院・入所の有無)を確認する
  • 情報提供が「相手方からの求め」または「紹介を行うにあたって」という条件を満たしているかを確認する
  • 他の訪問看護ステーションが、同じ相手方に対して、すでに算定していないか確認する
  • 療養費2は、算定機会が3つあっても、同一月は月1回までであることを踏まえて、算定回数を管理する
  • 提供する文書は、通知に定められた別紙様式(1〜4)を使用する
訪問看護情報提供療養費2の実務チェックリスト
  • □ 対象者の要件を満たしているか(基準告示 第二の十一の3区分)
  • □ 利用者及びその家族等の同意を確認したか
  • □ 学校等から情報提供の求めがあったか
  • □ 学校等の看護職員と連携するための情報か
  • □ 同一月の算定回数を確認したか(同一月は月1回まで)
  • □ 指定訪問看護を行った日から2週間以内か
  • □ 別紙様式3を使用しているか
  • □ 文書提供前6月間の定期的な訪問を確認したか
  • □ 開設主体が、学校等の開設主体と同じでないか
  • □ 他の訪問看護ステーションとの重複算定がないか
  • □ 訪問看護記録書に、依頼者及び依頼日を記載したか
  • □ 提供した文書の写しを、記録書に添付したか
  • □ 明細書に、前回の算定年月日等を記載したか

よくある質問

Q. 訪問看護情報提供療養費1・2・3は、同じ月に複数算定できますか?
A. 1・2・3は、対象者、情報提供先、算定条件、様式が、それぞれ別に定められています。同じ月に、それぞれを算定できるかどうかについて、算定通知(第6)に、併算定の可否を直接定める記載は、確認できていません。個別の取扱いは、要確認です。

Q. 情報提供文書の様式は決まっていますか?
A. 決まっています。算定通知(第6)に、療養費1は別紙様式1又は2、療養費2は別紙様式3、療養費3は別紙様式4と、定められています。

Q. 療養費2で、通常の情報提供と、入学した月の情報提供が、同じ月になった場合、2回算定できますか?
A. できません。算定通知 第6の2(2)は、同一月に複数の情報提供を行った場合でも、利用者1人につき月1回に限り算定する、としています。

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出典

最終確認日:2026年11月2日 ※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。

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