夜間・早朝・深夜の訪問看護加算は、何時から何時までが対象?
夜間・早朝・深夜の訪問看護加算は、所定の時間帯に訪問看護を行った場合に算定できる加算です。ただし、算定要件は保険制度によって異なります。医療保険では利用者又はその家族等の求めに応じた訪問であること、介護保険では居宅サービス計画又は訪問看護計画上、サービス開始時刻が対象時間帯に位置づけられていることが重要です。
この記事では、厚生労働省の告示・通知に沿って、夜間・早朝・深夜の時間帯の定義、医療保険と介護保険それぞれの金額の考え方、同一建物内の人数との関係を整理します。
※医療保険・介護保険の両方を扱います。

医療保険と介護保険、まず何が違うか
どちらも、夜間・早朝・深夜に訪問看護を行った場合の加算です。時間帯の定義は共通ですが、金額の決まり方と、算定の要件が異なります。
| 医療保険 | 介護保険 | |
|---|---|---|
| 金額の決まり方 | 同一建物内の人数と、月の算定日数で決まる定額 | 所定単位数に対する、決まった割合の加算 |
| 夜間・早朝の加算 | 人数・日数に応じて800円〜2,100円 | 所定単位数の25%加算 |
| 深夜の加算 | 人数・日数に応じて1,300円〜4,200円 | 所定単位数の50%加算 |
| 算定の要件 | 利用者又はその家族等の求めに応じた訪問であること | 居宅サービス計画又は訪問看護計画上、サービス開始時刻が当該時間帯にあること |
医療保険は「同一建物に何人いるか」「月に何日目か」で金額が変わる、やや複雑な仕組みです。介護保険は、所定単位数に対して、夜間・早朝は25%、深夜は50%に相当する単位数を加算します。ただし、算定にはサービス開始時刻や計画上の位置づけなどの要件を満たす必要があります。あわせて、算定の要件も両者で異なります。医療保険は利用者・家族の求めが要件ですが、介護保険は居宅サービス計画又は訪問看護計画上の位置づけが要件です。
時間帯の定義

- 夜間:午後6時から午後10時までの時間
- 早朝:午前6時から午前8時までの時間
- 深夜:午後10時から午前6時までの時間
この時間帯の定義は、医療保険・介護保険で共通です。介護保険の老健局通知(老企第36号)は、訪問看護の夜間・早朝・深夜の取扱いについて「訪問介護と同様」として、訪問介護の規定(夜間・早朝・深夜の時間帯の定義を含む)を準用しています。
夜間又は早朝に指定訪問看護を行った場合は「夜間・早朝訪問看護加算」、深夜に行った場合は「深夜訪問看護加算」として、それぞれ加算します。
算定できる条件
医療保険
近畿厚生局のFAQ資料(No.44・No.46)に、次のとおり明記されています。
夜間又は早朝に、指定訪問看護を行った場合に算定することができます。ただし、利用者又はその家族等の求めに応じて、当該時間に指定訪問看護を行った場合にのみ算定できるものであり、訪問看護ステーションの都合により、当該時間に指定訪問看護を行った場合には算定できません。
つまり、利用者又はその家族等の求めに応じて、その時間に指定訪問看護を行った場合にのみ算定できます。訪問看護ステーションの都合で、その時間に訪問した場合は算定できません。
近畿厚生局「よくある質問(訪問看護療養費の算定について)」PDF(No.44・46)
介護保険
老企第36号(訪問介護の規定を準用)に、次のとおり定められています。
居宅サービス計画上又は訪問看護計画上、訪問看護のサービス開始時刻が加算の対象となる時間帯にある場合に、当該加算を算定するものとすること。
つまり介護保険では、居宅サービス計画又は訪問看護計画のいずれかに、サービス開始時刻が夜間・早朝・深夜の時間帯として位置づけられていることが要件です。医療保険の「利用者又は家族の求めに応じて」という要件とは異なります。
医療保険の金額(人数に応じた区分)
夜間・早朝訪問看護加算・深夜訪問看護加算は、同一日に、対象となる加算等を算定する同一建物居住者の合計人数に応じて金額が決まります。
