精神科の利用者を初めて受け入れるとき、何から確認すればいいかご存知ですか?
精神科の利用者は、指示書の種類や保険適用の考え方が一般の訪問看護と異なるため、新規受け入れ時に確認しておきたい事項があります。
この記事では、受け入れ時に確認したい加算・制度の全体像を整理します。
※各加算・制度の詳しい算定要件は、それぞれの関連記事で扱っています。この記事は、新規受け入れ時のチェック項目の整理です。
まず確認したい:指示書の種類
精神科の利用者を受け入れる際は、まず精神科訪問看護指示書が交付されているかを確認します。
- 精神科訪問看護指示書は、精神科を標榜する保険医療機関において、精神科を担当する医師に限り交付できます(この点は告示区分01-2注1で確認済みです)
- 通常の訪問看護指示書と精神科訪問看護指示書は併用できないとされています(この点は業界資料による記載で、今回一次資料での照合はできていません)
- 精神科訪問看護指示書があれば、要介護・要支援認定の有無にかかわらず、原則として医療保険が優先されるとされています(認知症の場合を除く。こちらも業界団体作成の手引き等の二次資料に基づくもので、厚生労働省の告示・通知そのものには行き着けていません)
詳しくは関連記事の「精神科訪問看護の保険適用の考え方」をご覧ください。
該当する可能性がある加算
新規受け入れ時に、利用者の状態から該当しそうな加算を確認します。
- 精神科緊急訪問看護加算:利用者・家族の求めに応じて緊急訪問する可能性があるか
- 複数名精神科訪問看護加算:同時に複数名での訪問が必要な状態か(30分未満の訪問は対象外)
- 精神科重症患者支援管理連携加算:精神科在宅患者支援管理料を算定している利用者で、主治医の医療機関と連携した定期的な訪問看護を行うか
- 長時間精神科訪問看護加算:長時間の訪問を要する状態か
これらの加算の詳しい算定要件は、それぞれの関連記事をご覧ください。
週の訪問回数の確認
精神科訪問看護基本療養費は、原則として週3日が限度ですが、退院後3か月以内の期間は週5日まで算定できます(告示区分01-2注1)。利用者の退院日を確認し、該当するかどうかを把握しておく必要があります。
体制面で確認したいポイント
ここから先は、告示・通知に明記された算定要件ではなく、精神科の利用者を新規で受け入れる際に、実務上一般的に確認しておきたい体制面のポイントの整理です。
- 主治医(精神科医)との連携体制:病状変化時の報告・相談ルート
- 既往歴・現病歴の把握:過去の入院歴、服薬状況、副作用歴
- 緊急時の対応方針:病状悪化時・希死念慮出現時等の対応手順、連絡先
- 家族・支援者との関係:キーパーソンの把握、家族の理解度・協力体制
- 他機関との連携:精神科病院、保健所、相談支援事業所等との連絡体制
これらは一般的な実務知識であり、告示・通知に定められた算定要件そのものではありません。事業所ごとの手順書・マニュアルと合わせてご確認ください。
記録に残しておきたいこと
- 精神科訪問看護指示書の内容(指示期間、留意事項)
- 該当する加算とその根拠(利用者の状態、主治医の指示内容)
- 週の訪問回数の管理状況(退院後3か月以内かどうかを含む)
- 緊急時対応の方針、家族・関係機関との連携内容
よくある質問
Q. 精神科訪問看護指示書がない場合、精神科の利用者を受け入れられませんか?
A. 精神科訪問看護指示書がなくても、通常の訪問看護指示書に基づく訪問は可能です。ただし、その場合は精神科訪問看護基本療養費や精神科関連の加算は算定できません。
Q. 認知症の利用者を精神科的に支援する場合も、精神科訪問看護指示書が必要ですか?
A. 認知症は、精神科訪問看護指示書の「医療保険優先」の原則の例外(介護保険給付が優先)とされています。詳しくは関連記事の「精神科訪問看護の保険適用の考え方」をご覧ください。
関連記事
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最終確認日:2026年9月27日