退院時共同指導加算は、いくらで、何回まで算定できるのでしょうか?
金額は、医療保険が8,000円、介護保険が600単位です。算定回数は、通常は1回で、対象者によっては2回までです。算定するのは、共同指導を行った日ではなく、退院・退所後の最初の指定訪問看護を行ったときです。
この記事では、医療保険と介護保険の違い、2回算定できる対象者、算定のタイミング、算定できないケース、記録の留意点を、厚生労働省の告示・通知に沿って整理します。
※医療保険と介護保険の両方を扱います。2回算定できる対象者の基準は、制度ごとに異なります。

結論:金額と算定回数
| 医療保険 | 介護保険 | |
|---|---|---|
| 金額 | 8,000円(1回) | 600単位(1回) |
| 通常の回数 | 1回 | 1回 |
| 2回まで算定できる対象者 | 特掲診療料の施設基準等 別表第7又は別表第8に掲げる疾病等の利用者 | 特別な管理を必要とする利用者 |
| 特別な加算 | 特別管理指導加算(+2,000円) | なし |
医療保険の2回まで算定できる対象者(別表第7・第8)と、介護保険の対象者(特別な管理を必要とする利用者)は、同じ基準ではありません。 それぞれ別々に確認してください。また、特別管理指導加算の対象条件と、2回算定できる条件は、重なる部分がありますが、同一の条件ではありません。 混同しないよう、それぞれ個別に確認してください。
まず、利用者が医療保険・介護保険のどちらで訪問看護を利用しているかを確認しましょう。2回算定できる対象者の条件と、初回訪問時の算定ルールは制度ごとに異なります。
退院時共同指導加算とは
指定訪問看護を受けようとする者で、保険医療機関又は介護老人保健施設若しくは介護医療院に入院中又は入所中の者が、退院又は退所するときに、訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く)が、その保険医療機関・介護老人保健施設・介護医療院の主治医又は職員と共同して、本人又はその看護に当たっている者に対し、在宅での療養上必要な指導を行い、その内容を文書により提供した場合に算定する加算です。
算定するのは、退院・退所後の最初の指定訪問看護が行われたときです。共同指導を行った日そのものではありません。
医療保険の算定要件
| 対象 | 算定できる回数 |
|---|---|
| 通常の利用者 | 退院・退所につき1回 |
| 特掲診療料の施設基準等 別表第7又は別表第8に掲げる疾病等の利用者 | 退院・退所につき2回まで(複数日に指導を行った場合) |
金額は、1回8,000円です。
特別管理指導加算:対象者が、特別管理加算の対象となる状態等にある場合は、特別管理指導加算として、さらに2,000円を加算します。この条件は、上の「2回まで算定できる対象者」とは別に確認してください。
他のステーションが算定している場合:退院時共同指導加算は、他の訪問看護ステーションでこの加算を算定している場合(別表第7・第8の疾病等の利用者で、すでに2回算定している場合を含む)は、算定できません。ただし、2回算定できる利用者に、2か所の事業所(訪問看護ステーション、保険医療機関等)が別日に共同指導を行った場合は、それぞれの事業所で1回ずつ算定できるとされています(業界資料による確認。医療保険側の告示原文は、今回到達できていません)。
介護保険の算定要件
介護保険にも、訪問看護退院時共同指導加算があります。厚生労働省告示「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年厚生省告示第19号、令和8年6月1日施行版)の訪問看護費のホに、次のとおり定められています。
ホ 退院時共同指導加算 600単位
注 病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院に入院中又は入所中の者が退院又は退所するに当たり、指定訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く。)が、退院時共同指導(当該者又はその看護に当たっている者に対して、病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院の主治の医師その他の従業者と共同し、在宅での療養上必要な指導を行い、その内容を提供することをいう。)を行った後に、当該者の退院又は退所後に当該者に対する初回の指定訪問看護を行った場合に、退院時共同指導加算として、当該退院又は退所につき1回(特別な管理を必要とする利用者については、2回)に限り、所定単位数を加算する。ただし、ニの初回加算を算定する場合は、退院時共同指導加算は算定しない。
整理すると、次のとおりです。
| 対象 | 算定できる回数 |
|---|---|
| 通常の利用者 | 退院・退所につき1回 |
| 特別な管理を必要とする利用者 | 2回まで |
- 2回算定できる利用者に、複数の事業所(訪問看護ステーション、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、看護小規模多機能型居宅介護)が関わった場合は、1回ずつの算定も可能です(業界資料による確認)
- 同月に、定期巡回・随時対応型訪問介護看護・看護小規模多機能型居宅介護・医療保険の訪問看護で、同じ退院時共同指導加算を重複して算定することはできません(業界資料による確認)
- 初回加算を算定する場合は、退院時共同指導加算は算定しません。 この2つは、同じ初回訪問において、どちらか一方のみを算定することになります(告示原文で確認済み)。