近畿厚生局のFAQ No.23では、同一建物居住者を、基本的に建築基準法第2条第1号に掲げる建築物(同一敷地内のものを含む)に居住する複数の利用者と説明しています。有料老人ホームやマンションなどの集合住宅に入居・入所している複数の利用者などが該当します。
また、FAQ No.24では、同一建物居住者の人数について、同一日に訪問看護基本療養費、精神科訪問看護基本療養費、包括型訪問看護療養費を算定する利用者数を合算するとしています。対象人数の判定には、この集計方法を踏まえる必要があります。
出典:近畿厚生局「よくある質問(訪問看護療養費の算定について)」No.23・24
同一建物内の人数区分に加え、3人以上の区分では「月15日目まで」と「月16日目以降」で加算額が異なります。具体的な日数の集計方法については、算定告示・留意事項通知の該当箇所を確認したうえで判断してください。

夜間・早朝訪問看護加算
| 区分 | 月15日目まで | 月16日目以降 |
|---|---|---|
| 同一建物内1〜2人 | 2,100円 | 2,100円 |
| 同一建物内3〜9人 | 2,100円 | 1,900円 |
| 同一建物内10〜19人 | 1,800円 | 1,300円 |
| 同一建物内20〜49人 | 1,200円 | 950円 |
| 同一建物内50人以上 | 1,000円 | 800円 |
深夜訪問看護加算
| 区分 | 月15日目まで | 月16日目以降 |
|---|---|---|
| 同一建物内1〜2人 | 4,200円 | 4,200円 |
| 同一建物内3〜9人 | 4,200円 | 4,000円 |
| 同一建物内10〜19人 | 3,900円 | 2,300円 |
| 同一建物内20〜49人 | 2,100円 | 1,500円 |
| 同一建物内50人以上 | 1,800円 | 1,300円 |
いずれも、告示(令和8年厚生労働省告示第74号、区分01注13・注14)の全区分・全金額と直接照合し、一致を確認済みです。
医療保険:同一建物内の人数と加算額の関係
加算額は同一建物居住者の人数区分に応じて設定されています。人数区分によっては、月15日目までと月16日目以降でも金額が異なります。
たとえば夜間・早朝訪問看護加算では、1〜2人と3〜9人の区分は、月15日目までの金額がどちらも2,100円で同額ですが、月16日目以降は3〜9人の区分の方が低くなります。人数区分が上がるにつれて一律に金額が下がるわけではなく、人数の区分(同一建物内の人数)と、日数の区分(月15日目まで・16日目以降)の、2つの軸の組み合わせで金額が決まる仕組みです。
具体的な日数の集計方法については、算定告示・留意事項通知の該当箇所を確認したうえで判断してください。深夜訪問看護加算も、同様の考え方です。この仕組みは医療保険特有のもので、介護保険にはありません。対象人数の数え方は、前述の「同一建物居住者」の定義に沿ってご確認ください。
医療保険:緊急訪問看護加算との併算定
近畿厚生局のFAQ資料(No.45・No.47)に、次のとおり明記されています。
夜間・早朝訪問看護加算は緊急訪問看護加算と併算定することはできますか。 できます。
深夜訪問看護加算は緊急訪問看護加算と併算定することはできますか。 できます。
つまり、夜間・早朝訪問看護加算、または深夜訪問看護加算は、緊急訪問看護加算と併算定が可能です。
近畿厚生局「よくある質問(訪問看護療養費の算定について)」PDF(No.45・47)
介護保険側の、緊急時訪問看護加算との併算定可否については、今回の確認でも明確な一次資料を見つけられませんでした。断定を避け、算定前に個別にご確認ください。

医療保険:算定できないケース
