ターミナルケア加算の算定要件|死亡日前14日以内の考え方

ターミナルケア加算は、死亡日前14日以内に何回訪問すれば算定できるの?
ターミナルケア加算・療養費は、終末期にある利用者に対して必要な看護を行った場合に、所定の要件を満たすことで算定できるものです。
医療保険と介護保険では、算定要件や金額、訪問回数・実施日数の数え方が異なります。
この記事では、厚生労働省の告示・通知に基づき、算定要件、死亡日前14日以内の考え方、算定できないケースを整理します。

この記事で分かること

  • 死亡日及び死亡日前14日以内の計15日間に、一定回数の訪問が必要なこと
  • 医療保険(2回以上算定)と、介護保険(原則2日以上実施、所定の状態に該当する利用者は1日以上)で、数え方の単位が違うこと
  • 金額(医療保険25,000円/10,000円、介護保険2,500単位)と、保険制度をまたぐ場合の考え方

医療保険と介護保険の違い(早見表)

医療保険(訪問看護ターミナルケア療養費)介護保険(訪問看護ターミナルケア加算)
回数の数え方対象の療養費等を2回以上算定原則2日以上ターミナルケアを実施。所定の状態に該当する利用者は1日以上
対象期間死亡日及び死亡日前14日以内(計15日間)死亡日及び死亡日前14日以内(計15日間)
金額25,000円(療養費1)/10,000円(療養費2)2,500単位(死亡月につき)

「2回以上算定」(医療保険)と「原則2日以上実施」(介護保険)は、似た内容ですが、数える対象と制度が異なります。自分の担当する利用者がどちらの保険かを先に確認してください。

訪問看護ターミナルケア療養費とは

主治医との連携のもとに、訪問看護ステーションの看護師等が、在宅での終末期の看護の提供を行った場合を評価するものです。ターミナルケアの実施にあたっては、利用者及びその家族等との話し合いのもと、利用者本人の意思決定を基本に、他の関係者と連携して対応することとされています(厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等を踏まえます)。

死亡日前14日以内の考え方(医療保険)

在宅または特別養護老人ホーム等で死亡した利用者について、死亡日及び死亡日前14日以内の計15日間に、所定の訪問看護を2回以上実施し、ターミナルケアの支援体制(訪問看護ステーションの連絡担当者の氏名、連絡先電話番号、緊急時の注意事項等)を利用者及びその家族等に説明したうえで、ターミナルケアを行った場合に算定します。なお、同じ特別養護老人ホーム等で死亡した利用者でも、看取り介護加算等を算定しているかどうかで、療養費1・2のどちらに該当するかが分かれます(下の表をご参照ください)。

2回以上の算定に数えられるのは、次のいずれかです。

  • 訪問看護基本療養費
  • 精神科訪問看護基本療養費
  • 退院支援指導加算
  • 包括型訪問看護療養費

退院支援指導加算を、2回のうちの1回に数える場合は、退院日にターミナルケアに係る療養上必要な指導を行っていることが条件です。

金額と対象者の区分(医療保険)

区分金額対象
訪問看護ターミナルケア療養費125,000円在宅で死亡した利用者、または特別養護老人ホーム等で死亡した利用者(看取り介護加算等を算定している利用者を除く)
訪問看護ターミナルケア療養費210,000円特別養護老人ホーム等で死亡した利用者のうち、看取り介護加算等を算定している利用者

いずれも、ターミナルケアを行った後、24時間以内に、それぞれの場所以外で死亡した利用者も含みます。

算定できないケース・保険制度をまたぐ場合

同一制度内での重複

  • 他の訪問看護ステーションで、同一の利用者について、すでに訪問看護ターミナルケア療養費を算定している場合(医療保険では、1人の利用者につき1つのステーションに限り算定できることになります)
  • 保険医療機関で、在宅患者訪問看護・指導料の在宅ターミナルケア加算、または同一建物居住者訪問看護・指導料の同一建物居住者ターミナルケア加算を算定している場合

保険制度をまたぐ場合

1つの訪問看護ステーションで、死亡日及び死亡日前14日以内に、医療保険・介護保険それぞれの給付対象となる訪問看護を1日以上実施した場合は、最後に実施した保険制度でターミナルケア加算等を算定します。この場合、他制度の保険によるターミナルケア加算等は算定できません。

ただし、実際の算定可否は、該当する告示・通知等に基づいて確認してください。制度をまたぐ場合の取り扱いと、各制度の通常の算定要件を混同しないことが重要です。

介護保険の算定要件(例外条件を含む)

介護保険にも、訪問看護ターミナルケア加算があります。厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(令和6年厚生労働省告示第86号による改正を含む)に、次のように定められています(複数の資料が同一の条文を引用しており、内容が一致しています)。