算定できないケース・併算定の注意点
医療保険
- 他の訪問看護ステーションで、すでにこの加算を算定している場合(別表第7・第8の利用者で、すでに2回算定している場合を含む)
介護保険
- 同月に、定期巡回・随時対応型訪問介護看護・看護小規模多機能型居宅介護・医療保険の訪問看護で、同じ退院時共同指導加算を算定している場合(複数事業所が1回ずつ算定するケースを除く)
- 初回加算を算定する場合(退院時共同指導加算は算定できません。どちらか一方を選ぶ必要があります。告示原文で確認済み)

算定タイミングと記録
- 算定日:共同指導を行った日ではなく、退院・退所後、最初の指定訪問看護が行われた日に算定します
- 実施者:訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く)
- 共同指導:病院・介護老人保健施設・介護医療院の主治医又は職員と共同して行うこと
- 指導の相手:本人、またはその看護に当たっている家族等
- 文書での提供:指導した内容を、文書で提供すること
- 記録:共同指導の日時・参加者・内容を、訪問看護記録書等に記録しておくこと(実務上の推奨)
実務チェックリスト
- 退院・退所前に、病院・介護老人保健施設・介護医療院の主治医又は職員と、共同での指導ができているか
- 看護師等(准看護師を除く)が担当しているか
- 指導内容を、文書で提供しているか
- 退院・退所後、最初の指定訪問看護のタイミングで算定しているか
- (医療保険)別表第7・第8の疾病等の利用者で、2回目の算定漏れ、または算定しすぎがないか
- (医療保険)特別管理指導加算の対象条件を、2回算定の条件と混同していないか
- (介護保険)特別な管理を必要とする利用者で、2回目の算定漏れがないか。複数事業所が関わる場合、1回ずつの算定になっているか
- (介護保険)同月に、他のサービス・医療保険で、同じ加算が重複算定されていないか
- (介護保険)初回加算と退院時共同指導加算の、どちらを算定するかを正しく選べているか
- 他の訪問看護ステーションで、すでに算定されていないか
よくある質問
Q. 退院時共同指導加算は、何回まで算定できますか?
A. 医療保険では、通常の利用者は1回、特掲診療料の施設基準等 別表第7又は別表第8に掲げる疾病等の利用者は2回まで算定できます。介護保険では、通常の利用者は1回、特別な管理を必要とする利用者は2回まで算定できます。
Q. 医療保険の「2回まで」と、介護保険の「2回まで」は、同じ対象者ですか?
A. いいえ。医療保険は「別表第7又は別表第8に掲げる疾病等の利用者」、介護保険は「特別な管理を必要とする利用者」が基準で、条件が異なります。
Q. いつ算定しますか?
A. 共同指導を行った日ではなく、退院・退所後、最初の指定訪問看護が行われたときに算定します。
Q. 准看護師が共同指導を行った場合は、算定できますか?
A. できません。要件は「看護師等(准看護師を除く)」です。
Q. 特別管理加算の対象者の場合、金額は変わりますか?(医療保険)
A. 医療保険では、特別管理加算の対象となる状態等にある場合は、退院時共同指導加算(8,000円)に加えて、特別管理指導加算として2,000円が加算されます。この条件は、2回算定できる条件とは別に確認します。
Q. 複数の事業所が関わった場合は、どうなりますか?
A. 2回算定できる利用者に、複数の事業所が別日に共同指導を行った場合は、それぞれの事業所で1回ずつ算定できるとされています。
Q. 介護保険で、初回加算と退院時共同指導加算は、同じ初回訪問で算定できますか?
A. できません。告示に「初回加算を算定する場合は、退院時共同指導加算は算定しない」と明記されています。どちらか一方を選ぶ必要があります。
Q. 介護保険にも、同じ加算がありますか?
A. あります。訪問看護退院時共同指導加算として、600単位(1回につき)です。通常は1回、特別な管理を必要とする利用者は2回まで算定できます。
まとめ
- 退院時共同指導加算は、退院・退所する利用者に、訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く)が、病院等の主治医又は職員と共同で在宅療養の指導を行い、文書で提供した場合に算定する
- 医療保険は8,000円(通常1回、別表第7・第8の利用者は2回まで)。特別管理加算対象者は、さらに特別管理指導加算2,000円
- 介護保険は600単位(通常1回、特別な管理を必要とする利用者は2回まで)。複数事業所が関わる場合は1回ずつの算定も可能
- 医療保険(別表第7・第8)と介護保険(特別な管理を必要とする利用者)で、2回まで算定できる対象者の基準が異なる
- 介護保険では、初回加算を算定する場合、退院時共同指導加算は算定できない(告示原文で確認済み)
- 算定するのは、共同指導を行った日ではなく、退院・退所後最初の指定訪問看護を行った日
最新の算定ルールは、必ず厚生労働省の資料や通知で確認してください。
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出典:訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(令和8年厚生労働省告示第74号)/介護給付費単位数等サービスコード表(令和8年6月・8月施行版)/指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号、令和8年6月1日施行版)訪問看護費のホ(退院時共同指導加算、介護保険側の原文)
最終確認日:2026年10月28日 ※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。