告示注15は、夜間・早朝・深夜訪問看護加算に限定した規定ではなく、「訪問看護基本療養費(01)」全体に適用される規定です。次のいずれかに該当する利用者には、訪問看護基本療養費自体を算定しないため、結果として夜間・早朝・深夜訪問看護加算も算定されません(別に厚生労働大臣が定める場合を除く)。
- 病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院等の医師又は看護師若しくは准看護師が配置されている施設に、現に入院又は入所している場合
- 特定施設入居者生活介護、または認知症対応型共同生活介護の提供を受けている場合
- 他の訪問看護ステーションから、現に指定訪問看護を受けている場合(一部の例外を除く)
- 包括型訪問看護療養費を算定すると届出を行った建物に居住している場合(一部の例外を除く)
介護保険側の、算定できないケースについては、今回の確認では明確な一次資料を見つけられませんでした。医療保険の条件をそのまま介護保険に当てはめることはできません。
介護保険の金額
訪問看護費の告示(訪問看護費注3)に、次のとおり定められています。
夜間若しくは早朝の場合又は深夜の場合:早朝(午前6時から午前8時)・夜間(午後6時から午後10時)の場合は所定単位数の100分の25に相当する単位数を、深夜(午後10時から午前6時)の場合は所定単位数の100分の50に相当する単位数を、所定単位数に加算する。
つまり、夜間・早朝は所定単位数の25%、深夜は50%を加算します。
医療保険と異なり、同一建物内の人数や、月の算定日数による区分はありません。所定単位数に対して、夜間・早朝は25%、深夜は50%に相当する単位数を加算する仕組みです。ただし、算定には、居宅サービス計画又は訪問看護計画上のサービス開始時刻の位置づけなどの要件を満たす必要があります。
どの利用者にも同じ加算額が一律に付くわけではない点に注意してください。加算額は、その利用者のその日の所定単位数(訪問時間の区分や職種によって異なります)に、25%または50%を掛けた金額であり、所定単位数が異なれば、加算額も利用者ごとに異なります。

実務のポイント
- 時間帯の確認:夜間(18〜22時)、早朝(6〜8時)、深夜(22〜6時)のどこに当てはまるかを確認します。この定義は医療保険・介護保険で共通です。
- 保険の判定が先:利用者が医療保険と介護保険のどちらの対象かによって、当てはまる金額の仕組みと算定要件が変わります。
- 医療保険は2つの軸:同一建物内の人数と、月の算定日数の、2つの区分の組み合わせで金額が決まります。人数が増えるほど一律に金額が下がるわけではありません。対象人数は、同一建物居住者の定義(同一日に訪問看護基本療養費、精神科訪問看護基本療養費、包括型訪問看護療養費を算定する利用者数の合算)に沿って数えます。日数の具体的な集計方法は、算定告示・留意事項通知の該当箇所で確認してください。
- 介護保険の加算は所定単位数に対する割合:夜間・早朝は25%、深夜は50%ですが、居宅サービス計画又は訪問看護計画上のサービス開始時刻の位置づけなどの要件も満たす必要があります。
- 算定要件は保険ごとに異なる:医療保険は利用者又は家族の求めが要件、介護保険は居宅サービス計画又は訪問看護計画上の位置づけが要件です。
- 医療保険は緊急訪問看護加算と併算定できる:夜間・早朝・深夜訪問看護加算は、いずれも緊急訪問看護加算と同時に算定できます。
管理者が確認しておきたいこと
- その利用者が、医療保険と介護保険のどちらの対象かを確認しているか
- 訪問した時間が、夜間・早朝・深夜のどの定義に当てはまるか
- (医療保険)利用者又は家族からの求めによる訪問であることが、記録等で確認できるか
- (医療保険)同一建物内の、その日の対象人数(訪問看護基本療養費、精神科訪問看護基本療養費、包括型訪問看護療養費を算定する利用者数の合算)を正しく数えているか。月内の算定日数の集計方法は、算定告示・留意事項通知の該当箇所で確認しているか