その死亡日及び死亡日前14日以内に2日(死亡日及び死亡日前14日以内に当該利用者(末期の悪性腫瘍その他別に厚生労働大臣が定める状態にあるものに限る。)に訪問看護を行っている場合にあっては、1日)以上ターミナルケアを行った場合は、ターミナルケア加算として、当該者の死亡月につき2,500単位を所定単位数に加算する。

整理すると、次のとおりです。

  • 原則:死亡日及び死亡日前14日以内に、2日以上ターミナルケアを実施
  • 例外:末期の悪性腫瘍その他、別に厚生労働大臣が定める状態にある利用者は、1日以上で算定可能
  • 金額:2,500単位(死亡月につき)

「末期の悪性腫瘍その他別に厚生労働大臣が定める状態」の、末期の悪性腫瘍以外の具体的な範囲は、今回の記事では確定できていません。 対象を断定せず、該当するかどうかを判断する際は、告示の該当箇所を個別に確認してください。

医療保険の「2回以上」(訪問看護基本療養費等の算定回数)と、介護保険の「原則2日以上・例外1日以上」は、似た内容ですが、対象となる制度が異なるため、別々に確認してください。

記録の留意事項

訪問看護ターミナルケア療養費を算定した場合は、死亡した場所及び死亡時刻等を、訪問看護記録書に記録することとされています。

補足:遠隔死亡診断補助加算との関係

連携する保険医療機関が、特別地域に居住する利用者に死亡診断加算を算定する場合、主治医の指示のもと、情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修を受けた看護師が死亡診断の補助を行うと、遠隔死亡診断補助加算を算定できます。ターミナルケア加算・療養費とは別の加算です。詳しくは、関連する別記事で解説予定です。

実務チェックリスト

  • 死亡日及び死亡日前14日以内(計15日間)に、医療保険は対象の療養費等を2回以上、介護保険は原則2日以上(所定の状態に該当する利用者は1日以上)、ターミナルケアを行っているか
  • ターミナルケアの支援体制(連絡担当者・連絡先・緊急時の注意事項)について、利用者及びその家族等に説明しているか
  • 死亡した場所(在宅か、特別養護老人ホーム等か)、看取り介護加算等の算定の有無で、療養費1・2のどちらに該当するか(医療保険)
  • 他の訪問看護ステーションや、保険医療機関の在宅ターミナルケア加算等と重複していないか
  • 医療保険・介護保険どちらの訪問も行っていた場合、「最後の訪問」がどちらの保険だったかを確認しているか
  • 死亡した場所及び死亡時刻等を、訪問看護記録書に記録しているか

よくある質問

Q. 「2回以上」と「2日以上」は、同じ意味ですか?
A. 対象期間(15日間)は同じですが、数える制度が違います。医療保険は、対象の療養費等を2回以上算定すること、介護保険は、原則2日以上(所定の状態に該当する利用者は1日以上)ターミナルケアを実施することが要件です。

Q. 介護保険で、1日以上の訪問でも算定できる場合がありますか?
A. 末期の悪性腫瘍その他、別に厚生労働大臣が定める状態にある利用者に訪問看護を行っている場合は、1日以上の実施でも算定できます。対象となる状態の具体的な範囲は、今回確認できていません。

Q. 退院支援指導加算を、2回のうちの1回として数えられますか?
A. できます。ただし、退院日にターミナルケアに係る療養上必要な指導を行っていることが条件です。

Q. 医療保険・介護保険それぞれの訪問を1回ずつ行った場合は?
A. 死亡日及び死亡日前14日以内に、医療保険・介護保険それぞれの給付対象となる訪問看護を1日以上実施していれば、最後に実施した保険制度でターミナルケア加算等を算定します。実際の算定可否は、該当する告示・通知等でご確認ください。

まとめ

  • 医療保険と介護保険では、必要な算定回数・実施日数が異なる(医療保険は2回以上算定、介護保険は原則2日以上実施)
  • 介護保険には、所定の状態に該当する利用者について、1日以上でよい例外がある
  • 保険制度をまたぐ場合は、最後に実施した保険制度でターミナルケア加算等を算定する

最新の算定ルールは、必ず厚生労働省の資料や通知で確認してください。

関連記事:緊急時訪問看護加算Ⅰ・Ⅱの違い|算定要件と体制整備/特別訪問看護指示書とは?14日間の医療保険への切り替えと訪問回数の考え方/制度一覧

出典:厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」(訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法、令和8年厚生労働省告示第74号/算定留意事項通知、令和8年3月5日保発0305第19号)/厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(令和6年厚生労働省告示第86号による改正を含む)/介護給付費単位数等サービスコード表(令和8年6月・8月施行版)

最終確認日:2026年10月19日 ※制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。

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