- (医療保険)算定できない利用者(施設入院・入所中等)に、誤って算定していないか
- (介護保険)居宅サービス計画又は訪問看護計画上、サービス開始時刻が加算対象の時間帯に位置づけられているか
よくある質問
Q. 医療保険と介護保険で、金額の仕組みはどう違いますか?
A. 医療保険は、同一建物内の人数と、月の算定日数の組み合わせで決まる定額です。介護保険は、所定単位数に、決まった割合(夜間・早朝は25%、深夜は50%)を加算する仕組みです。
Q. 夜間・早朝・深夜は、それぞれ何時から何時までですか?
A. 夜間は午後6時から午後10時まで、早朝は午前6時から午前8時まで、深夜は午後10時から午前6時までです。この定義は医療保険・介護保険で共通です。
Q. ステーションの都合で夜間に訪問した場合も算定できますか?
A. 医療保険では、できません。利用者又はその家族等の求めに応じた場合に限られます。介護保険では、利用者・家族の求めという要件ではなく、居宅サービス計画又は訪問看護計画上、サービス開始時刻が当該時間帯に位置づけられていることが要件です。
Q. 同一建物内の人数と、どう関係しますか?
A. 医療保険の夜間・早朝訪問看護加算、深夜訪問看護加算そのものが、同一建物内の人数に応じて金額が変わる仕組みです。ただし、人数が増えるほど必ず金額が下がるわけではなく、月の算定日数との組み合わせで決まります。介護保険には、そうした人数による区分はなく、一律の割合で加算されます。
Q. 緊急訪問看護加算と、同時に算定できますか?
A. 医療保険では、できます。夜間・早朝訪問看護加算、深夜訪問看護加算は、いずれも緊急訪問看護加算と併算定が可能です。介護保険側の取扱いは、今回確認できていません。
まとめ
- 夜間は18〜22時、早朝は6〜8時、深夜は22〜6時。この定義は医療保険・介護保険で共通
- 医療保険は、同一建物居住者の合計人数(訪問看護基本療養費、精神科訪問看護基本療養費、包括型訪問看護療養費を算定する利用者数の合算)と、月の算定日数(15日目まで・16日目以降)の、2つの区分の組み合わせで金額が決まる。日数の具体的な集計方法は、算定告示・留意事項通知の該当箇所で確認が必要
- 介護保険は、所定単位数に対して、夜間・早朝は25%、深夜は50%に相当する単位数を加算する。算定には居宅サービス計画又は訪問看護計画上のサービス開始時刻の位置づけなどの要件がある
- 医療保険の算定要件は利用者又は家族の求め、介護保険の算定要件は居宅サービス計画又は訪問看護計画上の位置づけで、両者は異なる
- 医療保険は、緊急訪問看護加算と併算定できる。介護保険側の併算定可否、算定できないケースは未確認
最新の算定ルールは、必ず厚生労働省の資料や通知で確認してください。
関連記事:緊急時訪問看護加算Ⅰ・Ⅱの違い|算定要件と体制整備/訪問看護の同一建物減算とは|2026年改定の5区分を解説(医療保険)/制度一覧
出典
- 訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(令和8年厚生労働省告示第74号)区分01注13・注14・注15:医療保険の金額・時間帯定義の根拠
- 近畿厚生局「よくある質問(訪問看護療養費の算定について)」No.23・24・44〜47(令和8年6月1日〜適用分)
- 算定留意事項通知(令和8年3月5日 保発0305第19号)
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)訪問看護費・注3:介護保険の加算率(25%・50%)の根拠
- 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準及び指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について(平成12年3月1日老企第36号)第二4(9):介護保険の時間帯定義・算定要件(計画上の位置づけ)の根拠
- 介護給付費単位数等サービスコード表(令和8年6月・8月施行版)
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」(訪問看護療養費の告示第74号、算定留意事項通知等の起点)
最終確認日:2026年10月21日 ※月内の日数の具体的な集計方法、介護保険の緊急時訪問看護加算との併算定可否、介護保険の算定できないケースは、今回確認できていません。制度は改定されるため、最新情報をご確認ください。